授業を終えるチャイムが鳴る。


私は1番に立ち上がると鞄を掴んでまた教室を出た。


なっちゃんが何か叫んでいたが…


ごめん、なっちゃん！







「おい、マイキー、どこ行くんだよ？」


「ん〜」



珍しく自転車を漕ぎながらマイキーが後ろから同じように自転車を漕いでくるドラケンを見た。



「六花んとこ。サプライズで迎えに行こうと思ってさ。さっき買ったどら焼き一緒に食うんだ〜」



「バブで行きゃいーだろ」



なんでチャリンコなんだよ、と面倒くさげなドラケン。



「バブだとさ〜音ですぐバレるじゃん。」


サプライズになんねぇじゃん、とマイキー。



「あのマイキーが女の為にサプライズ…なぁ」



ま、六花限定なんだろうけどよ。



丁度六花の中学に着くと下校中の生徒がワラワラ出てきていた。


マイキーは自転車を降りると躊躇なく校舎に入っていく。


周りは当然ざわつく。



マイキーはあの一件以来A中では有名で…



女子達のきゃーきゃー言う声が聞こえた。



「けんちん、六花って何組？」


「知るわけねぇだろ」


そう言ったドラケンにマイキーは周りを見渡す。



「あのさ「マイキー様っ！」



「…は？」



突然言葉を遮られて、猛ダッシュしてきた人物に2人はキョトンとする。



「マイキー様！お久しぶりです！」



「……は？誰？」


「……ああ。あれだよ、六花引っぱたこうとしてた時の」



ああ…あの女か……

ってかマイキー様ってなんだ…



「やっと私に会いに来てくれたのね！」



「は？ちげぇから。…何言ってんだ？俺は六花を迎えに来たんだよ。
六花どこ？」



めんどくさげに眉を寄せたマイキー。

でもなぜか女は嬉しそうで…



「六花ならもう帰りましたよ」


「え？」


そう声を掛けてきたのは六花の友達でもあるあのなっちゃんだ。



「あ、私は六花の友達で…六花なら終了チャイムと同時ぐらいに帰っちゃいましたよ」


「…なんか急用か？」



ドラケンが聞く。



「さぁ‥昨日もそんな感じだったんで」



「？？？」



何かあったのだろうか…



そんなに慌てて帰るのは何かあるからだろう…



マイキーが携帯を取り出すと、タイミングよく携帯が鳴る。




「…ムーチョか？」




ドラケンの言葉にマイキーは頷くと電話に出た。



「俺だ。…今、例の場所で言ってた喧嘩賭博が始まった。」



「…ふ〜ん…で？主催者は言ってたぱーのとこの？」



「ああ、キヨマサだ。…どうする？来るか？」



「すぐ近くにいるからケンちんと行く」



そう言ってマイキーが電話を切ろうとしたら、ムーチョがあと…と付け加えた。




「お前の女……たしかA中生だったよな？」



「……え？」



「多分だが……喧嘩賭博の所に来てるみたいだぞ」