六花ちゃんの、為……？



その為に、こんなヤバいやつら集めて天竺を作った？



邪魔なマイキー君も潰すため、六花ちゃんを……マイキー君から引き離す為……？



黒川イザナは……そこまでして…


六花ちゃんを…？



2人の間に何があったのかは分からない。




でも……




「六花ちゃんの居場所を教えろ」



「は？なんでお前に教える必要があんだよ」



「六花ちゃんは！マイキー君にとって必要な人だからだよ！！」



エマちゃんを失って…廃人のようになったマイキー君。


彼の心を今救えるのは…


六花ちゃんしかいない。





「…知りたきゃ…俺らに勝つことだな。花垣武道」



「くっ…」



「まずは先駆け戦といこう」












「はぁ…はぁ…」



息がきれる…


どれぐらい走っただろうか…



足が痛くてしゃがみこみたくなる。



でも…




『俺の…夢？』



『うん。イザナに、夢はある？』



『夢…か…考えたことも無かった。』



芝生の上に寝転びながら、隣でイザナが空を見上げる。



『でも……いつかお母さんが迎えに来てくれて…妹と3人で暮らす。』




それが…




今の俺の夢…かな…






「っ……」




信じていたものに裏切られた苦しみ。



悲しみ…



イザナの



孤独。




イザナに伝えたいことがある。



今のイザナに…



届くかは分からない。



でも……




それでも彼を救える道があるなら…



まだ間に合うなら…




優しかった頃のイザナに…




戻る事ができるなら…