授業が終わって、外に出たのと同時…私の携帯が再び鳴った。


たけみっち！？



「…？エマ？」



相手はたけみっちではなくエマだった。



「エマ？どうしたの？」



「六花！どうしよう！」


慌てた声のエマ…後ろでは救急車のサイレン…



「えっ！何！？どうしたの！」


「きゅ、急にけんちゃんから連絡があって…たけみっちが倒れたから、救急車呼べって…場所言われたから行ってみたら、ほ、本当にたけみっち倒れてて…っ」



「！…たけみっちは無事なの！？」


「凄い殴られたみたいだけど…先生は意識失ってるだけで命に別状はないって…」


エマの言葉に私は少しほっとする。



「…エマは今病院なんだね？けんちゃんやマイキーは？」



「わ、分かんない…ただ、電話の背後で…けんちゃんとマイキーが言い争ってて…
ウチ、わけわかんなくて…あの二人が喧嘩してるなんて…なんで…」



涙声になっていくエマ…



「分かった。エマ。私、今からマイキー達の所に向かうから！たけみっちについててあげてくれる？あと…ひなちゃんにも連絡してあげて！」


そう言って、電話を切ると私は走り出した。



何があったっていうの……








「だからっっ！！なんでパーを置き去りにしたんだよ！！」



「！」


いつもの集会場に行くと、マイキーの怒鳴り声が響いた。



私は慌てて走って行くと、今にも殴り合いそうに拳を握りしめ、対峙するマイキーとけんちゃん。


その横には膝をついてボーゼンとしてるぺーやん君。



あれ……ぺーやん君しか、いない？


いつも一緒にいるぱー君が見当たらない。




「パーは…自分で自首するって言っただろうが！」



え…




自首？



なんの話？





「だから！一緒に引きずってでも連れてくるべきだっただろうが！！」



「ふざけんな！あいつは長内を刺しちまったんだぞ！」



え…………




カランっと手から携帯が落ちる。




その音にマイキーとけんちゃんがハッとしてこちらを見た。



「…六花？」



マイキーの瞳と視線が合わさる。





「…どういう…事？」




声が震えた。



「パー君が…人を…刺した？」



「………」



「自首したって何？」



「っ…」



マイキーが視線を逸らした。



私は3人に駆け寄る。




「どういう事！？なんでっ！？」



「……俺とマイキー、ぱーとぺーやん、たけみっちがいて…そこにメビウスの総長の長内がメビウスの部下連れて攻めてきた。

たけみっちは長内にボコられて、ぱーが長内と勝負した…

で…ぱーでも勝てなくて…マイキーが長内を一発でのしたのはよかった…


その後すぐに警察が来るのが分かって、俺らは逃げようとした。


でもその時…」






『あいつだけは…長内だけは…ぜってぇぶっころす』





「ぱーが長内を刺しちまった。」



その後は…自首するといったぱー君を残し、皆はその場を離れた。



でも、マイキーはぱー君を連れてくるべきだったと主張し、けんちゃんはぱー君の自首するといった意思を尊重すべきだと主張。


対立した二人の意見…




「…長内は…」


「まだわかんねぇ。」