第1章
夢小説設定
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去っていく稀咲の背中。
助けて…誰か…
手を伸ばすが、暗い部屋には私だけ。
声すら出せない。
体がどんどん寒くなってきて
ああ
私
もう死ぬんだな。
そう感じた。
27歳という…短い人生で終わる、のか。
できればもう少し綺麗な死に方がよかったな。
ああ、でも多分、どっかの海にでも沈められるんだろうから、綺麗もくそもあったものじゃないか…
まだやりたい事あったのに。
私が死んだらお父さん、どうするんだろう?
ああ、下原君に資料、返せなかったな。
彼が怒られないといいな。
私の人生
なんだったんだろう。
思い返すと
ずっーと、父のいいなりの人生だったな。
でも
彼に
マイキーに出会えたのは
私の人生で1番の
宝物だったのかもしれない。
大袈裟だと言われるだろうか?
でもこの数日
とても幸せだったんだ。
もっともっと…
彼を知りたかった。
ああ…死んだら、お母さんに…会えるのかな…
だったらいいのにな。
でも
やっぱり
死ぬのは怖いな…
だんだん天井が遠くなっていく感覚に襲われる。
もう
これまでか…
「六花?」
呼ばれた名前に私は失いそうな意識にハッとする。
聞きたかった彼の声…
視界がじわりと滲んだ。
「六花!!」
バサッと彼の手から紙袋が滑り落ちて、床にたい焼きがころがる。
本当に…買ってきてくれたんだ。
マイキーは倒れてる私に走り寄ると体を抱き上げる。
べっとりとマイキーの服を血が汚す。
「六花!何があった!!」
叫ぶマイキーに私は力なく血まみれになった手を伸ばす。
「マイ、キ…」
「ああ、俺だ。今救急車を呼ぶ!しっかりしろ!」
携帯を持ったマイキーの手を弱々しくそのまま掴んだ。
「マイ、キ…わた、し」
きっと救急車を呼んでも
私は助からない。
何故だか分かる。
もうマイキーの顔がうっすらとしか
見えなくなってきてるんだ。
でも
最後にあなたの顔を見れて
よかった。
「わた、し」
「もういい、しゃべるな!医者を呼ぶから!だから目を閉じるな!」
「…大好き、だよ、マイ、キ」
「!」
伝えたかった
最後の時まで…
あなたは1人じゃないよ。
本当はもっと
伝えたい事があったのに。
そばにいて
あなたに寄り添いたかったのに
悔しくて
悲しくて
涙が頬を伝う。
「ご、め…んね、マイ、キー…」
もう傍に
いられなくなっちゃうよ。
「なんで謝るんだよ!なん、でっ!」
ポタリと…私の涙に混ざって彼の頬からも雫が落ちてくる。
私は精一杯の力を出して、彼の頬に指先でふれた。
指を伝う彼の涙。
胸が
締め付けられた。
「俺も、お前が好きだ。すぐに伝えなくて…ごめん。
大切なものができるのが…怖かった。
この手から滑り落ちていくぐらいなら
そんなもの
いらないって。
でも…
もう一度…」
マイキーの手が、頬にある手と繋がる。
私は流れた涙をそのままに、ゆっくり彼に微笑む。
「あり、がと…マイキー…」
その言葉を聞かせてくれて。
短い時間だったけれど
27年生きた中で
1番に
幸せな時だったよ。
あなたを救えなくて
ごめん。
マイキー
わがままを言うならもう一度だけ…
「たい、焼き…一緒、に…食べたかった、なぁ…」
「!六花!ダメだ!目を閉じるな!眠るな!」
マイキーの声が
遠くなっていく。
「六花!!!」
神様
私はきっと地獄行きだよね。
分かってるよ。
でも
だったらお願い。
どうか
もう彼を苦しめないで
彼を
幸せにしてあげて。
だったら私は
地獄にでもなんでも行くから。
マイキー
私の世界は
暗闇に包まれた。
助けて…誰か…
手を伸ばすが、暗い部屋には私だけ。
声すら出せない。
体がどんどん寒くなってきて
ああ
私
もう死ぬんだな。
そう感じた。
27歳という…短い人生で終わる、のか。
できればもう少し綺麗な死に方がよかったな。
ああ、でも多分、どっかの海にでも沈められるんだろうから、綺麗もくそもあったものじゃないか…
まだやりたい事あったのに。
私が死んだらお父さん、どうするんだろう?
ああ、下原君に資料、返せなかったな。
彼が怒られないといいな。
私の人生
なんだったんだろう。
思い返すと
ずっーと、父のいいなりの人生だったな。
でも
彼に
マイキーに出会えたのは
私の人生で1番の
宝物だったのかもしれない。
大袈裟だと言われるだろうか?
でもこの数日
とても幸せだったんだ。
もっともっと…
彼を知りたかった。
ああ…死んだら、お母さんに…会えるのかな…
だったらいいのにな。
でも
やっぱり
死ぬのは怖いな…
だんだん天井が遠くなっていく感覚に襲われる。
もう
これまでか…
「六花?」
呼ばれた名前に私は失いそうな意識にハッとする。
聞きたかった彼の声…
視界がじわりと滲んだ。
「六花!!」
バサッと彼の手から紙袋が滑り落ちて、床にたい焼きがころがる。
本当に…買ってきてくれたんだ。
マイキーは倒れてる私に走り寄ると体を抱き上げる。
べっとりとマイキーの服を血が汚す。
「六花!何があった!!」
叫ぶマイキーに私は力なく血まみれになった手を伸ばす。
「マイ、キ…」
「ああ、俺だ。今救急車を呼ぶ!しっかりしろ!」
携帯を持ったマイキーの手を弱々しくそのまま掴んだ。
「マイ、キ…わた、し」
きっと救急車を呼んでも
私は助からない。
何故だか分かる。
もうマイキーの顔がうっすらとしか
見えなくなってきてるんだ。
でも
最後にあなたの顔を見れて
よかった。
「わた、し」
「もういい、しゃべるな!医者を呼ぶから!だから目を閉じるな!」
「…大好き、だよ、マイ、キ」
「!」
伝えたかった
最後の時まで…
あなたは1人じゃないよ。
本当はもっと
伝えたい事があったのに。
そばにいて
あなたに寄り添いたかったのに
悔しくて
悲しくて
涙が頬を伝う。
「ご、め…んね、マイ、キー…」
もう傍に
いられなくなっちゃうよ。
「なんで謝るんだよ!なん、でっ!」
ポタリと…私の涙に混ざって彼の頬からも雫が落ちてくる。
私は精一杯の力を出して、彼の頬に指先でふれた。
指を伝う彼の涙。
胸が
締め付けられた。
「俺も、お前が好きだ。すぐに伝えなくて…ごめん。
大切なものができるのが…怖かった。
この手から滑り落ちていくぐらいなら
そんなもの
いらないって。
でも…
もう一度…」
マイキーの手が、頬にある手と繋がる。
私は流れた涙をそのままに、ゆっくり彼に微笑む。
「あり、がと…マイキー…」
その言葉を聞かせてくれて。
短い時間だったけれど
27年生きた中で
1番に
幸せな時だったよ。
あなたを救えなくて
ごめん。
マイキー
わがままを言うならもう一度だけ…
「たい、焼き…一緒、に…食べたかった、なぁ…」
「!六花!ダメだ!目を閉じるな!眠るな!」
マイキーの声が
遠くなっていく。
「六花!!!」
神様
私はきっと地獄行きだよね。
分かってるよ。
でも
だったらお願い。
どうか
もう彼を苦しめないで
彼を
幸せにしてあげて。
だったら私は
地獄にでもなんでも行くから。
マイキー
私の世界は
暗闇に包まれた。