「え！？同棲してる！？」


「たけみっち声が大きい。あと、同棲じゃなくて居候…」



「あ…ごめん。つい…」



「ところで…どこ行くの？」



横を歩くたけみっちを見上げる。



「…あ、いや〜なんか三ツ谷君に呼び出されちゃってさ。」



「三ツ谷君に？」



「なんか話があるとかでさ……俺、なんかやらかしたのかな…」



「…さぁ…で？なんで私も一緒に行く羽目に？」



「いや…なんか心細くて！」



「……うわぁ…なさけなーい」



「い、いいじゃん！俺ら相棒じゃん！」



「こういう時だけ相棒特権振り回すよね〜」



「うっ……」



言葉に詰まったたけみっちに私は笑う。



「嘘、嘘。ごめん！頼ってくれて嬉しいよ。でも、本当になんの用事だろうね〜」



「んー……」



「あ、ここだ。」



私が歩みを止めるとたけみっちも止まる。



渋谷第二中…そこが三ツ谷君の学校だ。




「おい！たけみっち！」



「？」



「えっ！ペーヤンくん！？」




門の前にいると、突然声を掛けられて、そちらを見ると、学ランに派手なシャツを着てこちらに大股で歩いてくるぺーやん君の姿。



ぺーやん君の登場にたけみっちがげっ、とした顔をする。


そういえば苦手だって言ってたっけ…



「つか、テメーなんで六花連れてきてんだよ！」



「あ…え、えっと…」



「私が連れてきてって頼んだんだよ」



「……そ、そうか。んじゃ、しゃーねーな」




「六花ちゃん、ありがとう！」



「はは…」



こそっと言ったたけみっちに苦笑する。



本当苦手なんだな…



「ところで、なんでぺーやん君？」



「あいつ今手が離せねぇみてえだから俺が代わりに案内してやる。来いよ」



「あ…はい…」



先を歩くぺーやん君について行く。



「ぺーやん君、三ツ谷君と同中だったんすね！」



「ああ、同じ中学で同じ隊…なんか文句あっか！？」


「い、いえ…」


たけみっちにガン飛ばして、ふんっ、とまた歩き出すぺーやん君。



「……やっぱ苦手…」



「いい人なんだけどね…」