「…でね、涼子さんって綺麗なのにお料理も上手で！……ねぇ、聞いてる？マイキー？」


「聞いてねぇ」



圭介君の家であの後千冬君と一緒に涼子さんの手料理をご馳走様になったのだ。


で、今は何故マイキーの部屋にいるかというと…







「は？なんで場地の家？」


丁度涼子さんにお夕食をご馳走様になって、涼子さんのブイブイ時代の武勇伝を聞いていた時だった。

マイキーからの電話。


別に隠すことでもないので素直に圭介君の家にいる事を話した、のだが…



「……迎えに行く」



「え！？い、いいよ！圭介君送ってくれるって言ってくれてるし」


それにまだもう少し涼子さんと話していたかった。


「迎えに行く今から」


「え！ちょ…マイキー…って‥…切れちゃった」



一方的にマイキーが電話を切るのは正直言って慣れっこだが…


強引だなぁ…







「…めんどくせぇ事になった」


「え？」



団地前でマイキーを圭介君と千冬君と待っていたら圭介君がため息をついた。


それと同時、聞き覚えのあるバブの音がした。



バブを目の前に止めたマイキー…物凄く不機嫌。


え？めっちゃ怒ってらっしゃる？



「総長、お疲れ様です！」


千冬君が頭を下げる。



「おお…。ってかなんで場地の家にいんだよ」



さっき電話で説明しようと思ったのに…と言いたかったが、ご機嫌斜めのご様子なのでとりあえずやめておいた。



「おふくろが、六花に勉強おしえてもらってる事、礼が言いたいっつーからよ。連れてきた。
六花は悪くねぇよ」



「いや、圭介君が悪いわけでも…」



「帰るぞ」


「え？うわっ！」


無理矢理ヘルメットを被せられて、さっさっとバブに乗ると自分の後ろを叩く。


早く乗れよ、って事ね…



「じゃじゃあ…圭介君、涼子さんによろしく伝えてね」


「おう。またな」


「千冬君もまた」


「はい！」



で…


冒頭に戻るわけだ。