どれぐらい待っただろうか…


手術中のランプが消えて待合室にいた皆が一斉にそちらを見た。



中から出てきた先生に、息を飲む一同…




「一命は取り留めました。」



「…へ」



「手術は成功です」



そう言われた言葉に、皆の表情が一気に安堵の色に変わった。


「よっしゃぁぁぁぁ！」



叫ぶたけみっち、溝中の4人、泣いてるエマやヒナちゃん、そしてぺーやん君。
息を吐き出して心底ほっとした様子の三ツ谷君。




「六花ちゃん！ドラケン君！助かったよ！やったよ！俺らやったよ！」



興奮した様子のたけみっち。



「う、うん…な、なんか…力が抜けた」



「だ、大丈夫！？」



へなへなその場に座り込む私にたけみっちが支えてくれる。


今になって全身が痛い……



「でも、本当によかった！…ね？マイキー…あれ？」


「あれ？マイキー君どこに…」


さっきまで待合の椅子に座っていたはずのマイキーの姿がない。



「…ちょっと探してくる」



「あ、六花ちゃん！」









「雨、上がったんだ」



病院の外に出たら雨はしっかり上がって、月が出ていた。



携帯を見ると、日付は変わって8月4日になっている。



8月3日を…超えたんだ。




けんちゃんは生きてる。



これで




あの未来にはならないはず…だよね。





けんちゃんの手術が成功した事が伝えられたのか、外で待機していた東卍のメンバーの叫び声が聞こえてきた。


静かにしろ！と叫ぶ圭介君の声。


圭介君の声もかなり大きいよ…と思わず苦笑いした。



「マイキー…どこ行ったんだろ」


皆の輪の中にもマイキーの姿はない。



さっきの震えていたマイキーの手…




私は騒ぐ皆を横目に病院の裏に向かった。