そんなこんなで……



私は佐野家にまたまた居候させてもらう事になった。



「六花〜ウィンナー入れて〜」



「わかった」



「六花〜目玉焼きはひっくり返して潰して〜」



「はい」



「あ、野菜いらね〜」




「わ、わかった…」




「パンは、ハチミツを、」




「マイキー！！いい加減にしなさいよ！」




もう限界だ、とばかりにキッチン周りをウロウロしているマイキーに黙って座っていたエマがキレた。




「なんだよエマ〜急に」



「なんだじゃない！六花はマイキーのお母さんじゃないんだから！」



「は？誰も六花を母親なんて思ってねーよ！六花は俺の嫁〜なんか新婚みたいだな〜六花！」



「……え、えっと…」



ギューとマイキーに抱きしめられるがエマの視線が痛い……



「これが初日……思いやられる…ってかこんな早く起きれるなら普段からもっとちゃんと起きなさいよね！
毎日毎日叩き起してるの私なんですけど！」




「ああ〜朝からうるせぇな、エマは」



「何よ！」




「ふ、2人とも…喧嘩しないで！」




「朝から何を騒いどるか！」



リビングに響いた万作おじいちゃんの声に3人揃ってビクリとする。




「おじいちゃん！聞いてよ！マイキーが！」



エマがおじいちゃんにキャンキャンとマイキーの愚痴をもらす。



それにつまらなさそう〜な顔をするマイキー。



多分…これが普段の佐野家の姿なのだろう。




「万次郎！！自分でできる事は自分でする！それが佐野家のルールじゃろ！」



「……わーかってるって！」




「それから！この家にいる間は六花と2人きりになるのは禁止！」



「え！？は！？な、なんでだよ！」



「預かってる大事な娘さんにもしもの事があってはならん！六花も、万次郎の部屋に1人で入るのは禁止！」


「はい！」


「ちょ、ちょちょちょ！何あっさり
頷いてんだよ！六花！」



「だ、だって……」



「じぃちゃん！俺、健全な15歳！！それはあまりにも……」


酷い！と叫ぶマイキーに軽蔑した眼差しのエマ。



「そういうのも制御できてこそ、真の男じゃぞ！万次郎！」



「無理！絶てぇ無理！！！」