第6章
夢小説設定
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「……え、えっと…」
「とりゃあ!!」
カキーンという音が響く中バットを振り回す私に千冬君が言葉を失っている…
「いやー当たらないもんだね〜」
「…あ、あの…六花さん…」
「千冬君もやる?」
「いや!なんでバッティングセンターなんすか!」
「え?…ああ…行ってみたかったんだよねぇ〜…あれ?ダメだった?」
「い、いや…デートって言うからてっきり…」
「??てっきり?」
首を傾げた私に千冬君はちょっと頬を赤くすると、なんでもないっす!と慌てて首を横に振った。
にしても…想像してたよりボールが速すぎてまったく当たらない!
「全然当たんないやー」
「…六花さんって超がつく運動音痴なんですよね?」
「え!?」
「場地さんが言ってましたよ。頭はめっちゃいいけど、運動に関してはドラ◯もんののび太並だって」
「…し、失礼な…」
まぁ当たってますけど!
「貸してください」
千冬君が中に入ってきて、私の手からバットを受け取ると構える。
カキーンといい音がしてボールが空高く舞い上がった。
「わぁ!千冬君凄いね!」
「全然、普通っすよ」
手を叩いて喜ぶ私に千冬君は照れたように髪をかく。
「……場地さんとも来たことあったな…」
「そうなの?」
「はい。意外に場地さん上手いんっすよ」
「そうなんだね!……バットを振り回す方が得意かと思ってた」
そう言ったら千冬君が笑う。
「場地さんが聞いてたら怒りますよ」
「あはは!たしかに…聞こえてませんように。」
「………俺…そんなにへこんでる感じでしたか?」
「え?」
「俺がへこんでるから、誘ってくれたんじゃないんすか?」
「ち……違うよ〜。
私が本当にここに来てみたかったの。
一人じゃなかなか来れないから千冬君巻き込んだんだよ〜」
「………」
本当は…ちょっと図星だ。
千冬君の寂しそうな横顔が心配だった…
でも、前を向こうとしてる千冬君にとっては…余計なお世話だったかな…
「…ありがとうございます」
千冬君が笑う。
「連れてきて貰って、嬉しかったす。
それに…
あれこれ言葉で慰められるより…気を紛らわせる方が、助かります」
「千冬君…」
「辛かったよな、きつかったよな…って…
目の前であんな事があって、って…
周りは皆そう言うんっすよ。
でも…ちげえ…」
千冬君がバットをかまえる。
「俺じゃない。
辛かったのも、きつかったのも…
それは…場地さんだ。
たった一人で大切な仲間に背を向けて戦った…
場地さんはきっと辛かったはずなのに…」
飛んできたボールを打ちかえす千冬君。
「俺はたけみっちみたいに場地さんを止める事はできなかった。
ただ…見てただけで…何にも…できなかった」
舞い上がったボールを見上げてから私は千冬君の背中を見つめた。
ぐっ、と自分の顔を腕で乱暴に拭った千冬君…
前を向かなきゃいけない、
でも、ふとした時に、貴方がいないと思い出す。
その時が、たまらなく…
苦しくて
恋しく感じる。
「…何もできなかった事は…ないと思う。」
「え?」
「圭介君…千冬君が勇気を持って止めようとしてくれて…嬉しかったんじゃないかな。
圭介君にとって千冬君は大切な弟分で大切なチームの仲間…
そんな人が…自分を心配して必死になってくれて…
だから圭介君…最後に、千冬君にありがとう。って言ったんじゃないかな。」
『ありがとな…千冬』
「っ…」
「それに…圭介君が辛かった事はないと思う。
だって、圭介君…言ってたじゃない…」
『……あいつらは……俺の宝だ』
「命をかけてでも…守りたい仲間」
『一人一人がみんなの為に命を張れる。そんなチームにしたい』
「圭介君は…一番に守りたかったものは守った。
結果は…あんな風になってしまったけど辛い、っていうのは…少し違うのかなって。」
でもやっぱり…
貴方に生きていて欲しかった…
「ただ……今の東卍は、圭介君が必死に守ろうとした東卍じゃなくなろうとしてる…
私はそれが不安…」
「……稀咲、っすね…」
「うん。…彼が東卍にいるかぎり…東卍はこのままじゃ変わってしまう。」
いつか…彼の手に落ちてしまう…
「稀咲は今や東卍を救ったヒーロー。
マイキーも…彼を信頼し始めてる。
でも、東卍を導くのは稀咲じゃない。
…私は…たけみっちだとおもってる」
その言葉に千冬君が瞳を開く。
「千冬君もそう思ってるから、たけみっちについて行くって決めたんじゃないの?
圭介君も…たけみっちには何かを感じ取っていた。
だから…」
「……はい。
最初は場地さんの意思を尊重したいと思ったからで……
でも…あいつは…
たけみっちは…今の東卍を救ってくれる。
そんな気がするんです…
でも、六花さん…なんで六花さんは稀咲を東卍から追い出したいと思ってるんすか?」
「え…そ、それは…圭介君が彼は裏切り者だって話してたし」
「違いますよね」
千冬君の言葉にドキッとする。
「俺の勘違いならすみません。
でも…場地さんが稀咲を疑うより前から…六花さんは稀咲を知っていたんじゃないですか?」
す、するどい……
え?何でだろう…
私、そんな素ぶりはしてなかったはず…
少なくとも千冬君の前では…
それなのに…
「…恐るべし、松野千冬…」
「え?」
「あ!い、いや!なんでも!…稀咲を前から知ってたのは……まぁたしかに当たってる、かな。
でも…ごめん。今はそれしか言えない」
「………」
「とりゃあ!!」
カキーンという音が響く中バットを振り回す私に千冬君が言葉を失っている…
「いやー当たらないもんだね〜」
「…あ、あの…六花さん…」
「千冬君もやる?」
「いや!なんでバッティングセンターなんすか!」
「え?…ああ…行ってみたかったんだよねぇ〜…あれ?ダメだった?」
「い、いや…デートって言うからてっきり…」
「??てっきり?」
首を傾げた私に千冬君はちょっと頬を赤くすると、なんでもないっす!と慌てて首を横に振った。
にしても…想像してたよりボールが速すぎてまったく当たらない!
「全然当たんないやー」
「…六花さんって超がつく運動音痴なんですよね?」
「え!?」
「場地さんが言ってましたよ。頭はめっちゃいいけど、運動に関してはドラ◯もんののび太並だって」
「…し、失礼な…」
まぁ当たってますけど!
「貸してください」
千冬君が中に入ってきて、私の手からバットを受け取ると構える。
カキーンといい音がしてボールが空高く舞い上がった。
「わぁ!千冬君凄いね!」
「全然、普通っすよ」
手を叩いて喜ぶ私に千冬君は照れたように髪をかく。
「……場地さんとも来たことあったな…」
「そうなの?」
「はい。意外に場地さん上手いんっすよ」
「そうなんだね!……バットを振り回す方が得意かと思ってた」
そう言ったら千冬君が笑う。
「場地さんが聞いてたら怒りますよ」
「あはは!たしかに…聞こえてませんように。」
「………俺…そんなにへこんでる感じでしたか?」
「え?」
「俺がへこんでるから、誘ってくれたんじゃないんすか?」
「ち……違うよ〜。
私が本当にここに来てみたかったの。
一人じゃなかなか来れないから千冬君巻き込んだんだよ〜」
「………」
本当は…ちょっと図星だ。
千冬君の寂しそうな横顔が心配だった…
でも、前を向こうとしてる千冬君にとっては…余計なお世話だったかな…
「…ありがとうございます」
千冬君が笑う。
「連れてきて貰って、嬉しかったす。
それに…
あれこれ言葉で慰められるより…気を紛らわせる方が、助かります」
「千冬君…」
「辛かったよな、きつかったよな…って…
目の前であんな事があって、って…
周りは皆そう言うんっすよ。
でも…ちげえ…」
千冬君がバットをかまえる。
「俺じゃない。
辛かったのも、きつかったのも…
それは…場地さんだ。
たった一人で大切な仲間に背を向けて戦った…
場地さんはきっと辛かったはずなのに…」
飛んできたボールを打ちかえす千冬君。
「俺はたけみっちみたいに場地さんを止める事はできなかった。
ただ…見てただけで…何にも…できなかった」
舞い上がったボールを見上げてから私は千冬君の背中を見つめた。
ぐっ、と自分の顔を腕で乱暴に拭った千冬君…
前を向かなきゃいけない、
でも、ふとした時に、貴方がいないと思い出す。
その時が、たまらなく…
苦しくて
恋しく感じる。
「…何もできなかった事は…ないと思う。」
「え?」
「圭介君…千冬君が勇気を持って止めようとしてくれて…嬉しかったんじゃないかな。
圭介君にとって千冬君は大切な弟分で大切なチームの仲間…
そんな人が…自分を心配して必死になってくれて…
だから圭介君…最後に、千冬君にありがとう。って言ったんじゃないかな。」
『ありがとな…千冬』
「っ…」
「それに…圭介君が辛かった事はないと思う。
だって、圭介君…言ってたじゃない…」
『……あいつらは……俺の宝だ』
「命をかけてでも…守りたい仲間」
『一人一人がみんなの為に命を張れる。そんなチームにしたい』
「圭介君は…一番に守りたかったものは守った。
結果は…あんな風になってしまったけど辛い、っていうのは…少し違うのかなって。」
でもやっぱり…
貴方に生きていて欲しかった…
「ただ……今の東卍は、圭介君が必死に守ろうとした東卍じゃなくなろうとしてる…
私はそれが不安…」
「……稀咲、っすね…」
「うん。…彼が東卍にいるかぎり…東卍はこのままじゃ変わってしまう。」
いつか…彼の手に落ちてしまう…
「稀咲は今や東卍を救ったヒーロー。
マイキーも…彼を信頼し始めてる。
でも、東卍を導くのは稀咲じゃない。
…私は…たけみっちだとおもってる」
その言葉に千冬君が瞳を開く。
「千冬君もそう思ってるから、たけみっちについて行くって決めたんじゃないの?
圭介君も…たけみっちには何かを感じ取っていた。
だから…」
「……はい。
最初は場地さんの意思を尊重したいと思ったからで……
でも…あいつは…
たけみっちは…今の東卍を救ってくれる。
そんな気がするんです…
でも、六花さん…なんで六花さんは稀咲を東卍から追い出したいと思ってるんすか?」
「え…そ、それは…圭介君が彼は裏切り者だって話してたし」
「違いますよね」
千冬君の言葉にドキッとする。
「俺の勘違いならすみません。
でも…場地さんが稀咲を疑うより前から…六花さんは稀咲を知っていたんじゃないですか?」
す、するどい……
え?何でだろう…
私、そんな素ぶりはしてなかったはず…
少なくとも千冬君の前では…
それなのに…
「…恐るべし、松野千冬…」
「え?」
「あ!い、いや!なんでも!…稀咲を前から知ってたのは……まぁたしかに当たってる、かな。
でも…ごめん。今はそれしか言えない」
「………」