「植物状態……か」



「うん……」



銃殺の後は植物状態……


私の人生は波乱万丈すぎやしないだろうか…




未来の私は…何を思っているんだろう。




「直人から聞いた話だけど…病院の費用を出してるのは表向きは道成寺社長で、本当は東卍から支払われてるらしいんだ」



「え？……それって……じゃあ…」



「うん。マイキー君で間違いないよ」




「……」




マイキーが……



その事実に、私は胸が苦しくなった。



「私はまた……マイキーを悲しませちゃったんだね」



「！六花ちゃん…」



また傍にいてあげられなかったんだ…



「だ、大丈夫だよ！稀咲を東卍から追い出せれば未来は変わる！変えられるから！」



「たけみっち…」



「俺が！場地君が戻れるように頑張るからさ！だから…」


ぐっ、と下唇を噛むたけみっち。



たけみっちだって、ヒナちゃんや親友の敦君を目の前で失って辛いはずなのに…


私の心配をしてくれる…



「たけみっちは…ヒーローみたいだね」


「え？」



「ありがとう。たけみっち。ごめんね、暗くなっちゃって。
でも、もう大丈夫！たけみっちが言う通りだよ！
稀咲を東卍から追い出す事ができれば、未来は変わる…

その為には、まずは圭介君を連れ戻す方法を考えなきゃね！」



落ち込んだってしょうがない。

まだ今の自分におきていない未来より、その未来を変える方法を考えなきゃ。



「…強いんだね。六花ちゃんは…」



「え？」



「この前も言ったけど、ガッツも凄いし…
さすが、っていうか、なんていうか…

無敵のマイキーの恋人なんだな、って…」



「そ、そうかな？」



「うん。最初はさ…正直、こんなか弱そうな子がマイキー君の彼女だって聞いて…びっくりしてたんだ。
でも…本当は、全然か弱くなんてなくて…

真が強くて…大切な人の為に立ち向かう勇気がある。

なんか…凄いよ」



「それはたけみっちも同じじゃない。

どんな強い相手にも…引けないもののためには絶対引かない。

それがたけみっちでしょ？


…稀咲が現れて…どうしようって不安になってた時、たけみっちが戻ってきてくれたって分かって、ホッとした。


私一人じゃどうしていいか分からなくて…


だから…


帰ってきてくれてありがとう。」



「…六花ちゃん……お、俺も！六花ちゃんには感謝してる！沢山助けられたから……だから今回も乗り越えて、皆を救おう！」



「うん！…じゃあ改めて宜しくね！相棒！」



そう言って差し出した手をたけみっちが取ろうとしたが、すぐに引っ込めた。



「ん？」



「ま、また…感電しないかな…」



たけみっちの言葉に私は笑う。



「しないよ！…でも、あれはなんだったんだろうね…」



「う〜ん…タイムリープと関係あんのかなぁ？」



恐る恐るたけみっちが私の手を掴んだ……




「大丈夫みたいだね」



たしかに…あの感覚はなんだったんだろう。