「よいしょ、と…」


マイキーの部屋に洗濯物を入れてふとテーブルの上に置かれた写真が視界に入る。


これ…


そこには、小学生の時だろうか？


マイキーと圭介君が肩を組んで笑ってる写真。



まだ小柄な感じからして私と出会う前だとわかる。



そっか、マイキーと圭介君は私や創設メンバーの中でもずっと昔からの幼馴染だもんね。



『場地をバルハラから連れ戻してくれ。
俺、あいつの事大好きなんだ』



『あいつとは喧嘩したくねえ…』




きっと誰よりも……



お互いを知っていた。



一緒に沢山の事を乗り越えて来た。




そんな人がいなくなった。



目の前で。





『万次郎はさ…本当はすげぇ弱いんだよ』




あ……




頭の中に流れた映像…



バイクを触りながら、優しく笑った真一郎お兄ちゃんの顔…



『あいつ、泣かねぇからさ…苦しくても、悲しくても…親が死んだ時ですらあいつは泣かなかった。

でも、心ん中はさ…泣いてんだよ。


一人で…泣いてんだ。


だからさ…六花』





真一郎お兄ちゃんの大きな手が私の頭を撫でた。



『あいつがちゃんと泣けるように…

苦しいんだ、つれぇんだって叫べるようにしてやってくれよ。

あいつは俺にも強がっちまうからさ。』




そうだ…



いつか…そう言われた。



あの時はなんの事なのか



さっぱり分からなかったのに…




「……バカだ。私…」





稀咲の事や未来の事ばかり考えて…


目の前のマイキーの事をちゃんと見ていなかった。