嘘…嘘でしょ！！



私は倒れたけんちゃんに駆け寄る。



雨に混ざって…どくどくと流れていく血…




「けんちゃん？けんちゃん！？」



肩を揺するが反応がない。




「っ！」



私はさっき裂かれた浴衣の袖を破るとけんちゃんの腹部にあてて圧迫する。


でもどくどく流れる血はとまらず…白い浴衣を赤く染めた。



「けんちゃん！！しっかりして！」



「六花ちゃん！！」



「！たけみっち！」



「今キヨマサが…って！ドラケン君！？」



駆け寄ってきたたけみっち。



「たけみっち！救急車！」



「あ…」



「早くっっ！」



たけみっちは震える手で救急車を呼ぶべく携帯を取り出す。




意識はないが、まだ息はある。



早く病院に運ばなきゃいけない。




「けんちゃん！！今、救急車呼ぶから！！しっかりして！！」



「六花！たけみっち！」



「！マイキー！」




マイキーが向かってくる相手を蹴散らしながらこちらに走ってくる。




「な、何やって…」




倒れて血を流しているけんちゃんにマイキーがハッとする。




「けんちん！」



「今救急車呼んだ！すぐに来ると思う！たけみっち、大通りまでけんちゃんを運ぼう！」



「あ…あ…」



瞳を開いて動揺しているたけみっち。



「っしっかりしろ！！」


「！」



バチンッと音をさせて私はたけみっちの頬を叩いた。



それに驚くマイキーとたけみっち。




「あ…六花ちゃん…」



「けんちゃんはまだ生きてる！！たけみっちの力がないと動けないの！だからしっかりして！！」



そう言った私にたけみっちはハッとする。



「たけみっちはそっちの腕を持って！」



「う、うん！」



「六花！」



「けんちゃんは私達がなんとかする！だからマイキーは、」



「マイキーみーっけ」



「！！」



ざっ、と音がしてマイキーが吹っ飛んだ。



「！マイキー！」



ニヤニヤ笑う半間に私もたけみっちも息を飲んだ。



マイキーはすぐに起き上がると私達を見る。




「六花、たけみっち！けんちんを頼んだ！」



マイキーの言葉に私は頷く。



必ず…救ってみせる。




「たけみっち！」


「うん！」



私とたけみっちは肩にそれぞれけんちゃんの腕を乗せると、めいいっぱいの力でその体を持ち上げる。



重い！



「六花ちゃん！俺がドラケン君をおぶるよ！その方が早い！」


「わ、分かった！お願い！たけみっち！」