「えっ！じゃあけんちゃんを刺そうとしてるのって…あのキヨマサなの！？」


「うん！だから俺、キヨマサを探してるんだけど…人数が多すぎて…」



「分かった！じゃあ私はけんちゃんを探す！」



「え！？で、でも危険だよ！もし巻き込まれたら…っうわっ！！！」


「！」


たけみっちが叫んだのと同時、隠れていた車の上にどかっ！と何かが落ちてきた。


ずる…と仰向けになったのはメビウスの人。



「ひっ…」


完全ノックアウトされてる。



「てめぇ何して…あ？六花！？」



あ…



たけみっちの方に歩みを進めてきた人物は隠れていた私に気づいてその瞳を開いた。



「あ…や、やっほー圭介君」


そこには顔に返り血をあびた圭介君。



「やっほーじゃねぇよ！！何やってんだよ！そんな所で！！」


当然怒られる…



「あ、あの…」



「てめぇ！！何六花巻き込んでんだこらぁ！」



「え！？ちが、」


圭介君がたけみっちの胸ぐらを掴む。



「ち、違うの！圭介君！たけみっちは悪くない！わ、私が勝手にきたんだよ！」



慌てて圭介君の腕を掴む。



「死ね！」



「！圭介君！」



後ろから襲いかかってきたメビウスの人に圭介君は振り返ることなく腕を振り上げると見事に顎下にパンチが入った。


口から血が吹き出している。



ひ、ひぃ……絶対顎砕けてる…っ！



「来い！」


「っ！圭介君まって！私けんちゃんを探さなきゃ！」



私を引きずるように駐車場から出そうとする圭介君。



「は？」



「け、けんちゃんに話があって！」



「んなもん後にしろ！お前自分の立場分かってんのか！マイキーの女が抗争場彷徨いてるなんて知られてみろ！
学校の餌食だろうが！」


「か、恰好の餌食ね！！…わ、分かってるよ！でもやらなきゃいけない事があるの！」



「だから、今じゃ、」



「あ！後ろ！！」



「っ！」



後ろを指差した私に圭介君が振り返る。

が…何もない。


掴まれた手が離れて、その隙に私は一気走り出す。



「あ！六花！てめぇ！！待ちやがれ！」




「ご、ごめん！圭介君！たけみっち、そっちはお願いね！」



「六花ちゃん！」