第2章
夢小説設定
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「夏休み終わってからも、よくうちには遊びに来てて、特にマイキーとは週1ぐらいで会ってた」
「そ、そうなんだ…」
なんだか信じられない…
私があのマイキーと?
いやいや、まぁ私が知ってるマイキーって12年後のマイキーだからなんだろうけどさ…
「で、小5になって俺とか三ツ谷とも絡むようになったんだよな」
「おお。でもあんま仲良くしてたらマイキーがキレるからしゃべりにくかったけどな」
「そ、そうなんだ…」
なんかもう頭ついてこないわ…
「で…あの事件がおきたんだ」
けんちゃんの言葉に私の脳裏に浮かぶのは、あの日の光景…
真っ赤に染まる空。
熱い熱風と私の叫び。
私はぎゅっと自分の肩を掴む。
「大丈夫か?辛いならもう、」
「…ううん、大丈夫。話して」
けんちゃんの言葉に私は首を横にふる。
みんなも心配したような顔で私を見て、みんなの優しさが分かる。
不良だし、見た目は少し怖いけど…
きっと彼らはとても優しい人なんだろうな。
「…辛くなったら言えよ。あの火事があって、お前が巻き込まれたって聞いて俺らとマイキー、真一郎君が病院に行ったんだ。
でも…」
「私は記憶を…なくしてた?」
けんちゃんが頷く。
「記憶の混乱かもしれないって一時的かもしれねぇって医者は言ってたから、何度か会いに行ったんだけどな…」
「六花の親父さんが…その…」
「もう来んじゃねぇって言ったんだよな!」
「「「パー!」」」
「なんだよ!ホントの事だろーよ!」
まったく…と呆れたようにけんちゃんがため息。
「六花の親父さんのせい、みたいに言いたくなかったんだけどよ…」
「うん。分かってる、ありがとうけんちゃん、皆。気を使ってくれて…うちのお父さんならそう言うと思う」
きっとあの人の事だ。
皆を傷つける言葉を言ったのではないだろうか…
マイキーに
何か言ったのだろうか?
「その後は、さっきも言ったようにマイキーがお前にはもう会いに行くなって言って…」
「お前ら…何してんの?」
背後から突然聞こえた声に、皆が少しビクリと肩を上げると瞳を開く。
そしてそれは私も同じだった。
聞き覚えのある声…
【六花】
最後に見た彼の顔が浮かんだ…
「お前ら…俺抜きで何してんだよ?」
「ま、マイキー!」
エマが少し焦ったように私と、背後にいる彼を交互にみる。
マイキーは、私にまだ気づいてない…
胸が…変にドキドキした。
「な、なんでここに?」
「はぁ?ずっと電話してきてたのお前だろ」
「っ…」
ジャリ、と砂をふむ音がして、背後で人が動いたのが分かった。
緊張した私の横をフワリと金色が揺れて…通りすぎる…
あ…
12年後
私はこの背中を何度も見た。
いつも私の質問に答えずに先を行ってしまう背中。
やっと隣を歩けると思っていたのに…
【六花!!!】
ぎゅっ、と胸が痛くなった。
「ここにいたなら連絡……」
「あ」
振り返った彼の瞳と、私の瞳が絡まった。
ザーッと風が、私達の髪を揺らす。
彼の瞳は…12年前と同じ…
漆黒だ。
でも、12年前のように闇を持った暗いものではなかった。
フワリと柔らかそうな猫のようなくせ毛。
寝起きだった12年前の彼が、こんな風だった…
と思い出す。
目の前の彼は、それよりももう少し幼いけれど…
「…なんで…」
私をその漆黒の瞳に映し出すと、彼は瞳を開く。
なんで…
そうだよね。
私は
彼を忘れてしまっていた。
それなのに
何故
私がここにいるのか…
マイキーは眉間に皺を寄せると、私から視線を離して皆を振り返る。
「…エマ」
「うっ…」
睨まれたエマは居心地悪そうに眉を下げるとけんちゃんの後ろに隠れる。
「そう睨むなって…マイキー」
けんちゃんがそう言うとマイキーはますます不機嫌を顔に出す。
「説明するからんな怒んなって。別にお前に黙って六花に会ってたわけじゃねーよ」
三ツ谷君の言葉にけんちゃんの後ろに隠れていたエマが小さく口を開く。
「…ごめん、マイキー。ウチのせいだよ。…マイキーに、六花に関わるなって言われてたけど…
偶然会っちゃって…それで…記憶がなくなってる話、しちゃったの」
「で、六花は俺達の事も思い出したいんだとよ。だから、話をしたんだ」
けんちゃんの言葉にマイキーは何も言わない。
怒っているのだろうか…
今更何を…って…
思うよね。
ぎゅっと両手を握りしめた。
でも…
ここで諦めるわけにいかない。
たとえ拒絶されても
私は…
12年後の未来にならないように
マイキーがあんな風にならないように
彼が本当に心から笑えるように…
ふとマイキーが振り返ると、再び私を視界にいれる。
12年前のマイキー…
私の知ってる彼より随分幼い。
でも
やっぱりマイキーだ。
私が好きになった人。
【1人で、泣くなよ】
【大丈夫だ】
【六花】
思い出すのは…
短かった彼との記憶。
愛しかった時間。
「そ、そうなんだ…」
なんだか信じられない…
私があのマイキーと?
いやいや、まぁ私が知ってるマイキーって12年後のマイキーだからなんだろうけどさ…
「で、小5になって俺とか三ツ谷とも絡むようになったんだよな」
「おお。でもあんま仲良くしてたらマイキーがキレるからしゃべりにくかったけどな」
「そ、そうなんだ…」
なんかもう頭ついてこないわ…
「で…あの事件がおきたんだ」
けんちゃんの言葉に私の脳裏に浮かぶのは、あの日の光景…
真っ赤に染まる空。
熱い熱風と私の叫び。
私はぎゅっと自分の肩を掴む。
「大丈夫か?辛いならもう、」
「…ううん、大丈夫。話して」
けんちゃんの言葉に私は首を横にふる。
みんなも心配したような顔で私を見て、みんなの優しさが分かる。
不良だし、見た目は少し怖いけど…
きっと彼らはとても優しい人なんだろうな。
「…辛くなったら言えよ。あの火事があって、お前が巻き込まれたって聞いて俺らとマイキー、真一郎君が病院に行ったんだ。
でも…」
「私は記憶を…なくしてた?」
けんちゃんが頷く。
「記憶の混乱かもしれないって一時的かもしれねぇって医者は言ってたから、何度か会いに行ったんだけどな…」
「六花の親父さんが…その…」
「もう来んじゃねぇって言ったんだよな!」
「「「パー!」」」
「なんだよ!ホントの事だろーよ!」
まったく…と呆れたようにけんちゃんがため息。
「六花の親父さんのせい、みたいに言いたくなかったんだけどよ…」
「うん。分かってる、ありがとうけんちゃん、皆。気を使ってくれて…うちのお父さんならそう言うと思う」
きっとあの人の事だ。
皆を傷つける言葉を言ったのではないだろうか…
マイキーに
何か言ったのだろうか?
「その後は、さっきも言ったようにマイキーがお前にはもう会いに行くなって言って…」
「お前ら…何してんの?」
背後から突然聞こえた声に、皆が少しビクリと肩を上げると瞳を開く。
そしてそれは私も同じだった。
聞き覚えのある声…
【六花】
最後に見た彼の顔が浮かんだ…
「お前ら…俺抜きで何してんだよ?」
「ま、マイキー!」
エマが少し焦ったように私と、背後にいる彼を交互にみる。
マイキーは、私にまだ気づいてない…
胸が…変にドキドキした。
「な、なんでここに?」
「はぁ?ずっと電話してきてたのお前だろ」
「っ…」
ジャリ、と砂をふむ音がして、背後で人が動いたのが分かった。
緊張した私の横をフワリと金色が揺れて…通りすぎる…
あ…
12年後
私はこの背中を何度も見た。
いつも私の質問に答えずに先を行ってしまう背中。
やっと隣を歩けると思っていたのに…
【六花!!!】
ぎゅっ、と胸が痛くなった。
「ここにいたなら連絡……」
「あ」
振り返った彼の瞳と、私の瞳が絡まった。
ザーッと風が、私達の髪を揺らす。
彼の瞳は…12年前と同じ…
漆黒だ。
でも、12年前のように闇を持った暗いものではなかった。
フワリと柔らかそうな猫のようなくせ毛。
寝起きだった12年前の彼が、こんな風だった…
と思い出す。
目の前の彼は、それよりももう少し幼いけれど…
「…なんで…」
私をその漆黒の瞳に映し出すと、彼は瞳を開く。
なんで…
そうだよね。
私は
彼を忘れてしまっていた。
それなのに
何故
私がここにいるのか…
マイキーは眉間に皺を寄せると、私から視線を離して皆を振り返る。
「…エマ」
「うっ…」
睨まれたエマは居心地悪そうに眉を下げるとけんちゃんの後ろに隠れる。
「そう睨むなって…マイキー」
けんちゃんがそう言うとマイキーはますます不機嫌を顔に出す。
「説明するからんな怒んなって。別にお前に黙って六花に会ってたわけじゃねーよ」
三ツ谷君の言葉にけんちゃんの後ろに隠れていたエマが小さく口を開く。
「…ごめん、マイキー。ウチのせいだよ。…マイキーに、六花に関わるなって言われてたけど…
偶然会っちゃって…それで…記憶がなくなってる話、しちゃったの」
「で、六花は俺達の事も思い出したいんだとよ。だから、話をしたんだ」
けんちゃんの言葉にマイキーは何も言わない。
怒っているのだろうか…
今更何を…って…
思うよね。
ぎゅっと両手を握りしめた。
でも…
ここで諦めるわけにいかない。
たとえ拒絶されても
私は…
12年後の未来にならないように
マイキーがあんな風にならないように
彼が本当に心から笑えるように…
ふとマイキーが振り返ると、再び私を視界にいれる。
12年前のマイキー…
私の知ってる彼より随分幼い。
でも
やっぱりマイキーだ。
私が好きになった人。
【1人で、泣くなよ】
【大丈夫だ】
【六花】
思い出すのは…
短かった彼との記憶。
愛しかった時間。