「珍し〜六花が塾に来てる」


「あ、なっちゃん…」


なんだか落ちつかなくて…私は塾の実習室に来ていた。

最近サボりがちだったので先生には注意を受けてしまった…


次はお父さんに連絡する、と脅されてしまったし…


もうちょっとうまくやらなきゃだなぁ…



ぼーっと数学の問題を見ていたらふと携帯のバイブが鳴る。



画面に映された名前に私は瞳を開くと携帯を持って実習室を出た。




「もしもし？タケミッチ？」



「あ、六花ちゃん？俺！戻ってきた！」



「よかった！心配してたんだよ…メビウスについて何か分かった？」


「メビウスの総長の長内には会えたんだけど…真相まではよくわかんなくてさ…とりあえず、俺今からマイキーに会ってくるよ！」


「え！？」


「長内の話を聞いてたら、直人も言ってたけど、何か意図があるようにしか感じないんだ。だから…マイキー君に会って、メビウスとの抗争をやめるよう説得してみるよ！」


「ちょ、ちょっと待って！たけみっち！それは…さすがに無理だと思う」



「え？」


「私や、東卍のメンバーでもないたけみっちがマイキーに抗争をやめろ、って言った所で、マイキーははい、そうですかとは言わないよ。

マイキーが納得できるだけの理由がいる。」



ましてや、ぱー君が…今更、長内を許すとは思えない。



「でも、時間がないんだ。やるだけはやってみるよ！六花ちゃんは危ないから来ないで！」


「え！ちょ、タケミッチ！」



一方的に切られた電話…


再度掛け直すが出なかった…



どうしよう…たけみっち無理だよ…
マイキーを頷かせる事はできない。

だから…私達は未来を知ってる分先回りして考えていかなきゃいけないんだよ。




「六花〜授業始まるよー」


「あ、うん…」



なっちゃんの声に、私はぎゅっと携帯を握りしめた。


たけみっち…無理はしないでよ…