不思議な…


夢を見た。



『六花』




優しく私を呼んで…




背中に感じた温もりに、私は瞳を開く。




マイキー…？




ぎゅっ、と後ろから抱きしめられて顔は見えないけど……



この腕はマイキーだ。




『六花……ごめんな…』




なぜ彼は…謝っているんだろう。



どうしたの？と声を掛けたいのに…



うまく声が出せない。




ふっ…と背中の温もりが消えて…




私は金縛りから解放されたように体が動いて後ろを振り返る。




そこには……




え……誰…？




そこには見たことない黒髪短髪の男の人…




でも、その見つめてくる瞳に…私はハッとした。




マイキー…？




そこにいたのは私が知ってるマイキーとはまったく違う姿で…未来の私が知ってるマイキーでもなかった。


でも…



その漆黒の瞳だけは…



何も変わっていない。




これは……



未来のマイキー、なの？




『六花…ごめん…俺…


お前との約束…


守れなかった。』




え……




苦しげに眉を寄せたマイキー。





『ただ…六花と一緒にいたかった。


でも……それすら…


俺には許されなかった』




何の話をしているの…マイキー…


『ごめん……六花』



マイキーの頬を伝った涙に…



私は瞳を開いた。




マイキーが……



泣いてる…



『ごめん………』




マイキー！待って！




消えていくマイキーに私は手を伸ばす。




待って！行かないで！




マイキー！