「っ…離して！！」


「さっさっと歩け！殺されてぇか！」


腕の結束バンドは外されたが手首を掴まれて引きずられる。



なんとか両足で踏ん張るが全然敵わない…



腕を引っ張られて無理矢理抗争が行われてる中に引きずり出された…



まずい…まずすぎる…



「っ！離してっっ！」



「六花！！！」



「！！」



聞き覚えのある声にハッとする。



そこには…



「っマイキー…っ！」




瞳を見開いたマイキーの姿…



そのマイキーににやりと笑った一虎君。




「マイ…っうっ…っ」




「おーっと！王子様んとこには行かせねぇからな」



私を引きずってきたチョンボと呼ばれた男が私の首の前に腕を回すと、逃がすまいと締め付ける。


く、苦しい…



「うっ…」



「六花！！！一虎！てめぇ！！！」



苦しさに顔を歪めた私にマイキーの額に青筋が浮かんだ。



「おっと…それ以上近づくなよ…この細い首…へし折るぞ」



「くっ……」



「マイキー！焦ってんな！！お前らしくねぇ！」



楽しげに笑う一虎君に私は悔しくて眉を寄せた。








「おい！ドラケン！あれ！」



「あ！？…っ六花！？なんであいつ！」



三ツ谷君とドラケン君の焦ったような顔に俺は2人の視線を追った。



「えっ！！六花ちゃん！！」



そこには、男に捕まって苦しそうに顔を歪める六花ちゃんの姿…



な、なんで！！！


今日は家から出ないと言っていたのに……



「たけみっち！」



「千冬！六花ちゃんが！！」



「分かってる。多分…これも稀咲の罠に違いない」



「っ…稀咲のやろぅ！」



俺は悔しさでぐっ、と手を握る。


場地君もいないし、六花ちゃんの身も危ない…



このままじゃ…本当にあの未来になっちまう…