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朝起きると現実の世界に戻っていた


（私あのまま、寝ちゃったんだ…）



今日はこちらの世界でも土曜日。

どうやらこちらの世界のほうが少し早く
同じ日にちを繰り返すらしい




こちらの世界で今日が終われば
あちらの世界でユイくんとデートだ♡



（……デート！！
なんかデートって思うとなんか急に恥ずかしいな）




なんか今日は気分がいいので街に繰り出す

せっかくだからオシャレしてみよう！
髪もセットしてメイクもすると街に繰り出す



なんか久々に現実世界も楽しめている気がする



街をフラフラしていると声をかけられる



？「僕こういうものなんだけど
君、芸能界とか興味ない？」



そっと名刺を渡される


「え？」


？「よかったら今から一緒にレッスンの様子とか見てみない？すぐここの事務所なんだけど」



ここだよっと見上げると
そこは巨大なビル。



（ここ、昔わたしがオーディション受けたところだ）





「あ、お願いします」


つい口から出てしまった言葉に
自分ではもう忘れたはずだった
アイドルへの未練を感じた…。



？「僕の名前は神谷透。君の名前は？」


「姫野ミリアです。」


神谷「高校生？」


「高校1年生です」



神谷「そうなんだ！じゃあ、ここが僕の事務所だよ。
今売り出し中のアイドルがレッスンしてるから
ちょっと見学しに行こう」



「はい」




神谷「ここがレッスン室。今練習してるのは
最近人気が出てきたアイドルの水無月えいみだよ」



「あ、知ってます！」


水無月えいみ。
最近化粧品のCMにもよく出ている人気のアイドルだ




神谷「そう。良かった。じゃあ、話は早いね。
君をスカウトしたいんだ。

まぁ、アイドルは歌が上手くないと出来ないけど
君ならモデルとしても人気が出るだろう」




「あ、ありがとうございます」



神谷「とりあえず今すぐ出なくてもいいから
少し考えてみてくれないか？」


神谷さんの連絡先を聞いて
一旦話を持ち帰ることにした






（わたしが芸能界……。）



正直昔からアイドルになるのが夢だった

オーディションで緊張して大失敗をするまでは。



歌が大好きで昔からいつも歌を歌っていた


でもオーディションで失敗して
自分には無理だと諦めたはずだったのに



忘れたはずの夢への未練は
こうも容易く湧き上がる



（でも私にできるのかな…）







その日は、夜まで悩んで眠りについた




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