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「あ、見てみて!」
入り口付近からまわって行くと
まず目に入ったのがお面屋さん
勇次郎「お面?」
不思議そうな顔の勇次郎
「顔バレ防止♡」
勇次郎「あぁ。確かに、いいかもね。」
と理由をつければOKしてくれる勇次郎
「うーん…迷う」
私が迷っているのは勇次郎の仮面
一つは狐のハーフマスク。
顔の上半分が隠れていて、口が見えるようになっている
もう一つは、舞踏会で王子様が使うようなベネチアンマスク
目元だけが隠されているもの。
勇次郎「こんなのしてたら余計目立たない?」
「ふふふ。間違いない。でも顔バレより良くない?」
勇次郎「まぁ…。ベネチアンマスクなら
この前小さなライオンのMVの時付けてたし
べつに恥ずかしくはないんだけど」
「あの時は鼻まであったもんね。これは目だけだからもっとシンプルだね。でも狐のハーフマスクも捨てがたい」
勇次郎「顔バレとか言って楽しんでるでしょ?」
「ふふふ。あ、2つ買って途中で交換しよ?」
勇次郎「まぁ、別にいいけど…」
と、とりあえず仮面を2つ買って
勇次郎にベネチアンマスクをつける
目元を隠してるのにイケメンなのがわかる謎。
「仮面しててもイケメン感ありありだけど大丈夫?」
勇次郎「ふふ。まぁね。ミリアもお面つけてあげる」
と言うと私に狐のハーフ仮面をつけてくれる
「どう?」
勇次郎「……なんか、色っぽい」
「……え?…そう?」
仮面をつけたまま、2人で手を繋ぎ、お店を回る
……周りからの視線が痛い。
たぶん2人して仮面をして目立つのもあるんだけど
勇次郎の隠れ切れていないイケメン感のせいだと思う
「周りからの視線がすごい……」
勇次郎「ほら、やっぱり余計目立ってるじゃん」
と若干呆れながら笑っている勇次郎
「たぶん勇次郎くんが目元だけじゃ
イケメン感、隠せきれてないからだと思う」
勇次郎「僕のせいじゃなくて、ミリアが色っぽいからじゃない?」
「え、わたし!?ないない。…あ、じゃあ、お面変える??」
勇次郎「いいよ。」
とお店の裏側、人から見えない場所で仮面を交換する
「だめだ。顔の半分以上隠れてるくせにイケメンのたたずまいある。
どこから出てるの?このイケメンオーラ」
勇次郎「ミリアは可愛いのがバレバレ。」
なんて2人で言い合って笑う
手を繋ぎながら、出店を回る
「何食べる??」
勇次郎「りんご飴とチュロスと綿菓子」
「全部甘いものじゃん。」
勇次郎「ミリアは何食べたいの?」
「トロピカルジュースとかき氷?でもその前に金魚すくいとかやりたい♡」
勇次郎「金魚すくい?いいよ」
2人で金魚すくいに挑戦する
「おいでおいで〜♪」
勇次郎「呼んだって来ないよ。じっと待って……ほら。」
と言うと勇次郎は金魚をどんどんすくっていく
「すご〜。この黒の大きいのも取って♡」
真剣に金魚をすくう勇次郎
「あっ!」
あと少しでポイ(網)が破れてしまった
「惜しかったね♪」
勇次郎「うん。ミリアは金魚1匹もすくえなかったの?」
私は3回もやって1匹も取れなかったのに
勇次郎は1回で4匹も釣っている
「うん。」
勇次郎「金魚も飼い主を選ぶって事かな?」
なんて意地悪を言ってくる
「あ〜、金魚も勇次郎くんのフェロモンにやられたか」
勇次郎「何それ。」
とクスッと笑う勇次郎くん
「あ、勇次郎くん!見てみて!射的やろーっ」
勇次郎「射的?」
早速2人でやってみる
店員「お姉ちゃん、美人だね〜。特別1回サービスしちゃうよ」
と言われたものの2回やっても全然当たらない私
あとは勇次郎に期待を込めて勇次郎を眺める
弾は3発
1発目はギリギリ当たらず
2発目はギリギリかすめる
そして3発目は的に当たるものの倒れなかった
勇次郎「は?今の当たってたよね?」
と文句を言う勇次郎
店員「あ〜、残念。倒れたら景品と交換だからね〜」
と言われれば
「じゃあ、もう一回」とお金を払う勇次郎
お面で表情はいまいちわからないけど
銃を持って真剣に的を見つめる姿はなんだかかっこいい
そして何度か挑戦してもなかなか倒れない的に
イライラし始める勇次郎
やっと3回目で的を倒すことができた
景品は、実は私が狙っていた
可愛いうさぎのぬいぐるみ
勇次郎「はい」
と手渡される
「ふふ。ありがとう♡これめっちゃ欲しかったの!」
勇次郎「うん。知ってる。じゃなきゃ、こんな何回もやらないでしょ?」
(なんだ…意地になってるんじゃなくて
わたしのためにやってくれてたんだ♡可愛いな)
ふふふ、とニヤけてしまえば
勇次郎「何…?」
と怪訝な顔をしながら、ちょっと照れてる勇次郎。
(ほんと、ツンデレなんだから…)
勇次郎「てか喉乾いたからジュース買い行こ」
「うん♪」
勇次郎に取ってもらったうさぎを抱き抱えながら
反対の手で勇次郎の手を握る
そのままジュースやらかき氷、りんご飴にわたがし…
などたくさん買い込む
お互いに両手が塞がってしまい、
手が繋げなくなってしまったから
勇次郎にはぐれないようにピッタリくっついて歩いた
人気のない河原について
シートを広げて2人並んで花火を見る
と言うか、甘いもの食べるわたしたち
「花より団子だね。」
なんて言えば
勇次郎「それはミリアだけでしょ?僕はさっきからずっと花見てるし」
花火なんて全然見てないくせに、そんなことを言う勇次郎
「え〜?勇次郎くんさっきから花火なんて全然見てないくせに〜」
勇次郎「べつに、花火は見てないけど。ミリアのことずっと見てるし」
「わたし??」
勇次郎「うん。僕にとっては花火よりミリアのほうがよっぽどきれいだよ?」
なんて言われて赤面する私
急いで、さっきまで取っていた仮面を取り付ける
勇次郎「なんで顔隠すの?」
意地悪な顔
「べ、べつに…。仮面が気に入ってるだけ」
勇次郎「へーー」
じとーっとした目で見つめられる
そこに、パーーン!と大きな音が鳴り
レインボーのしだれ柳が咲き散る
「…わぁ!すごーい♡落っこちて来そう」
なんて勇次郎の方をチラッと見れば
勇次郎は私のほうを見ていた
「え?花火見て!?」
勇次郎「やだ。花火に感動してるミリアのほうが可愛い」
なんて言ってくるから
勇次郎はもう頭どーかしちゃったんだと思って、
もー勇次郎のことはシカトする
すると花火を見ながらかき氷を食べるわたしに
勇次郎「ねぇ、僕にもかき氷ちょうだい」
と言ってくる勇次郎。
「え?いいよ」
と花火を眺めていた瞳を一瞬勇次郎に向ける
すると勇次郎は
「ありがとう」と言いつつ
私の顔を勇次郎の方に向けて、
私が口に含んだかき氷を食べるように
少し深めのキスをした
……。
一瞬、時が止まる。
そして思考が止まる。
頭の中がパニックになって…
「……!!」
びっくりして勇次郎の肩を押す
「ちょ、!勇次郎くん!??」
勇次郎「ごめん、あまりにも綺麗だったから、つい…」
とあまり悪びれていない勇次郎
とりあえず顔が熱い。
恥ずかしくて勇次郎のほうも見えないし
勇次郎に聞かれちゃうんじゃないかってくらい
心臓のドキドキがうるさい
紅くなった顔を見られたくなくて
頬を両手で包み、下を向く
勇次郎がなにか話しかけてるのに
聞ける余裕がなくてスルーしてしまう
しばらく沈黙が続いた
そして、しばらくすると花火大会が終わったようで
観客がざわざわと帰って行く音がした
勇次郎「ミリア?」
「……え?」
勇次郎「帰らないの?」
周りを見るとあんなにたくさんいた人が
もう半分くらいになっていた
「…あ、ごめん」
荷物を片付け、2人トボトボ歩いていると
目の前に泣いてる女の子と
困っているお父さんとお母さんらしき人がいた
パパ「もう泣かないで?そろそろ帰ろ?」
女の子「パパが先に唐揚げ買いに行くって言うから
金魚さんいなくなっちゃったんだよ!パパなんて大嫌い!」
ママ「あらあら…。」
パパ「ごめんってば〜。今度買ってあげるから!」
女の子「今欲しいの!!え〜んえ〜ん…。」
と泣いている女の子
どうやら金魚が欲しくて泣いてるらしい
私と勇次郎は目を合わせると
「あの〜、もし良かったらこの子達どうぞ」
女の子「……金魚さん!!!」
パパ「え、いいんですか?」
「はい。大切に育ててくれるのなら!どう?できるかな??」
女の子「うん!大切に育てる!」
「偉いね♡じゃあ、どうぞ。」
女の子「ありがとう♡」
さっきまであんなに泣いて困らせていた女の子は
あっという間に笑顔になっている
ママ「本当にありがとうございます」
「いえいえ♪じゃあ、ばいばい」
と女の子にばいばいをして別れた
また2人きりになってトボトボ歩き始める
勇次郎「金魚、良かったの?…欲しかったんでしょ?」
「うん。でもわたしには勇次郎くんが取ってくれたうさぎさんいるし、それに私は泣くほど金魚が欲しいわけではなかったから………まぁ、熱意の差?」
勇次郎「ふーん。じゃあ、もし僕がどれだけミリアのこと好きか熱意を見せたら、ミリアも僕のものになってくれる?」
「え…?どうかな……。まだちょっと気持ちが追いついてなくて…」
ごめんね。と呟けば
勇次郎「僕の方こそ、困らせてばっかりでごめん」
と返ってきた
また仮面を被っている勇次郎の表情が気になって
ヒュッと勇次郎の仮面を奪い取った
すると一瞬驚いた顔をした勇次郎は
なんだかすこし寂しそうに見えた
勇次郎「急になに?」
その表情を隠すようにわざと不機嫌な言葉で
不機嫌な顔を作っているように見える
「今日勇次郎くんの顔あんまり見てないなって思って」
勇次郎「…はぁ。僕は見てたよ?ミリアのこと」
「え?でもさ、狐面だと表情わかんないんだもん、ずるくない??」
勇次郎「はいはい。ずるくないずるくない。
それよりとっとと行くよ?」
と私の手をとって歩き始める
こんなひと時が続けばいいのに…
そう思っているのに
一歩踏み出せない自分がいる。
(勇次郎はこんなに、私のこと思ってくれてるのに…)
家まで送ってもらい、
「今日はありがとう♡」と伝えると
勇次郎は
「待つって言ったのに困らせてごめん」
とわたしに謝った
「……私こそ返事ができてなくてごめんね。
できるだけ早く答えを出さなきゃとは思ってるんだけど…」
勇次郎「いや、僕のほうこそごめん。急かすつもりはないんだ。ただ…ちょっと意識して欲しかっただけ。ごめん。」
「ううん。なんか2人して謝ってばっかだね。
今日すっごい楽しかったよ?ありがとう♡」
勇次郎「うん。僕も楽しかった。ありがとう。
じゃあ、またね」
と勇次郎は帰って行った
(ダイくんはこの前、無理して
返事しなくてもいいって言ってくれたけど…
やっぱり……
いつまでも待たせるわけにはいかないよね……)
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「あ、見てみて!」
入り口付近からまわって行くと
まず目に入ったのがお面屋さん
勇次郎「お面?」
不思議そうな顔の勇次郎
「顔バレ防止♡」
勇次郎「あぁ。確かに、いいかもね。」
と理由をつければOKしてくれる勇次郎
「うーん…迷う」
私が迷っているのは勇次郎の仮面
一つは狐のハーフマスク。
顔の上半分が隠れていて、口が見えるようになっている
もう一つは、舞踏会で王子様が使うようなベネチアンマスク
目元だけが隠されているもの。
勇次郎「こんなのしてたら余計目立たない?」
「ふふふ。間違いない。でも顔バレより良くない?」
勇次郎「まぁ…。ベネチアンマスクなら
この前小さなライオンのMVの時付けてたし
べつに恥ずかしくはないんだけど」
「あの時は鼻まであったもんね。これは目だけだからもっとシンプルだね。でも狐のハーフマスクも捨てがたい」
勇次郎「顔バレとか言って楽しんでるでしょ?」
「ふふふ。あ、2つ買って途中で交換しよ?」
勇次郎「まぁ、別にいいけど…」
と、とりあえず仮面を2つ買って
勇次郎にベネチアンマスクをつける
目元を隠してるのにイケメンなのがわかる謎。
「仮面しててもイケメン感ありありだけど大丈夫?」
勇次郎「ふふ。まぁね。ミリアもお面つけてあげる」
と言うと私に狐のハーフ仮面をつけてくれる
「どう?」
勇次郎「……なんか、色っぽい」
「……え?…そう?」
仮面をつけたまま、2人で手を繋ぎ、お店を回る
……周りからの視線が痛い。
たぶん2人して仮面をして目立つのもあるんだけど
勇次郎の隠れ切れていないイケメン感のせいだと思う
「周りからの視線がすごい……」
勇次郎「ほら、やっぱり余計目立ってるじゃん」
と若干呆れながら笑っている勇次郎
「たぶん勇次郎くんが目元だけじゃ
イケメン感、隠せきれてないからだと思う」
勇次郎「僕のせいじゃなくて、ミリアが色っぽいからじゃない?」
「え、わたし!?ないない。…あ、じゃあ、お面変える??」
勇次郎「いいよ。」
とお店の裏側、人から見えない場所で仮面を交換する
「だめだ。顔の半分以上隠れてるくせにイケメンのたたずまいある。
どこから出てるの?このイケメンオーラ」
勇次郎「ミリアは可愛いのがバレバレ。」
なんて2人で言い合って笑う
手を繋ぎながら、出店を回る
「何食べる??」
勇次郎「りんご飴とチュロスと綿菓子」
「全部甘いものじゃん。」
勇次郎「ミリアは何食べたいの?」
「トロピカルジュースとかき氷?でもその前に金魚すくいとかやりたい♡」
勇次郎「金魚すくい?いいよ」
2人で金魚すくいに挑戦する
「おいでおいで〜♪」
勇次郎「呼んだって来ないよ。じっと待って……ほら。」
と言うと勇次郎は金魚をどんどんすくっていく
「すご〜。この黒の大きいのも取って♡」
真剣に金魚をすくう勇次郎
「あっ!」
あと少しでポイ(網)が破れてしまった
「惜しかったね♪」
勇次郎「うん。ミリアは金魚1匹もすくえなかったの?」
私は3回もやって1匹も取れなかったのに
勇次郎は1回で4匹も釣っている
「うん。」
勇次郎「金魚も飼い主を選ぶって事かな?」
なんて意地悪を言ってくる
「あ〜、金魚も勇次郎くんのフェロモンにやられたか」
勇次郎「何それ。」
とクスッと笑う勇次郎くん
「あ、勇次郎くん!見てみて!射的やろーっ」
勇次郎「射的?」
早速2人でやってみる
店員「お姉ちゃん、美人だね〜。特別1回サービスしちゃうよ」
と言われたものの2回やっても全然当たらない私
あとは勇次郎に期待を込めて勇次郎を眺める
弾は3発
1発目はギリギリ当たらず
2発目はギリギリかすめる
そして3発目は的に当たるものの倒れなかった
勇次郎「は?今の当たってたよね?」
と文句を言う勇次郎
店員「あ〜、残念。倒れたら景品と交換だからね〜」
と言われれば
「じゃあ、もう一回」とお金を払う勇次郎
お面で表情はいまいちわからないけど
銃を持って真剣に的を見つめる姿はなんだかかっこいい
そして何度か挑戦してもなかなか倒れない的に
イライラし始める勇次郎
やっと3回目で的を倒すことができた
景品は、実は私が狙っていた
可愛いうさぎのぬいぐるみ
勇次郎「はい」
と手渡される
「ふふ。ありがとう♡これめっちゃ欲しかったの!」
勇次郎「うん。知ってる。じゃなきゃ、こんな何回もやらないでしょ?」
(なんだ…意地になってるんじゃなくて
わたしのためにやってくれてたんだ♡可愛いな)
ふふふ、とニヤけてしまえば
勇次郎「何…?」
と怪訝な顔をしながら、ちょっと照れてる勇次郎。
(ほんと、ツンデレなんだから…)
勇次郎「てか喉乾いたからジュース買い行こ」
「うん♪」
勇次郎に取ってもらったうさぎを抱き抱えながら
反対の手で勇次郎の手を握る
そのままジュースやらかき氷、りんご飴にわたがし…
などたくさん買い込む
お互いに両手が塞がってしまい、
手が繋げなくなってしまったから
勇次郎にはぐれないようにピッタリくっついて歩いた
人気のない河原について
シートを広げて2人並んで花火を見る
と言うか、甘いもの食べるわたしたち
「花より団子だね。」
なんて言えば
勇次郎「それはミリアだけでしょ?僕はさっきからずっと花見てるし」
花火なんて全然見てないくせに、そんなことを言う勇次郎
「え〜?勇次郎くんさっきから花火なんて全然見てないくせに〜」
勇次郎「べつに、花火は見てないけど。ミリアのことずっと見てるし」
「わたし??」
勇次郎「うん。僕にとっては花火よりミリアのほうがよっぽどきれいだよ?」
なんて言われて赤面する私
急いで、さっきまで取っていた仮面を取り付ける
勇次郎「なんで顔隠すの?」
意地悪な顔
「べ、べつに…。仮面が気に入ってるだけ」
勇次郎「へーー」
じとーっとした目で見つめられる
そこに、パーーン!と大きな音が鳴り
レインボーのしだれ柳が咲き散る
「…わぁ!すごーい♡落っこちて来そう」
なんて勇次郎の方をチラッと見れば
勇次郎は私のほうを見ていた
「え?花火見て!?」
勇次郎「やだ。花火に感動してるミリアのほうが可愛い」
なんて言ってくるから
勇次郎はもう頭どーかしちゃったんだと思って、
もー勇次郎のことはシカトする
すると花火を見ながらかき氷を食べるわたしに
勇次郎「ねぇ、僕にもかき氷ちょうだい」
と言ってくる勇次郎。
「え?いいよ」
と花火を眺めていた瞳を一瞬勇次郎に向ける
すると勇次郎は
「ありがとう」と言いつつ
私の顔を勇次郎の方に向けて、
私が口に含んだかき氷を食べるように
少し深めのキスをした
……。
一瞬、時が止まる。
そして思考が止まる。
頭の中がパニックになって…
「……!!」
びっくりして勇次郎の肩を押す
「ちょ、!勇次郎くん!??」
勇次郎「ごめん、あまりにも綺麗だったから、つい…」
とあまり悪びれていない勇次郎
とりあえず顔が熱い。
恥ずかしくて勇次郎のほうも見えないし
勇次郎に聞かれちゃうんじゃないかってくらい
心臓のドキドキがうるさい
紅くなった顔を見られたくなくて
頬を両手で包み、下を向く
勇次郎がなにか話しかけてるのに
聞ける余裕がなくてスルーしてしまう
しばらく沈黙が続いた
そして、しばらくすると花火大会が終わったようで
観客がざわざわと帰って行く音がした
勇次郎「ミリア?」
「……え?」
勇次郎「帰らないの?」
周りを見るとあんなにたくさんいた人が
もう半分くらいになっていた
「…あ、ごめん」
荷物を片付け、2人トボトボ歩いていると
目の前に泣いてる女の子と
困っているお父さんとお母さんらしき人がいた
パパ「もう泣かないで?そろそろ帰ろ?」
女の子「パパが先に唐揚げ買いに行くって言うから
金魚さんいなくなっちゃったんだよ!パパなんて大嫌い!」
ママ「あらあら…。」
パパ「ごめんってば〜。今度買ってあげるから!」
女の子「今欲しいの!!え〜んえ〜ん…。」
と泣いている女の子
どうやら金魚が欲しくて泣いてるらしい
私と勇次郎は目を合わせると
「あの〜、もし良かったらこの子達どうぞ」
女の子「……金魚さん!!!」
パパ「え、いいんですか?」
「はい。大切に育ててくれるのなら!どう?できるかな??」
女の子「うん!大切に育てる!」
「偉いね♡じゃあ、どうぞ。」
女の子「ありがとう♡」
さっきまであんなに泣いて困らせていた女の子は
あっという間に笑顔になっている
ママ「本当にありがとうございます」
「いえいえ♪じゃあ、ばいばい」
と女の子にばいばいをして別れた
また2人きりになってトボトボ歩き始める
勇次郎「金魚、良かったの?…欲しかったんでしょ?」
「うん。でもわたしには勇次郎くんが取ってくれたうさぎさんいるし、それに私は泣くほど金魚が欲しいわけではなかったから………まぁ、熱意の差?」
勇次郎「ふーん。じゃあ、もし僕がどれだけミリアのこと好きか熱意を見せたら、ミリアも僕のものになってくれる?」
「え…?どうかな……。まだちょっと気持ちが追いついてなくて…」
ごめんね。と呟けば
勇次郎「僕の方こそ、困らせてばっかりでごめん」
と返ってきた
また仮面を被っている勇次郎の表情が気になって
ヒュッと勇次郎の仮面を奪い取った
すると一瞬驚いた顔をした勇次郎は
なんだかすこし寂しそうに見えた
勇次郎「急になに?」
その表情を隠すようにわざと不機嫌な言葉で
不機嫌な顔を作っているように見える
「今日勇次郎くんの顔あんまり見てないなって思って」
勇次郎「…はぁ。僕は見てたよ?ミリアのこと」
「え?でもさ、狐面だと表情わかんないんだもん、ずるくない??」
勇次郎「はいはい。ずるくないずるくない。
それよりとっとと行くよ?」
と私の手をとって歩き始める
こんなひと時が続けばいいのに…
そう思っているのに
一歩踏み出せない自分がいる。
(勇次郎はこんなに、私のこと思ってくれてるのに…)
家まで送ってもらい、
「今日はありがとう♡」と伝えると
勇次郎は
「待つって言ったのに困らせてごめん」
とわたしに謝った
「……私こそ返事ができてなくてごめんね。
できるだけ早く答えを出さなきゃとは思ってるんだけど…」
勇次郎「いや、僕のほうこそごめん。急かすつもりはないんだ。ただ…ちょっと意識して欲しかっただけ。ごめん。」
「ううん。なんか2人して謝ってばっかだね。
今日すっごい楽しかったよ?ありがとう♡」
勇次郎「うん。僕も楽しかった。ありがとう。
じゃあ、またね」
と勇次郎は帰って行った
(ダイくんはこの前、無理して
返事しなくてもいいって言ってくれたけど…
やっぱり……
いつまでも待たせるわけにはいかないよね……)
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