出会い
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夢の世界
現実世界で寝るのが遅かったからか
すごく眠い…
ふぁ〜っとあくびをしながら学校に行く
ひより「ミリアちゃん、おはよう!なんか眠そうやね?」
「おはよー!うん。ちょっとね、」
登校中、ひよりちゃんにあったので一緒に登校した
ひより「ミリアちゃん、ミスコンにヒロインに大変ちゃう?」
「うん、ちょっと大変だけどでも楽しいのもあるよ!」
ひより「そっか!あんま無理せんと、がんばってね♡」
教室に着くと明智先生が、
昨日の写真よく撮れてましたよと言ってくれた
(もう、写真できたのかな?)
ホームルーム
明智「ミスコン候補者のポスターが出来あがって
廊下と掲示板に貼ってあります。また確認しておいてください」
(早っ!みんなどんな感じだったんだろ。…後で見に行こう)
ホームルームが終わると早速廊下にポスターを見に行く
(みんな可愛い…!
しかもポーズもめちゃめちゃ決まってる…
えーっと…わたしのは…)
他のみんなはいろいろなポーズを決めていたのに
私だけポーズも決めず
上目遣いで少し照れたような顔をしていた
(え、これ?なんか地味じゃない??)
ひより「ミリアちゃん、ポスターめっちゃ可愛かったよ〜♡」
「え?ほんと?なんか私だけ地味じゃなかった?」
そこに愛蔵と勇次郎も会話に加わってきた
愛蔵「そうか?俺はお前が1番可愛いと思ったけど」
「え!?」
勇次郎「うん。なんか普段と違って汐らしく撮れてたじゃん。」
「そうかな〜…?ん?普段と違って…?」
勇次郎「うん。男ウケには、ああ言う写真のほうがいいんじゃない?」
愛蔵「あぁ、確かに。なんか、そそら…」
勇次郎「え?…何?」
勇次郎が冷たい視線で愛蔵の言葉を遮る
愛蔵「あ、いや、なんでもない」
「でもさ、ミスコンって男の子ウケ良くても
女の子ウケも大事だよね…?」
勇次郎「まぁ、確かに。でもミリアは女の子に嫌われるタイプじゃないでしょ?」
「そうかな?わたし、ひよりちゃんと樹里ちゃんしか女友達いないけど……?」
愛蔵「お前、意外と友達少ないんだな」
「愛蔵くん、悲しいこと言わないで。」
休み時間が終わり、授業が始まる。
今日は第2章の練習だ。
青木「じゃあ、これが第2章の台本。
早速読み合わせてみようか」
「うん!ありがとう、青山くん!」
青木「うん、青木だけどね」
「あ!」
第2章
ナレーション(青木)
「アーサーが魔法の杯を目指し、
遥か遠くの国に旅立ってから数日…
妖精の国を悲しいニュースが襲う。
妖精の姫エマの父親、妖精王が亡くなったのだ
妖精の姫、エマは悲しみに暮れ幾日も泣き続けた」
姫「お父様…っ!お父様っ…!!」
泣き崩れる姫。
ナレーション(青木)
「姫は次第に心を閉ざし、いつも周りを囲んでいた精霊たちも日に日に減っていった。
そして姫の心が完全に閉ざされ
最後の精霊が消えてしまうと
妖精の世界は完全な闇に包まれてしまったー。
天は雲で覆われ、大雨が襲い、しきりに雷が鳴り響く
川は氾濫を起こし、田畑は荒れ
美しい世界はあっという間に消え去った」
姫「わたしのせいだわ…!!どうして…こんなことに…」
姫は更に嘆き悲しむ
そこに異国の地の王子ルークがやってくる
ルーク(勇次郎)「妖精姫さま、
どうか僕があなたに話しかける事をお許しください。
僕は異国の地から来たルーク王子です。
遥か昔、あなたに命を助けられ、その日より、
今日までずっとあなたのことを想い生きて参りました。
どうか、僕にあなたへ恩返しをさせていただけないでしょうか…?」
ルークは変わり果てた姫を見て、
悲しそうな顔で懇願する
姫「ルーク王子…。
気持ちはありがたいのですが、私の深い悲しみはあなたでは癒すことはできないわ…」
悲しい顔でそう伝える姫
ルーク(勇次郎)「これは世界3代秘宝のうちの一つ、
魔法のペンダントです。
これを使えば少しの間ですが死者と
面会をすることができるでしょう…」
姫「!!お父様とお話ができるの!?」
ルーク(勇次郎)「はい。
もしあなたが望まれるのであれば
あなたにこのペンダントを差し上げましょう。
ですが、ひとつだけお願いがあります」
姫「お願い…?」
ルーク(勇次郎)「はい…。
姫には婚約者がいると聞いております。
ですが僕はどうしても姫を諦めることができないのです…。
…僕と婚約をして欲しいとまでは言いません。
ですが、どうか僕に
あなたと仲良くなるための機会を
与えていただけないでしょうか?」
少し悲しげに、儚く問う
姫「……」
深く考え込む姫
姫「私には心に決めた方がいます。
もしあなたに私と仲良くなるための機会を与えたとしても私の心は彼1人だけのものです。
…ですが、もしそれでも良いと言うのなら
この話をお受け致します」
ルーク(勇次郎)「…はい。僕はそれでも構いません。」
寂しげに笑うルーク
ルーク(勇次郎)
「…それでは姫、こちらのペンダントを首にかけ、
父上に会いたいと願いを込めてください。」
ペンダントを姫にかけるルーク
姫「どうか…お父様に会わせて!」
ペンダントを握りしめ、強く祈る姫
するとペンダントから青白い光が溢れ
あたりは霧に包まれる
そしてそこには今は亡き妖精王が。
妖精王「エマ!!」
妖精王は強く妖精姫を抱きしめる
姫「お父様…!!」
泣きながらすがりつく姫
妖精王「エマ…。」
妖精王は愛おしそうに姫の頭を撫で
姫の涙を拭う
妖精王「エマ…。
君を残してこの世を去ってしまい、すまなかった。
随分悲しい思いをしたんだね。
我らを守ってくれている精霊たちも消え
妖精の国も随分と姿を変えてしまったようだ。」
妖精王は優しい声で語りかける
姫「お父様、申し訳ありません…」
妖精王「いや、いいんだよ。
エマは強い子だ。また今からやり直せばいい。
エマの心にまた元のように光が灯れば
精霊たちはその光に連れられまた戻ってくるだろう
少し大変ではあるが
田畑や緑はまた一から作り直せば良い。
何も怖がることはない。
最初はいつもゼロから始まるのだ。」
姫「お父様…。」
妖精王の言葉に胸を打たれる姫
妖精王「エマ…。私はいつまでも
ここにいるわけにはいかない、わかるね?」
姫「はい、お父様…。」
悲しそうな顔で妖精王を見つめる
妖精王「だが、私はいつも君の心の中にいる。
いつでも君を見守っているよ。
そして、君を見守っているのは私だけではない。
……わかるかい?
君を想って命を賭けた旅に出たアーサーや
君を助けるために命を捨てる覚悟でここまできたルーク
命をかけて愛を守ると言うことは
簡単にできることではないんだ。
わかるね?」
姫「はい…」
妖精王「そうか。
ではエマはもう大丈夫だな」
妖精王は少し寂しそうに姫の頭を撫でる
妖精王「エマ。
もしも君が、心からずっと一緒にいたいと…、
彼のためなら例え死の世界までも着いて行きたい…
そう思うような相手が見つかったのなら
エマは自由に婚約をすると良い。」
姫「!!…はい。」
妖精王「君の選択を私は心から応援しよう。
……さてそろそろ、時間のようだ。」
姫「お父様…!!行かないでください、お父様!」
泣いてしまう姫
妖精王「エマ。私は今から妻のもとに還るんだ。
何も辛いことはないよ。
エマと同じくらい、私の世界で1番愛おしい人だ。
私は彼女が死んでから
ずっとずっと会えるのを待ち侘びていたんだよ。
君を置いていくのは少し心配だが
君のことはアーサーや
ここにいるルークが守ってくれるだろう」
妖精王「ルーク。エマのことを頼んだよ」
ルーク(勇次郎)「はい!
命に変えても姫を守り抜くと誓います」
膝をついて、妖精王に頭を下げるルーク
妖精王「ありがとう。
最後にエマに会えたこと、心から感謝をしているよ」
姫「お父様!!…お母様とどうかお幸せに…!」
泣きながらも少しすっきりした顔の姫
ここでシーン3が終わり
シーン4に入る
ナレーション(青木)
「妖精王と話をしたことで、
また心に灯りをともした妖精姫は
ルークと共に荒れてしまった王国の復興をしていく。
そして、どんな時でも自分を1番に尊重してくれる
優しいルークに少しずつ心惹かれていく妖精姫。」
ルーク(勇次郎)「エマ。これはここでいいかい?」
復興のために姫の手伝いをするルーク
姫「ええ。ルーク、いつも本当にありがとう。
あなたがいなければ私はきっと今でも泣き続けていたと思うわ」
ルーク(勇次郎)「気にしないで、エマ。
前に君が僕を助けてくれたと言ったよね。
僕がまだ幼い頃、
父に妖精の国に連れてきてもらったんだ。
ここはすべてが美しくて
僕は幼いながらにすごく感動をしたんだ。
そして父と離れて遊んでいるうちに
川の中で何か光るものを見つけた。
好奇心が旺盛だった僕は川の中に入ってしまったんだ
するとまだ幼かった僕は
川の流れに巻き込まれ溺れてしまった
助けてと声も出せぬまま溺れてしまった僕を
エマが助けに来てくれたんだ」
姫「そうだったのね!
あの少年がルークだったなんて…!
私もあの時のことはよく覚えているわ。
だって…助けたと思ったら
あなた私に質問攻めしてくるんだもの」
くすくすと楽しそうに笑う姫
ルーク(勇次郎)「エマも覚えていてくれたんだね。」
嬉しそうに笑うルーク
ルーク(勇次郎)「あの時、初めて見たエマがあまりにも美しくて、
僕の心はもう君のことしか考えれなくなってしまったんだ。
きっと質問攻めをしてしまったのも
君のことをよく知りたいと思う気持ちが
早まってしまったんだと思う」
少し照れて話すルーク
姫「ふふふ。そうだったのね
でもあなたと会えて良かったわ」
優しく微笑む姫
ナレーション(青木)「そして幾日も月日が流れ、姫とルークは次第に仲良くなっていった」
ルークと姫は村の復興をしている
深刻な顔をしているルーク
それに気づき声をかける姫
姫「ルーク?どうしたの?どこか具合でも悪い?」
ルーク(勇次郎)「エマ…。
僕は君のためならなんでもできる。
君の為なら命を賭けることだって何も怖くない。
でも、日に日に君との距離が近くなるほど
アーサー王子に取られるのがすごく…
…すごく怖いんだ
君の幸せを望むはずだったのに…。」
ルークのすごく辛そうな表情に
姫は心を痛める
姫「ルーク…。
そんなに私を想っていてくれたのですね…」
姫はルークの隣に座り
愛おしそうにルークの頭を撫でる
ルーク(勇次郎)「エマ…。」
そこに、エマの上に
折れた木が倒れそうになる
ルーク(勇次郎)「エマ!!」
姫を押し倒すようにして姫を木から守る
少し苦しい顔をするルーク
姫「ルーク!!」
ルーク(勇次郎)「これくらいへっちゃらだよ。
君を守ることができたんだから」
と笑い、姫の顔に触れるルーク
見つめ合う2人
ルークは姫の手を握り、姫の髪を撫でる
そして姫に顔を近づける
姫は顔を紅くし、目線を逸らす
ルークが姫にキスをしようと唇を近づけると
アーサー(愛蔵)「エマ!!!」
と白馬に乗ったアーサーが登場する
ここでシーン4が終わる
青木「こんな感じなんだけどどうだった?」
「どうって…」
樹里「刺激的〜っ♡!こりゃ18禁だね〜」
とニヤニヤ冷やかしてくる樹里ちゃん
「樹里ちゃんいつから聞いてたの!てか18禁って…!」
青木「いや、18禁はもっと生々しい絡みが…」
その言葉につい想像をしてしまい更に照れる
「もぉ〜!青山くんのバカ!
私まだ彼氏もいたことないのに、こんな役…
しかもみんなの前で…!!
もしお嫁に行かなくなったら
青山くんどーしてくれるの!?」
青木「そしたら…
柴崎か染谷に貰ってもらうしかないな」
とシレだと言ってくる青木くん
勇次郎「いいよ、別に。僕が貰ってあげる」
とキョトンとした顔でニコッと微笑む勇次郎
(…これは絶対演技だな!)
「そうやって、みんなでからかうんだから!!」
赤面した顔を両手で隠す
樹里「も〜ミリアってば赤くなっちゃって
ほんと可愛いんだからっ♡!」
と笑う樹里ちゃん
勇次郎「ところで妖精王の役なんてあったっけ?これ誰がやるの?」
「たしかに!わたし妖精王に抱きしめられるシーンとかあるんだけど!!」
青木「あぁ、それなら明智先生に頼んだ」
「え!明智先生!??」
勇次郎「よく了承得られたね」
青木「まぁ、明智先生、映画部の顧問だし
この劇の成功に僕の行きたい大学への
推薦がかかってるからね」
「……更にかかるプレッシャーがすごい!」
青木「だから姫野…!がんばってくれ」
「今すぐにでもプレッシャーで押し潰されそうだけど大丈夫?」
勇次郎「はいはい、
じゃ早速セリフ読みの練習しよっか」
夢の世界
現実世界で寝るのが遅かったからか
すごく眠い…
ふぁ〜っとあくびをしながら学校に行く
ひより「ミリアちゃん、おはよう!なんか眠そうやね?」
「おはよー!うん。ちょっとね、」
登校中、ひよりちゃんにあったので一緒に登校した
ひより「ミリアちゃん、ミスコンにヒロインに大変ちゃう?」
「うん、ちょっと大変だけどでも楽しいのもあるよ!」
ひより「そっか!あんま無理せんと、がんばってね♡」
教室に着くと明智先生が、
昨日の写真よく撮れてましたよと言ってくれた
(もう、写真できたのかな?)
ホームルーム
明智「ミスコン候補者のポスターが出来あがって
廊下と掲示板に貼ってあります。また確認しておいてください」
(早っ!みんなどんな感じだったんだろ。…後で見に行こう)
ホームルームが終わると早速廊下にポスターを見に行く
(みんな可愛い…!
しかもポーズもめちゃめちゃ決まってる…
えーっと…わたしのは…)
他のみんなはいろいろなポーズを決めていたのに
私だけポーズも決めず
上目遣いで少し照れたような顔をしていた
(え、これ?なんか地味じゃない??)
ひより「ミリアちゃん、ポスターめっちゃ可愛かったよ〜♡」
「え?ほんと?なんか私だけ地味じゃなかった?」
そこに愛蔵と勇次郎も会話に加わってきた
愛蔵「そうか?俺はお前が1番可愛いと思ったけど」
「え!?」
勇次郎「うん。なんか普段と違って汐らしく撮れてたじゃん。」
「そうかな〜…?ん?普段と違って…?」
勇次郎「うん。男ウケには、ああ言う写真のほうがいいんじゃない?」
愛蔵「あぁ、確かに。なんか、そそら…」
勇次郎「え?…何?」
勇次郎が冷たい視線で愛蔵の言葉を遮る
愛蔵「あ、いや、なんでもない」
「でもさ、ミスコンって男の子ウケ良くても
女の子ウケも大事だよね…?」
勇次郎「まぁ、確かに。でもミリアは女の子に嫌われるタイプじゃないでしょ?」
「そうかな?わたし、ひよりちゃんと樹里ちゃんしか女友達いないけど……?」
愛蔵「お前、意外と友達少ないんだな」
「愛蔵くん、悲しいこと言わないで。」
休み時間が終わり、授業が始まる。
今日は第2章の練習だ。
青木「じゃあ、これが第2章の台本。
早速読み合わせてみようか」
「うん!ありがとう、青山くん!」
青木「うん、青木だけどね」
「あ!」
第2章
ナレーション(青木)
「アーサーが魔法の杯を目指し、
遥か遠くの国に旅立ってから数日…
妖精の国を悲しいニュースが襲う。
妖精の姫エマの父親、妖精王が亡くなったのだ
妖精の姫、エマは悲しみに暮れ幾日も泣き続けた」
姫「お父様…っ!お父様っ…!!」
泣き崩れる姫。
ナレーション(青木)
「姫は次第に心を閉ざし、いつも周りを囲んでいた精霊たちも日に日に減っていった。
そして姫の心が完全に閉ざされ
最後の精霊が消えてしまうと
妖精の世界は完全な闇に包まれてしまったー。
天は雲で覆われ、大雨が襲い、しきりに雷が鳴り響く
川は氾濫を起こし、田畑は荒れ
美しい世界はあっという間に消え去った」
姫「わたしのせいだわ…!!どうして…こんなことに…」
姫は更に嘆き悲しむ
そこに異国の地の王子ルークがやってくる
ルーク(勇次郎)「妖精姫さま、
どうか僕があなたに話しかける事をお許しください。
僕は異国の地から来たルーク王子です。
遥か昔、あなたに命を助けられ、その日より、
今日までずっとあなたのことを想い生きて参りました。
どうか、僕にあなたへ恩返しをさせていただけないでしょうか…?」
ルークは変わり果てた姫を見て、
悲しそうな顔で懇願する
姫「ルーク王子…。
気持ちはありがたいのですが、私の深い悲しみはあなたでは癒すことはできないわ…」
悲しい顔でそう伝える姫
ルーク(勇次郎)「これは世界3代秘宝のうちの一つ、
魔法のペンダントです。
これを使えば少しの間ですが死者と
面会をすることができるでしょう…」
姫「!!お父様とお話ができるの!?」
ルーク(勇次郎)「はい。
もしあなたが望まれるのであれば
あなたにこのペンダントを差し上げましょう。
ですが、ひとつだけお願いがあります」
姫「お願い…?」
ルーク(勇次郎)「はい…。
姫には婚約者がいると聞いております。
ですが僕はどうしても姫を諦めることができないのです…。
…僕と婚約をして欲しいとまでは言いません。
ですが、どうか僕に
あなたと仲良くなるための機会を
与えていただけないでしょうか?」
少し悲しげに、儚く問う
姫「……」
深く考え込む姫
姫「私には心に決めた方がいます。
もしあなたに私と仲良くなるための機会を与えたとしても私の心は彼1人だけのものです。
…ですが、もしそれでも良いと言うのなら
この話をお受け致します」
ルーク(勇次郎)「…はい。僕はそれでも構いません。」
寂しげに笑うルーク
ルーク(勇次郎)
「…それでは姫、こちらのペンダントを首にかけ、
父上に会いたいと願いを込めてください。」
ペンダントを姫にかけるルーク
姫「どうか…お父様に会わせて!」
ペンダントを握りしめ、強く祈る姫
するとペンダントから青白い光が溢れ
あたりは霧に包まれる
そしてそこには今は亡き妖精王が。
妖精王「エマ!!」
妖精王は強く妖精姫を抱きしめる
姫「お父様…!!」
泣きながらすがりつく姫
妖精王「エマ…。」
妖精王は愛おしそうに姫の頭を撫で
姫の涙を拭う
妖精王「エマ…。
君を残してこの世を去ってしまい、すまなかった。
随分悲しい思いをしたんだね。
我らを守ってくれている精霊たちも消え
妖精の国も随分と姿を変えてしまったようだ。」
妖精王は優しい声で語りかける
姫「お父様、申し訳ありません…」
妖精王「いや、いいんだよ。
エマは強い子だ。また今からやり直せばいい。
エマの心にまた元のように光が灯れば
精霊たちはその光に連れられまた戻ってくるだろう
少し大変ではあるが
田畑や緑はまた一から作り直せば良い。
何も怖がることはない。
最初はいつもゼロから始まるのだ。」
姫「お父様…。」
妖精王の言葉に胸を打たれる姫
妖精王「エマ…。私はいつまでも
ここにいるわけにはいかない、わかるね?」
姫「はい、お父様…。」
悲しそうな顔で妖精王を見つめる
妖精王「だが、私はいつも君の心の中にいる。
いつでも君を見守っているよ。
そして、君を見守っているのは私だけではない。
……わかるかい?
君を想って命を賭けた旅に出たアーサーや
君を助けるために命を捨てる覚悟でここまできたルーク
命をかけて愛を守ると言うことは
簡単にできることではないんだ。
わかるね?」
姫「はい…」
妖精王「そうか。
ではエマはもう大丈夫だな」
妖精王は少し寂しそうに姫の頭を撫でる
妖精王「エマ。
もしも君が、心からずっと一緒にいたいと…、
彼のためなら例え死の世界までも着いて行きたい…
そう思うような相手が見つかったのなら
エマは自由に婚約をすると良い。」
姫「!!…はい。」
妖精王「君の選択を私は心から応援しよう。
……さてそろそろ、時間のようだ。」
姫「お父様…!!行かないでください、お父様!」
泣いてしまう姫
妖精王「エマ。私は今から妻のもとに還るんだ。
何も辛いことはないよ。
エマと同じくらい、私の世界で1番愛おしい人だ。
私は彼女が死んでから
ずっとずっと会えるのを待ち侘びていたんだよ。
君を置いていくのは少し心配だが
君のことはアーサーや
ここにいるルークが守ってくれるだろう」
妖精王「ルーク。エマのことを頼んだよ」
ルーク(勇次郎)「はい!
命に変えても姫を守り抜くと誓います」
膝をついて、妖精王に頭を下げるルーク
妖精王「ありがとう。
最後にエマに会えたこと、心から感謝をしているよ」
姫「お父様!!…お母様とどうかお幸せに…!」
泣きながらも少しすっきりした顔の姫
ここでシーン3が終わり
シーン4に入る
ナレーション(青木)
「妖精王と話をしたことで、
また心に灯りをともした妖精姫は
ルークと共に荒れてしまった王国の復興をしていく。
そして、どんな時でも自分を1番に尊重してくれる
優しいルークに少しずつ心惹かれていく妖精姫。」
ルーク(勇次郎)「エマ。これはここでいいかい?」
復興のために姫の手伝いをするルーク
姫「ええ。ルーク、いつも本当にありがとう。
あなたがいなければ私はきっと今でも泣き続けていたと思うわ」
ルーク(勇次郎)「気にしないで、エマ。
前に君が僕を助けてくれたと言ったよね。
僕がまだ幼い頃、
父に妖精の国に連れてきてもらったんだ。
ここはすべてが美しくて
僕は幼いながらにすごく感動をしたんだ。
そして父と離れて遊んでいるうちに
川の中で何か光るものを見つけた。
好奇心が旺盛だった僕は川の中に入ってしまったんだ
するとまだ幼かった僕は
川の流れに巻き込まれ溺れてしまった
助けてと声も出せぬまま溺れてしまった僕を
エマが助けに来てくれたんだ」
姫「そうだったのね!
あの少年がルークだったなんて…!
私もあの時のことはよく覚えているわ。
だって…助けたと思ったら
あなた私に質問攻めしてくるんだもの」
くすくすと楽しそうに笑う姫
ルーク(勇次郎)「エマも覚えていてくれたんだね。」
嬉しそうに笑うルーク
ルーク(勇次郎)「あの時、初めて見たエマがあまりにも美しくて、
僕の心はもう君のことしか考えれなくなってしまったんだ。
きっと質問攻めをしてしまったのも
君のことをよく知りたいと思う気持ちが
早まってしまったんだと思う」
少し照れて話すルーク
姫「ふふふ。そうだったのね
でもあなたと会えて良かったわ」
優しく微笑む姫
ナレーション(青木)「そして幾日も月日が流れ、姫とルークは次第に仲良くなっていった」
ルークと姫は村の復興をしている
深刻な顔をしているルーク
それに気づき声をかける姫
姫「ルーク?どうしたの?どこか具合でも悪い?」
ルーク(勇次郎)「エマ…。
僕は君のためならなんでもできる。
君の為なら命を賭けることだって何も怖くない。
でも、日に日に君との距離が近くなるほど
アーサー王子に取られるのがすごく…
…すごく怖いんだ
君の幸せを望むはずだったのに…。」
ルークのすごく辛そうな表情に
姫は心を痛める
姫「ルーク…。
そんなに私を想っていてくれたのですね…」
姫はルークの隣に座り
愛おしそうにルークの頭を撫でる
ルーク(勇次郎)「エマ…。」
そこに、エマの上に
折れた木が倒れそうになる
ルーク(勇次郎)「エマ!!」
姫を押し倒すようにして姫を木から守る
少し苦しい顔をするルーク
姫「ルーク!!」
ルーク(勇次郎)「これくらいへっちゃらだよ。
君を守ることができたんだから」
と笑い、姫の顔に触れるルーク
見つめ合う2人
ルークは姫の手を握り、姫の髪を撫でる
そして姫に顔を近づける
姫は顔を紅くし、目線を逸らす
ルークが姫にキスをしようと唇を近づけると
アーサー(愛蔵)「エマ!!!」
と白馬に乗ったアーサーが登場する
ここでシーン4が終わる
青木「こんな感じなんだけどどうだった?」
「どうって…」
樹里「刺激的〜っ♡!こりゃ18禁だね〜」
とニヤニヤ冷やかしてくる樹里ちゃん
「樹里ちゃんいつから聞いてたの!てか18禁って…!」
青木「いや、18禁はもっと生々しい絡みが…」
その言葉につい想像をしてしまい更に照れる
「もぉ〜!青山くんのバカ!
私まだ彼氏もいたことないのに、こんな役…
しかもみんなの前で…!!
もしお嫁に行かなくなったら
青山くんどーしてくれるの!?」
青木「そしたら…
柴崎か染谷に貰ってもらうしかないな」
とシレだと言ってくる青木くん
勇次郎「いいよ、別に。僕が貰ってあげる」
とキョトンとした顔でニコッと微笑む勇次郎
(…これは絶対演技だな!)
「そうやって、みんなでからかうんだから!!」
赤面した顔を両手で隠す
樹里「も〜ミリアってば赤くなっちゃって
ほんと可愛いんだからっ♡!」
と笑う樹里ちゃん
勇次郎「ところで妖精王の役なんてあったっけ?これ誰がやるの?」
「たしかに!わたし妖精王に抱きしめられるシーンとかあるんだけど!!」
青木「あぁ、それなら明智先生に頼んだ」
「え!明智先生!??」
勇次郎「よく了承得られたね」
青木「まぁ、明智先生、映画部の顧問だし
この劇の成功に僕の行きたい大学への
推薦がかかってるからね」
「……更にかかるプレッシャーがすごい!」
青木「だから姫野…!がんばってくれ」
「今すぐにでもプレッシャーで押し潰されそうだけど大丈夫?」
勇次郎「はいはい、
じゃ早速セリフ読みの練習しよっか」