真っ暗な暗闇に



一つだけ咲いた一輪の花。




それが





君だ。





「……ここ、か」


見上げた先には大きな立派な家。

建物は古そうだが敷地は凄く広そうだ…



表札には「佐野」の文字。



そう、今日はエマと約束していた佐野家を訪れる日。




『六花が好きだ』





マイキーと会うのは、あの日…お互いの気持ちを確かめあった日以来、初めてだ。



な、なんか緊張してきた…


少し髪をととのえてから佐野家のチャイムを押した。




「はーい！」



しばらくしてから、明るい声がして目の前の門が開く。


顔を出したのは笑顔のエマ。



「あ、お、おはよ！今日はお招きありがとう！」



そう言った私に、エマはにた〜と笑う。



「な、何？」



「今日はやけにオシャレしちゃって〜」



「！」



エマの言葉に顔が熱くなる。



たしかに今日はちょっと…気合いを入れてきたのはたしか。

普段巻かない髪も、今日は少し巻いてみたし、過去に戻ってから、初めて薄くお化粧もしてみた…


普段からオシャレなエマにはあっさり見抜かれてしまい、なんか…めちゃくちゃ恥ずかしい！



中身２７歳なのに…浮かれてしまってるっ…！




「恋する乙女だね〜」



「は、入ってもいいかなぁ！？」