第2章
夢小説設定
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「…あいたたた!」
「病院、本当に行かなくて平気なの?」
怪我した手のひらにエマがさっき薬局で買ってきてくれた包帯を巻いてくれる。
「へ、平気平気!少し切っただけだし」
それより制服の方が重症だ…
破られた制服はさすがに縫う事はできない。
お父さんになんて説明しよう…
「にしても…めっちゃやばい奴だったね、あいつ」
「う、うん…私も正直あんな人だと思わなかった」
1週目では付き合ってたんだから本当に恐ろしい話だ…
「でも、六花に1番驚いたけどね、ウチは」
「ん?」
「いや…六花ってあんなにキレる事あるんだって」
「クソはてめぇだ、つってたな」
思い出したようにぶっと笑うけんちゃん。
「…ちょっともう言わないで。私もあんなに人にキレちゃったの初めてだから」
思い出したらちょっと恥ずかしい。
「めっちゃかっこよかったよ!」
「うっ…だ、だって…凄く腹がたったんだもん。
みんなの事…あんな風に言われて…
もう、ブチッ…と…」
ちょっと冷静さを失っていた…
「でも、ウチは嬉しかったよ」
「え?」
「ウチらの為に、あそこまで怒ってくれて…嬉しかった」
「エマ…」
「ね!マイキー!」
私達から少し離れた場所で背を向けて座ってたマイキーはエマの言葉に何も言わない。
「エマ、けんちゃん…今日はありがとう。
少し…マイキーと2人で、話してもいいかな?」
私の言葉に2人は顔を見合わせるとうなづいた。
「帰ったらちゃんと手、消毒してよ」
「うん、分かった。ありがとう、エマ」
2人の後ろ姿を見送って、私はマイキーの方に行く。
「…隣、座っていい?」
マイキーは下を向いたまま何も言わない。
「座るね」
私はマイキーの横に座った。
今日は1人分開けずに、ピッタリ肩がくっつく距離で…
マイキーの肩から伝わる温もりに…少しホッとする。
「…今日は…ありがとう」
「…………」
黙ったままのマイキーの手を見つめる。
拳は赤く染まっていた。
「……あの時…六花が止めなかったら…俺、アイツ殺してた。」
自分の手のひらを見たマイキー。
「止められなくなった。…俺の…
黒い衝動が…」
「黒い……衝動?」
「うん。…俺の中にいる、もう1人の俺、みたいなもんかな。」
「それは……多重人格、みたいなもの、なの?」
「……それとはちょっと違う。でも…今日も六花を傷つけられた姿を見た瞬間…それが抑えられなくなった。」
『離せよ…ケンちん。こいつは殺す』
もしかして…
このマイキーの黒い衝動というものが12年後のマイキーがあんな風になった原因の1つでもあるのだろうか…
「黒い衝動が現れたら…俺は、仲間やケンちんの声も届かなくなる。
でも、不思議だな…
六花の声は…届いた。」
マイキーは顔を上げると、私を見た。
そして、手を伸ばすと…私の頬に触れる。
「六花の声なら…言葉なら…
俺は自分を止めることができるのかもしれない。」
「マイキー…」
「俺には…六花が必要なんだ」
真っ直ぐ見つめてくるマイキーの瞳に、胸が高なった。
マイキーのいう黒い衝動が、今日みたいなマイキーを生み出してしまうのなら…
もし本当に私がいればマイキーの力になれるのなら…
12年後の、あの悲しげに笑うマイキーを救うことができるのなら…
私は…
喜んで貴方の傍にいる。
頬にあった手に、自分の手を重ねた。
「六花…約束して。ずっと…
俺のそばにいるって、離れないって…」
まるで幼い子供のようにそう言ったマイキーは、とても不安そうで…
今にも泣き出してしまいそうで…
私はぎゅっと彼の手を握ると頷いた。
「約束する。約束するよ、マイキー。ずっと…ずっと傍にいる。」
傍にいて…
「六花…俺は…」
貴方を守るから…
「六花が好きだ」
「病院、本当に行かなくて平気なの?」
怪我した手のひらにエマがさっき薬局で買ってきてくれた包帯を巻いてくれる。
「へ、平気平気!少し切っただけだし」
それより制服の方が重症だ…
破られた制服はさすがに縫う事はできない。
お父さんになんて説明しよう…
「にしても…めっちゃやばい奴だったね、あいつ」
「う、うん…私も正直あんな人だと思わなかった」
1週目では付き合ってたんだから本当に恐ろしい話だ…
「でも、六花に1番驚いたけどね、ウチは」
「ん?」
「いや…六花ってあんなにキレる事あるんだって」
「クソはてめぇだ、つってたな」
思い出したようにぶっと笑うけんちゃん。
「…ちょっともう言わないで。私もあんなに人にキレちゃったの初めてだから」
思い出したらちょっと恥ずかしい。
「めっちゃかっこよかったよ!」
「うっ…だ、だって…凄く腹がたったんだもん。
みんなの事…あんな風に言われて…
もう、ブチッ…と…」
ちょっと冷静さを失っていた…
「でも、ウチは嬉しかったよ」
「え?」
「ウチらの為に、あそこまで怒ってくれて…嬉しかった」
「エマ…」
「ね!マイキー!」
私達から少し離れた場所で背を向けて座ってたマイキーはエマの言葉に何も言わない。
「エマ、けんちゃん…今日はありがとう。
少し…マイキーと2人で、話してもいいかな?」
私の言葉に2人は顔を見合わせるとうなづいた。
「帰ったらちゃんと手、消毒してよ」
「うん、分かった。ありがとう、エマ」
2人の後ろ姿を見送って、私はマイキーの方に行く。
「…隣、座っていい?」
マイキーは下を向いたまま何も言わない。
「座るね」
私はマイキーの横に座った。
今日は1人分開けずに、ピッタリ肩がくっつく距離で…
マイキーの肩から伝わる温もりに…少しホッとする。
「…今日は…ありがとう」
「…………」
黙ったままのマイキーの手を見つめる。
拳は赤く染まっていた。
「……あの時…六花が止めなかったら…俺、アイツ殺してた。」
自分の手のひらを見たマイキー。
「止められなくなった。…俺の…
黒い衝動が…」
「黒い……衝動?」
「うん。…俺の中にいる、もう1人の俺、みたいなもんかな。」
「それは……多重人格、みたいなもの、なの?」
「……それとはちょっと違う。でも…今日も六花を傷つけられた姿を見た瞬間…それが抑えられなくなった。」
『離せよ…ケンちん。こいつは殺す』
もしかして…
このマイキーの黒い衝動というものが12年後のマイキーがあんな風になった原因の1つでもあるのだろうか…
「黒い衝動が現れたら…俺は、仲間やケンちんの声も届かなくなる。
でも、不思議だな…
六花の声は…届いた。」
マイキーは顔を上げると、私を見た。
そして、手を伸ばすと…私の頬に触れる。
「六花の声なら…言葉なら…
俺は自分を止めることができるのかもしれない。」
「マイキー…」
「俺には…六花が必要なんだ」
真っ直ぐ見つめてくるマイキーの瞳に、胸が高なった。
マイキーのいう黒い衝動が、今日みたいなマイキーを生み出してしまうのなら…
もし本当に私がいればマイキーの力になれるのなら…
12年後の、あの悲しげに笑うマイキーを救うことができるのなら…
私は…
喜んで貴方の傍にいる。
頬にあった手に、自分の手を重ねた。
「六花…約束して。ずっと…
俺のそばにいるって、離れないって…」
まるで幼い子供のようにそう言ったマイキーは、とても不安そうで…
今にも泣き出してしまいそうで…
私はぎゅっと彼の手を握ると頷いた。
「約束する。約束するよ、マイキー。ずっと…ずっと傍にいる。」
傍にいて…
「六花…俺は…」
貴方を守るから…
「六花が好きだ」