第3章

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エマに後から恨まれそうだなぁ…


苦笑いを浮かべていると、圭介君が店に入ってきたのが見えた。


圭介君は私を見つけると珍しく満面の笑顔で駆け寄ってくる。



「おい、六花!すげーぞ!」


「?どうしたの?」


「聞け!今日テストの結果が返ってきた!」


「ど、どうだった!?」


圭介君はフハハ!と鞄から答案用紙を出した。


「みろ!」


「どれどれ!?国語20点、数学15点、理科13点………しゃ、社会…18て、ん…英語………19………え?」



「すげぇだろ!!全教科2桁だ!」



「……………」



圭介君はピースサインして誇らしげだ。



え、えっと………



「やっと全教科1桁点数から脱却したぜ!担任もおふくろも泣いて喜んでよぉ!」



「そ、そう…なんだ…よ、よかった〜…!」




「おお!ありがとな!」




こ、これは…素直に喜ぶべきなのか…


私の力不足なのか…


「よし、今日もやるぞ!」


そう言うと圭介君は髪をまとめて、いつものぐるぐるメガネをつけた。


ま、まぁ…本人がいいなら、いい…か?



「あ…そうだ、圭介君。田村君の事、マイキーに聞いた」


「あ?」


「マイキーに気をつけろって言ってくれたって。あと…田村君が圭介君尾行してたらしくて…なんか巻き込んでごめんね」


「別に俺はなんもしてねぇよ。逆に黙ってろって言われたのに話しちまって悪かったな」


圭介君の言葉に首を横にふる。


「ううん!最初からちゃんとマイキーを信じて相談すべきだったって反省したよ。
千冬君にも感謝しなくちゃ」


彼が私と田村君が歩いてるのが気になってマイキーに話してくれたと聞いた。


「それならあいつ後からくっから直接言ってやれよ」



「場地さん!」



「ほらな」


タイミングよく後ろから声がかかって振り返ると、千冬君がいた。


「あ、千冬君」


千冬君は私を視界に入れると、ペコっと頭を下げた。

礼儀正しい子だな…


六花さん、どうもっす」


「こんにちは。ちょうど千冬君の話してたんだよね」


「え?」


「まぁ座って」


「は、はい」


千冬君は勉強する圭介君の隣に座る。


「この前は、マイキー達に田村君と歩いてる所を報告してくれてありがとう。千冬君が見つけてくれなかったら私どうなってたか…」


「なんか、大変だったみたいっすね。でも…俺はなんにも!無事でよかったっす!」


そう言ってはにかんだ千冬君。


か、可愛い…

こう、母性本能をくすぐらせるタイプだな。



「いやでも、昨日は六花さんめっちゃかっこよかったですね!」


「え?…あ、ああ〜…み、見られてた?」


「はい!バッチリ!」


「東卍の歴史に残るな、ありゃ」


「うっ…」


圭介君がケラケラ笑う。


「他人事だと思って………大変だったんだから」


「いや〜はっ倒した時はまじで鳥肌でしたよ」


そんなキラキラした目で見ないで…


「あ、ありがと?」


ちょっと複雑だがとりあえずお礼を言う。


「あ……そうだ。ねぇ、千冬君」


「はい」


「千冬君って…彼女とか、いる?」


私の問いに彼はキョトンとしてから、すぐに頬を赤くする。


「…い、いや…いないっすけど」



「なんだ?マイキーから千冬に乗り換える気か?」


「ば、場地さん!」


「そんなわけないでしょ!千冬君が気になるって子から相談されて聞いたの!」

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