第1章
夢小説設定
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私は1度立ち上がるとふと部屋から見える夜景に視線を送る。
マイキーが来たら
聞いてみよう。
資料を読んでも、やはり何も分からなかった。
マイキーは
教えてくれるだろうか?
彼の
過去を
彼の今ある苦しみを
ほんの少しでも
一緒に背負う事ができたなら
私は
カチャ…
え…?
背後からした音と、窓に映った人物に私は瞳を見開くと後ろを振り返った。
そこにいたのは私が待ち焦がれたその人ではない…
「お待ちかねの王子様じゃなくて悪いな」
そう言うと、眼鏡を触ってニヤリと彼は笑った。
「き、さき、さん…」
私は瞳を見開いて、動けなかった。
彼の手にあるキラリと光る銃。
その銃口は
私に向いていた。
「お前…なぁに嗅ぎ回ってやがる」
「っ…」
鋭い視線。
冷酷な瞳。
彼は一体何人の人を傷つけ
その手に掛けてきたのだろうか。
「お前の仕事はなんだ?」
「………」
恐怖に、足が震える。
「テメェの仕事は!!俺らの
言われた通りに尻拭いする事だけだろうがっっ!!!」
「!っ…っ!」
額に血管が浮き出るほどに彼は怒鳴る。
ビリビリと体に突き刺さるような大声。
「誰がマイキーの世話しろなんて頼んだ!!!」
「うっ、っ!」
稀咲が近づいてきたかと思うと、あっという間に距離を縮められ首筋を掴まれ、そのまま窓にダンっと背中を叩きつけられた。
痛みに視界が歪む。
「目障りなんだよ!テメェは!」
怖い。
足が恐怖で震えて…怖くて…
立っているのが不思議なくらいだ。
何故
彼はこんなに怒っているの?
「っ…わた、しは、何もっ、」
「目障りだっつってんだよ…マイキーに鷹る雌猫がっ」
「!」
彼が怒っているのは…
マイキーと私の関係?
私が
マイキーに仕事以外の感情を持ったから?
でも
「っ、あなたには、関係な、い」
私はマイキーを好きになったけど
だからって東京卍會をどうこうしようなんて策略はしていない。
ただ
マイキーという人間を知りたかっただけ。
でも
それが彼の逆鱗にふれたのだろうか?
それとも…
首を絞めている稀咲の手を掴むと、私は霞む視界でキッと彼を見あげた。
「…何か、っマイキーに知られちゃ困ることでも、ある、の?」
ピクリと彼の眉が動く。
私が東京卍會の過去を調べたら…何か不都合な事があるから?
裏の組織なんて、そんな綺麗な過去をもつ事なんてまずない。
それなのに
彼は何かを隠したがっているように感じる。
それはマイキーに知られてはならない、何かなのか…
私がそれを暴いて
マイキーに話すことを恐れている?
稀咲は私の問に、フッと笑った。
「六花…俺はバカは嫌いだか。頭はいい奴は好きだ。
お前は、俺が知る中でももっとも頭がいい女だ。」
「…………」
「…でも…その頭の良さが、お前の寿命を縮めちまったな」
「!!…っあ!」
稀咲は首から手を離すと、私を地面に叩きつける。
「けほっ…」
首が解放され一気に空気が入り込んで咳き込んだ。
カチャリ、と音がして銃口が再び私に向く。
「マイキーの闇はお前じゃ救えねぇんだよ」
闇…?
「わ…私を、殺す前に…1つ、聞かせて…」
稀咲は何も答えないが、私は彼を真っ直ぐ見つめながら言葉を続ける。
「彼が…マイキーがあんな風になった要因に…あなたは、関わってるの?」
2人の出会いは中学の時だと聞いている。
龍宮寺堅が死んでからも変わらずマイキーの1番近くにいた稀咲。
そして、彼は東京卍會のNo2になった。
でも
この2人に、信頼関係などあったのだろうか?
いや
私が見てきた限りではそんな風には見えなかった。
彼は賢い。
マイキーの心の隙間にうまく入り込んで、彼がマイキーをけしかけていたとしたら…
「…俺は…月だ。」
「え…?」
「月は1人じゃ輝けない。だから…」
彼は…何を言ってるの?
稀咲はメガネをクイッとあげる。
「話すぎたな。…もう終わりにしようぜ」
「!」
「…だから言ったんだよ。お前みたいな女弁護士、組織に入れるなってな。
マイキーの奴も絆されやがって…
余計な仕事が増えたじゃねぇか
…マイキー」
そう吐き捨てるように言って稀咲は笑った。
「…っマイキーっ…」
ダンっと高い銃声が部屋に響いた。
そして同時に感じたのは…
お腹に感じる
じわりとした熱さ…
「あ…っ」
私はバタリとうつ伏せに倒れ込む。
お腹を触るとヌルりと生暖かくて
その手は真っ赤に染まっていた。
どくどく…
床に…
血液が流れていくのが分かった。
稀咲は銃を胸元に仕舞うと携帯で誰かに電話をかける。
「俺だ。すぐ来い。後始末だ。あと…」
稀咲は私の前に来て目の前でしゃがむと、楽しそうに口角を上げて笑った。
「新しい弁護士用意しとけ」
「!っ、ぅ」
「前のは…使い物にならなくなったからな。あ?マイキー?あいつには俺から話しとく。ああ」
ギリッと奥歯を噛み締めて、手を握りしめる。
何も出来ない自分が悔しい。
電話を切った稀咲は立ち上がると私を見下ろす。
「じゃあな、弁護士、先生…」
マイキーが来たら
聞いてみよう。
資料を読んでも、やはり何も分からなかった。
マイキーは
教えてくれるだろうか?
彼の
過去を
彼の今ある苦しみを
ほんの少しでも
一緒に背負う事ができたなら
私は
カチャ…
え…?
背後からした音と、窓に映った人物に私は瞳を見開くと後ろを振り返った。
そこにいたのは私が待ち焦がれたその人ではない…
「お待ちかねの王子様じゃなくて悪いな」
そう言うと、眼鏡を触ってニヤリと彼は笑った。
「き、さき、さん…」
私は瞳を見開いて、動けなかった。
彼の手にあるキラリと光る銃。
その銃口は
私に向いていた。
「お前…なぁに嗅ぎ回ってやがる」
「っ…」
鋭い視線。
冷酷な瞳。
彼は一体何人の人を傷つけ
その手に掛けてきたのだろうか。
「お前の仕事はなんだ?」
「………」
恐怖に、足が震える。
「テメェの仕事は!!俺らの
言われた通りに尻拭いする事だけだろうがっっ!!!」
「!っ…っ!」
額に血管が浮き出るほどに彼は怒鳴る。
ビリビリと体に突き刺さるような大声。
「誰がマイキーの世話しろなんて頼んだ!!!」
「うっ、っ!」
稀咲が近づいてきたかと思うと、あっという間に距離を縮められ首筋を掴まれ、そのまま窓にダンっと背中を叩きつけられた。
痛みに視界が歪む。
「目障りなんだよ!テメェは!」
怖い。
足が恐怖で震えて…怖くて…
立っているのが不思議なくらいだ。
何故
彼はこんなに怒っているの?
「っ…わた、しは、何もっ、」
「目障りだっつってんだよ…マイキーに鷹る雌猫がっ」
「!」
彼が怒っているのは…
マイキーと私の関係?
私が
マイキーに仕事以外の感情を持ったから?
でも
「っ、あなたには、関係な、い」
私はマイキーを好きになったけど
だからって東京卍會をどうこうしようなんて策略はしていない。
ただ
マイキーという人間を知りたかっただけ。
でも
それが彼の逆鱗にふれたのだろうか?
それとも…
首を絞めている稀咲の手を掴むと、私は霞む視界でキッと彼を見あげた。
「…何か、っマイキーに知られちゃ困ることでも、ある、の?」
ピクリと彼の眉が動く。
私が東京卍會の過去を調べたら…何か不都合な事があるから?
裏の組織なんて、そんな綺麗な過去をもつ事なんてまずない。
それなのに
彼は何かを隠したがっているように感じる。
それはマイキーに知られてはならない、何かなのか…
私がそれを暴いて
マイキーに話すことを恐れている?
稀咲は私の問に、フッと笑った。
「六花…俺はバカは嫌いだか。頭はいい奴は好きだ。
お前は、俺が知る中でももっとも頭がいい女だ。」
「…………」
「…でも…その頭の良さが、お前の寿命を縮めちまったな」
「!!…っあ!」
稀咲は首から手を離すと、私を地面に叩きつける。
「けほっ…」
首が解放され一気に空気が入り込んで咳き込んだ。
カチャリ、と音がして銃口が再び私に向く。
「マイキーの闇はお前じゃ救えねぇんだよ」
闇…?
「わ…私を、殺す前に…1つ、聞かせて…」
稀咲は何も答えないが、私は彼を真っ直ぐ見つめながら言葉を続ける。
「彼が…マイキーがあんな風になった要因に…あなたは、関わってるの?」
2人の出会いは中学の時だと聞いている。
龍宮寺堅が死んでからも変わらずマイキーの1番近くにいた稀咲。
そして、彼は東京卍會のNo2になった。
でも
この2人に、信頼関係などあったのだろうか?
いや
私が見てきた限りではそんな風には見えなかった。
彼は賢い。
マイキーの心の隙間にうまく入り込んで、彼がマイキーをけしかけていたとしたら…
「…俺は…月だ。」
「え…?」
「月は1人じゃ輝けない。だから…」
彼は…何を言ってるの?
稀咲はメガネをクイッとあげる。
「話すぎたな。…もう終わりにしようぜ」
「!」
「…だから言ったんだよ。お前みたいな女弁護士、組織に入れるなってな。
マイキーの奴も絆されやがって…
余計な仕事が増えたじゃねぇか
…マイキー」
そう吐き捨てるように言って稀咲は笑った。
「…っマイキーっ…」
ダンっと高い銃声が部屋に響いた。
そして同時に感じたのは…
お腹に感じる
じわりとした熱さ…
「あ…っ」
私はバタリとうつ伏せに倒れ込む。
お腹を触るとヌルりと生暖かくて
その手は真っ赤に染まっていた。
どくどく…
床に…
血液が流れていくのが分かった。
稀咲は銃を胸元に仕舞うと携帯で誰かに電話をかける。
「俺だ。すぐ来い。後始末だ。あと…」
稀咲は私の前に来て目の前でしゃがむと、楽しそうに口角を上げて笑った。
「新しい弁護士用意しとけ」
「!っ、ぅ」
「前のは…使い物にならなくなったからな。あ?マイキー?あいつには俺から話しとく。ああ」
ギリッと奥歯を噛み締めて、手を握りしめる。
何も出来ない自分が悔しい。
電話を切った稀咲は立ち上がると私を見下ろす。
「じゃあな、弁護士、先生…」