「……ん……」


カーテンから差し込む眩しい光に…私は瞳を開いた。


「起きたか？」


ふと背後から声がして振り返ったら、上半身裸の状態で、マイキーがベッドに腰掛けてこちらを振り返った。



乱れた金髪と、目の下の隈…



「マイキー…また、眠れなかったの？」



そう聞いた私に、マイキーは何も言わない。



マイキーは……


あの日から…天竺との抗争の後から、うまく眠れなくなっていた。


妹を失ったのだから…当たり前なのかもしれないが…



目の下に隈ができるほど眠れないのは…心配でならない。



「マイキー…もう少し眠る？」



「……六花」



「ん？」



マイキーは天井を見上げて、しばらく何も言わず沈黙して…私を振り返った。




「出かけよう。2人で」


「え？でも…」



マイキーはあまり体調が良さそうには見えない。



「……出かけたいんだ。六花と…2人で」



そう言って力なく笑うマイキーは……


今にも消えてしまいそうだ。



「……分かった。行こう、マイキー」


私は心の不安をかき消すように、彼の手を握った。









「直人〜！！！」



俺は人目もはばからず、直人に抱きつく。



直人が、生きてる！



目の前で撃たれて死んだ直人…



それが未来が変わって今生きている。



涙が溢れ出して止まらなかった。




「武道君……ミッションコンプリートです。

姉さんの生きてる世界だ」



そう、今までの中で1番最高の………





『たけみっち』




あれ……



俺は周りを見渡す。



優しく俺を呼ぶ声が……しない。




「……ねぇ…あの、さ……


六花ちゃんと、マイキー君…は？」




俺、みんなが生きてて、舞い上がってて、すっかり1番大切な事を忘れていた。






『たけみっち……


絶対、幸せになってね。


約束だよ』






ずっと……ヒナと同じように、未来で会いたかった人。




「……マイキーは…今海外で飲食店の経営してるんだ。」




「大成功してんだぜ！今日も本当は来る予定だったんだけど、急に仕事が入ったってよ」



ドラケン君に続いて、千冬がそう言った。



「すげぇ！そうなんだ！」



マイキー君、成功したんだ！



「あいつも、お前に会いたがってたぜ」



「さすがマイキー君っすね！え、じゃあ六花ちゃんは…」



「……六花……えっと…」



「？」



ドラケン君が視線を逸らす。



「マ、マイキー君について今も海外飛び回ってるよ！」



「え！？も、もしかして2人、結婚したとか！？」



「……か、かもな」



「えぇ！！」



そうか！


六花ちゃん、マイキー君と幸せにやってるんだ！！



よかった……



会えなかったのは残念だけど、それを聞けて安心した。



きっといつか……



会えるよな。




六花ちゃん…