なんで！！


どうして！！！！


「う…」



後ろ向きにゆっくり倒れていく圭介君の体…



「っ圭介君っ！！！！！」



私は圭介君の元に走ると、その体を支える。




「場地さぁぁぁん！！！」



千冬君とたけみっちも廃車の上から飛び降りるとこちらに走ってきた。



「…なん、で…なんでっ！！」



お腹に刺さったナイフからさっきよりも血が溢れ出す…



「なん、で…圭介君…」



なんで……



「マイキー…」



倒れていた一虎君がフラリと立ち上がるとマイキーの方へ歩いていく。



「次は……てめぇだ…」



「！一虎君……」



一虎君の瞳から溢れ出す涙…


「仲良く逝かせてやるよ…」



「…黙れ…殴り殺してやる」



もう……どうしていいのか…分からない。



「圭介君…」


ぎゅっ、と彼の手を握ると、ゆっくり圭介君の瞳が開く…


「！圭介君！」



「六花…」



「っ、今救急車がくるから！しっかりして！」



「なんで……なんでだよ場地君！なんでなんの為に自分の事刺したりなんか！」



たけみっちが叫ぶ。



「……たけ、みち…もっと…近く、に」



圭介君がたけみっちを呼んで、たけみっちが圭介君の横にしゃがむ。


「稀咲は……敵だ。」



「あ…」



「メビウスと、もめて…パーの奴が…長内の野郎を刺したあと…
祭りの日だ…パーを出所させてやる代わりに自分を参番隊隊長に任命してくれ……

はぁ…稀咲がマイキーにそう持ちかけるのを見ちまった」



圭介君の言葉に私はハッとする。



あのお祭りの日……圭介君に偶然会った日だ。

マイキーの様子が少し、おかしかった…

あの時…けんちゃんとの喧嘩の後だからだと思っていたが…裏で…


稀咲がマイキーと会っていたんだ…


「はぁ…参番隊隊長は…稀咲じゃねぇ…東卍は…俺ら6人で立ち上げた…どんな理由があっても……参番隊隊長はパーだけなんだ。」



「っ…圭介君…」



圭介君の瞳から…涙が溢れ出すと彼の頬を伝う…



「ぱーちん、三ツ谷、ドラケン、マイキー、一虎……あいつらは……俺の宝だ」



圭介君にとっての……かけがえのない物。


それが東卍、仲間…

どんな時だって…皆の事を1番に考えてた。


だからこそ……1人で戦う決意をしたんだ。



たった1人で…



仲間の為に…



その事実に…私は胸が苦しくなって、涙が止まらなくなった。