「みんな……殺され、た？待てよ直人！！何言ってんだよ！マイキー君がそんな事するわけ……六花ちゃんは？」



「………」



「なぁ！直人！六花ちゃんは！？」



詰め寄る俺に、直人が歯を噛み締める。



「道成寺六花さんは……



亡くなりました」




「え…………」




「武道君がこちらに戻る…数週間前です」




「なん、で……」



俺は力なくその場にへたりこむ。



テーブルに置かれたあの写真の中で…彼女は太陽みたいに笑ってる…


過去で……

ついさっきまで……笑っていたのに…


なんで……



「道成寺六花さんは…植物状態で入院していたのですが……

先日、何者かが彼女の呼吸器を外した痕跡がでてきました」



「！まさか！稀咲が！」



「いえ…先程も言いましたが、稀咲鉄太は殺されています。」



「じゃあ…だれが……」



そこで俺は、一番嫌な事を思ってしまった。



まさか………



「病室につけられていた防犯カメラに……ある人物が映っていました。」



俺の心臓がどんどん早くなっていく…




「指名手配されている…佐野万次郎でした。」



「！！！」




なぁ六花……




お前は



幸せだったのだろうか




俺の傍にいる事が幸せだと六花は言ったよな？



でも……



俺はお前に貰ってばかりで



お前を幸せになんてできていなかったよな。




ごめんな……




六花……











「凄い！」



旅館について、部屋に入って出た第一声。




「マイキー！部屋に露天風呂がついてる！」




興奮気味の私にマイキーが笑う。




「奮発したかんな」



「凄い〜」



「それに……部屋風呂なら大浴場行かなくていいだろ」



「え？………あ…」




マイキーの言葉に私は自分の肩に触れる。




じつは温泉、とは聞いていたが、大浴場は諦めていた。


沢山の人がいる中で、自分の傷のある体を見せたくなかったからだ…



「マイキー…もしかしてその為にわざわざ…」



マイキーの気遣いと、気持ちが嬉しくて…ちょっと泣きそうになった。



「ありがとう…マイキー…」



「部屋風呂なら遠慮なくイチャイチャやりたい放題だろ〜」



「……今の言葉撤回していい？」