たけみっち達と別れて、夜道を1人歩く…



「………」



たけみっちの未来で見た話……



正直ショックだった。



いや…今までだってそれなりに衝撃は受けてきたけど……



今回のは……




「六花」



「え？…あ…」




ふと呼ばれた名前に顔を上げると、そこには…




「……マイキー…」




優しげに微笑んでるマイキーの姿…



「電話出ろよ〜心配しただろ」



「あ…ご、ごめん」



「だから迎えに行くって……って、びしょ濡れじゃん！」



マイキーはおどろいた顔で私に近づく。



「マイキー…」



「なんで傘持ってんのに濡れて…」



私はマイキーに手を伸ばすと、そのままぎゅっと抱きつく。



「…ど、どうした…」



「…………」



未来で…



マイキーは死んだ。



自分が死んでいる事は…耐えれる。



でも…



マイキーは嫌だ…




マイキーがいない世界は……



絶対に嫌。



「六花…？」



マイキーの手が私の濡れた髪に触れて…ぎゅっと彼の服を掴む。





『マイキー…この女はいつかあんたをダメにする。……必ずな』




稀咲の言葉が……



頭の中を駆け巡る。


私は……



私がいたら……



マイキーの未来は違うものになるかもしれない……



でも……



もうマイキーと二度と離れたくない。



離れる事なんてできない…



胸が苦しくなるぐらいに



私はマイキーを好きなんだ。




「……何か、あったか…」



優しく抱き締め返してくれるマイキーに私は彼の胸に顔を擦り寄せてフルフルと首を横に振る。



泣いちゃダメだ……




泣いちゃ…




「…あはは…マイキーに早く会いたくて走ってきたら濡れちゃった」




「………」



マイキーは私を見つめると…そっと優しいキスが落ちてくる。




「馬鹿だな…何やってんだよ…風邪引いたらどうすんだよ」



「…だね…」



「そんな慌てなくても…俺はいつも六花のすぐ近くにいるだろ」


マイキーの指が濡れた私の髪を撫でる。


その優しい瞳に…我慢している涙が溢れそうになった。



「ずっと……一緒だよね…」



私……マイキーの傍にいて、いいんだよね…




「当たり前だろ。約束したじゃん」




「うん…」



そう、約束した。



何があっても傍にいるって……




そう思っているのに……




不安を消す事ができない…




不安で



不安で…




胸が押し潰ぶされそうだ。