第3章
夢小説設定
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「……道成寺六花ね…なつかしいじゃん」
チリンっと耳飾りが音をたてて揺れる。
黒と金が混じった髪が風に揺れて…
その男の手にあるのは、一枚の写真。
遠目からとられているが、学校から丁度出てきた所の写真。
そこに写った少女に男はニッと笑う。
「で?マイキーの大事な想い人は…まだ記憶喪失なわけ?」
「ああ…でも、今その女はマイキーの隣にいる」
「ふ〜ん…」
ぐしゃりと写真に皺がよった。
顔には出さないが、明らかな苛立ちを見せる男に、もう一人の男は眼鏡を触ると、ニヤリと笑った。
羽宮一虎…
名前を聞いても思い出さない。
でも…
「さっきの、写真…」
マイキーが思い出さなくていいと言ったあの写真の彼の…
もしかして…
私の視線に、マイキーは箱からさっきの写真を取り出す。
「そう、こいつが羽宮一虎。そいつが兄貴を
真一郎を…
殺したんだ」
マイキーは、2年前の出来事を静かに話してくれた。
あの日…
羽宮一虎は真一郎お兄ちゃんが経営するバイク屋に不法侵入。
目的はバイクを盗む為。
そのバイクを…
マイキーの誕生日に贈ろうとした為だったという。
そして運悪く店に寝泊まりしていた真一郎お兄ちゃんと鉢合わせ。
マイキーのお兄さんだとは知らず…
撲殺してしまった。
そのあまりにも偶然が重なっておきた事件にもショックだったが、何よりも…
その現場に、もう一人東卍のメンバーがいた事が、私にはショックが大きかった。
場地圭介…彼も…
その現場にいた。
二人とも、マイキーを喜ばせたい気持ちで盗みに入って…結果…
彼の大切な人を…
死なせてしまった。
あまりにも悲しすぎる事件だ。
そうか…だから…
あの時圭介君…
『…わりぃな。お前の記憶取り戻す手伝い、してやりてぇけど…
真一郎君の事に関しては…マイキーに聞いてくれ』
私…
何も知らずに…
「…場地は必死に俺に謝ってくれた。
だから、俺は場地を許した。でも…」
マイキーはぐしゃりと写真を握りしめた。
「一虎は…一虎は許せねぇ。一生。…兄貴を殺したあいつだけは…」
マイキー…
血が出るんじゃないかというほど手を握りしめるマイキーに、私は彼の横に膝をつくと、その手を上から握る。
それにハッとするマイキー。
「…苦しいのに、辛いのに…ちゃんと話してくれて…ありがとう。」
嫌だったよね、辛い日の出来事を思い出すのは…
マイキーの黒い衝動…
それは、もしかしたらこんな体験をしてきた事によるものなんじゃないだろうか…
そしてこれからおこるであろう…けんちゃんの死…
マイキーの心を支えていたものがどんどんなくなっていって…
12年後のマイキーを生み出していったのではないだろうか。
私が知っているのはこの後におこる龍宮寺堅の死だけ…
でも…もしかしたら…
私はふとマイキーの言葉を思い出していた。
『…昔、妹がそう言ってた』
もしかして…
私は想像したくない事を…思ってしまった。
心配そうに私達を見つめるエマ。
未来で…エマは…どこにいたんだろう。
マイキーがあんな風になっていたら、きっとエマは全力でマイキーを止めるはずだ。
でも…
私の知ってる未来に…エマはいなかった。
東卍のメンバーももちろんいなかったが…
でもエマがいない事にものすごく違和感を覚えた。
想像したくもない、考えたくもない…
それなのに…
12年後のマイキーの冷たく、暗い瞳…
あれは…
「六花」
「!」
目の前にきたエマの心配げな顔に私はハッとした。
チリンっと耳飾りが音をたてて揺れる。
黒と金が混じった髪が風に揺れて…
その男の手にあるのは、一枚の写真。
遠目からとられているが、学校から丁度出てきた所の写真。
そこに写った少女に男はニッと笑う。
「で?マイキーの大事な想い人は…まだ記憶喪失なわけ?」
「ああ…でも、今その女はマイキーの隣にいる」
「ふ〜ん…」
ぐしゃりと写真に皺がよった。
顔には出さないが、明らかな苛立ちを見せる男に、もう一人の男は眼鏡を触ると、ニヤリと笑った。
羽宮一虎…
名前を聞いても思い出さない。
でも…
「さっきの、写真…」
マイキーが思い出さなくていいと言ったあの写真の彼の…
もしかして…
私の視線に、マイキーは箱からさっきの写真を取り出す。
「そう、こいつが羽宮一虎。そいつが兄貴を
真一郎を…
殺したんだ」
マイキーは、2年前の出来事を静かに話してくれた。
あの日…
羽宮一虎は真一郎お兄ちゃんが経営するバイク屋に不法侵入。
目的はバイクを盗む為。
そのバイクを…
マイキーの誕生日に贈ろうとした為だったという。
そして運悪く店に寝泊まりしていた真一郎お兄ちゃんと鉢合わせ。
マイキーのお兄さんだとは知らず…
撲殺してしまった。
そのあまりにも偶然が重なっておきた事件にもショックだったが、何よりも…
その現場に、もう一人東卍のメンバーがいた事が、私にはショックが大きかった。
場地圭介…彼も…
その現場にいた。
二人とも、マイキーを喜ばせたい気持ちで盗みに入って…結果…
彼の大切な人を…
死なせてしまった。
あまりにも悲しすぎる事件だ。
そうか…だから…
あの時圭介君…
『…わりぃな。お前の記憶取り戻す手伝い、してやりてぇけど…
真一郎君の事に関しては…マイキーに聞いてくれ』
私…
何も知らずに…
「…場地は必死に俺に謝ってくれた。
だから、俺は場地を許した。でも…」
マイキーはぐしゃりと写真を握りしめた。
「一虎は…一虎は許せねぇ。一生。…兄貴を殺したあいつだけは…」
マイキー…
血が出るんじゃないかというほど手を握りしめるマイキーに、私は彼の横に膝をつくと、その手を上から握る。
それにハッとするマイキー。
「…苦しいのに、辛いのに…ちゃんと話してくれて…ありがとう。」
嫌だったよね、辛い日の出来事を思い出すのは…
マイキーの黒い衝動…
それは、もしかしたらこんな体験をしてきた事によるものなんじゃないだろうか…
そしてこれからおこるであろう…けんちゃんの死…
マイキーの心を支えていたものがどんどんなくなっていって…
12年後のマイキーを生み出していったのではないだろうか。
私が知っているのはこの後におこる龍宮寺堅の死だけ…
でも…もしかしたら…
私はふとマイキーの言葉を思い出していた。
『…昔、妹がそう言ってた』
もしかして…
私は想像したくない事を…思ってしまった。
心配そうに私達を見つめるエマ。
未来で…エマは…どこにいたんだろう。
マイキーがあんな風になっていたら、きっとエマは全力でマイキーを止めるはずだ。
でも…
私の知ってる未来に…エマはいなかった。
東卍のメンバーももちろんいなかったが…
でもエマがいない事にものすごく違和感を覚えた。
想像したくもない、考えたくもない…
それなのに…
12年後のマイキーの冷たく、暗い瞳…
あれは…
「六花」
「!」
目の前にきたエマの心配げな顔に私はハッとした。