あいつが……東卍のボス佐野万次郎。


マイキーの登場であの後ギャラリーは一気に解散。

気を失ったキヨマサを抱えて、早々に逃げるように誰も広場にはいなくなった……


残されたのは武道と溝中の4人だけ。



「すごかったな！タケミチ！！」



「へ？」



キラキラした興奮の瞳で武道を見る一司とマコト。



「オレ！感動しちゃったよ！」



「あの無敵のマイキーに気に入られたんだぞ！」


「すげぇよ！タケミチ！」



2人の言葉に、武道はさっきあった出来事を思い出し、2人とは裏腹にどんどん青ざめていく。



やっぱ…あんなバケモンに気に入られちまったのか！？

キヨマサ君の奴隷から何考えてるか分かんねぇバケモンのおもちゃにジョブチェンジしただけじゃねえか！！
更なる地獄だ！何でよりによってオレなんだ！



頭を抱える武道に一司達はさっきのマイキーとドラケンのモノマネをして盛り上がる。



「かっけーよなぁ！あ…でも1番びびったのは六花ちゃんだよな！」


マコトの言葉に武道はハッとする。



『武道君！大丈夫！？』




この前、キヨマサ君達にボコボコにされて倒れていた所を助けてくれた女の子…


どこか大人びていて…清楚な感じの綺麗な子だった。



さっきあの佐野万次郎と一緒に現れた時はびびったな…



「いや〜まさか六花ちゃんがあの無敵のマイキーの女だったとは…」


「えっ！やっぱそんな感じ！？」


「だって、手繋いでたじゃん」


「うぉーまじかー！さらば、俺の初恋！」



「お前の初恋何回あんだよ…」



「さすがにマイキーの女には手はだせん、怖すぎて…殺されるわ」


「喧嘩強くて、彼女も才色兼備って…どんだけすげぇんだよ、マイキー！」


「なぁ！武道！」


「え？…あ…う、うん。」



勝手に盛り上がってる4人を横目に武道は六花の事を思い出してた。


なんか俺に…言いたそうにしてたよな…



彼女はマイキーが中学の時に付き合ってたって事だよな…


直人の話に女がどうこうなんて聞かされてなかったし…あくまで中学時代の彼女、って事なのかな？


まぁ、大人になるまで付き合ってるなんて稀だしな…


でも何故か…


ちょっと気になってしまった。