自分が、情けなかった。


仲間の為に男達に立ち向かう六花ちゃん…


怖いはずなのに…その小さな背中は震える事なくただ仲間を守る為に戦っている。


それなのに俺はどうだ…


足が震えて、もう無理だって諦めて…



逃げようとした。



もう意識が飛びそうなのに、逃げろというドラケン君。


大丈夫だよ、と俺を助けようとした六花ちゃん…




俺は……




逃げてばかりだ。




もう逃げないって……



決めたのに。




俺はぐっ、と手を握りしめると空を仰いだ。




「あああああああーっっっ！！」



そして叫んだ。




「たけみっち…？」




そしてぐっ、と涙を拭った。




「六花ちゃん、ごめん。」



「え？」



「こんな弱い俺が相棒で……でも、もう逃げない」



瞳を開いた六花ちゃん。



俺が逃げたらここで終わりだ。



手を握りしめ、一歩一歩…キヨマサ達に歩みを進める。



皆のためだけじゃない



「なんだてめぇ？死にてぇのか？この野郎」


「逃げなくていいのか？ザコミチ〜」


男達がゲラゲラ笑う。



「逃げねえよ。」



今度こそ逃げねえ。



これは俺の人生の……



「リベンジだ！」








たけみっち…



「キヨマサ君。決着、ついてなかったよな？」


「あ？」


「喧嘩賭博のタイマンの決着」


「は？」


「何言っちゃってんだ、テメー！ありゃどう見てもテメーの負けだろうが！」



「負けねぇよ」


真っ直ぐそう言ったたけみっちにキヨマサの額に青筋が浮かぶ。




「…へぇ…んじゃ、たけみっちに1億円」


けんちゃんがにっ、と笑うとそう言った。



「へ？」


「は？」


「くっだらねぇけど…乗ってやるよ！」


「ヒナも！武道君に1億円！」


「ウチは3億円！」


次々とそう言った皆にたけみっちは驚く。



「ハッ、こいつら切羽詰まってどうかしちまったんじゃねぇか？」



「してないよ！！」


「あ？」


私は一歩前に進む。


「私達は、信じてる。本気で…


たけみっちが勝つって！！！」



強い気持ちは…


必ず勝つと。



「いくぜ！キヨマサ！」