「ただいま〜」


「おかえり〜」


エマの声がリビングからして入るとテレビを見てるおじいちゃんと台所に立つエマが出迎えてくれた。


佐野家にお世話になってもう、1ヶ月ほどたつが…やっぱり誰かにおかえりって言ってもらえるのはいいな…



「遅くなってごめん。手伝うね」



「いいよいいよ〜今日はウチの当番だし、六花は座ってて」



「じゃあ、皿とか出すね。」



「ありがとう〜」



「…マイキーは？」



「あ〜…今日もご飯いらないって。バイクで走りに行った」



「……そっか…」



また……



最近のマイキーはあまり家にもいない。



帰ってくるのも深夜を回っているみたいだし…



以前に考え事がある時はバイクで走るのが一番だって言ってたけど…



最近あまりにも多い気がする…





『六花ちゃんのお腹には……赤ちゃんがいて……』




たけみっちから聞かされた未来の私の話。



衝撃的だったけど、正直実感はない…


まぁ今の自分に起きた事じゃないし当たり前か。


自殺に見せかけて、なんていうのも稀咲ならやりそうな事。


でもただ…


それがきっかけでマイキーが完全に闇に飲み込まれて、大切な人達を粛正している未来…


それがショックだった。



また私が……



彼を苦しませてしまった。




私……




マイキーの傍にいない方がいいのかな？




逆に…私がマイキーを苦しめる原因になってるんじゃないだろうか…



そんな思いが…よぎった。



どんな事があっても傍にいる。



そう約束した。



でも…



それは本当に正しい事なの？




「六花？」




エマの声にハッとする。



「大丈夫？怖い顔して…」



「あ…ごめんごめん！ボーっとしちゃってた」



私はエマに笑うと棚から皿を出しはじめる。





大きな不安が……




私の胸を締め付けた。