「六花！！」



「あ、マイ、」


キーと呼び終わる前に彼は私を抱きしめた。



ぎゅーっと力いっぱい抱きしめられて、正直悲鳴が出そうなぐらい痛いが…


小さく震えているマイキーの体にぐっ、と我慢して彼の背に手を回した。



「…六花…ごめん…ごめん…」



マイキー……



マイキーは体を離して、私の腫れた頬に触れる。



「危険な目に合わせて…守ってやれなかった…

辛い思いさせて…ごめんな…」



何度も謝るマイキーに私は彼の頬を両手で包み込む。



「…いつものマイキーだ」



黒い漆黒の瞳は…今は優しい…



「ごめん……俺…」



「もう謝らないで、マイキー。私は大丈夫…大丈夫だから。」



正直…圭介君の最後を思い出すと…また泣き崩れてしまいそうだ…



「六花、マイキー、皆入ってもいいかな？」



エマの声が外からして、私は「どうぞ」と声を掛けた。


「六花ちゃん！」


「六花ちゃん！大丈夫！？」


「おい、六花、無事か！」


「大丈夫か！」



「わわわ…みんな‥お揃いで…」


上から、たけみっち、ヒナちゃん、けんちゃん、三ツ谷君…


一気に入って来たので驚く。


たけみっちとけんちゃん、三ツ谷君も治療を受けたのか全身包帯だらけ…

たけみっちに関しては鼻の骨にヒビがはいったらしい…


そういえば…



「マイキーも頭…包帯してるけど…縫ったの？」


「いや…擦り傷」


「……嘘でしょ…」


鉄パイプで殴られたんだよ？



「バケモンだぜ、まじで」


三ツ谷君が引いてる…


さすがというか…なんというか…



「けんちゃん……あの…あの後…」



ちらっとマイキーを見つつけんちゃんを見上げる。



「…ああ…一虎は警察に身柄を拘束された。
多分尋問中だろうな…

あと、場地は…


病院に運ばれてから…家族の元に…」



家族……


涼子さん……



心配そうにしていた涼子さんを思い出して、私はぎゅっと手を握りしめた。