「お父さんが…マイキーに何か言ったんだね？」



「………」



「っ…」



「！六花！どこ行くんだよ！」




背を向けて来た道を戻ろうとした私の手をマイキーが掴む。



「お父さんに会ってくる！！私はアメリカなんて行かない！！」



「六花…」



「ずっとずっとマイキーの傍にいるの！！」



「六花…」



「ずっと傍にいるって！！約束したから！」



「六花！！」


「っ！！」



マイキーの声にびくりと体がはねた。



マイキーはぐしゃりと前髪を掴んで、苦しげに眉を寄せる。




「もう…辛ぇんだよ…」



「マイ、キ…」



「もう…何も考えたくない。

六花が傍にいるのが……


辛いんだ…苦しいんだ…

だから…もう…


終わらせたい」




心臓がむしり取られたんじゃないかと思うほど……



胸が苦しかった。



うまく、息ができない…




苦しげなマイキーに、私は近づくと…その頬に手を伸ばす。




「…マイキー…言ったよね。

ずっと一緒にいよう、って…

どんな時も…一緒だって。」



「………」



「っ…ずっとっ…この先もっ、」



「忘れた…」



「え……」



マイキーの暗い瞳が……私を見つめる。




「そんな事…もう忘れた」











未来に帰って…


俺は1番幸せな時間を過ごしていた。


相変わらずボロボロのアパート住まいだけど


仲間は皆変わらずだし、隣にはヒナがいて…


もうすぐけ、結婚まで…


なんだか夢見てる気分だ。


変わったことといえば、レンタル屋のバイトから店長に昇格した、事ぐらいか？


六花ちゃんが予想した通りになってんじゃん……


「…そういや…いつ六花ちゃん帰ってくるんだろうな、マイキー君も。」



この前のパー君の結婚式の帰りにしたヒナとの会話を思い出す。






「え？六花ちゃん？」



「うん、連絡とかとってる？」



「ううん。何回か連絡はしたんだけど…六花ちゃん忙しいのか、全然連絡なくて。
それっきり…」



「そ、そっか……」


海外で成功したっていってたし…


しょうがない、のか？