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(リリアの物語)
「カタリナ様!」
そう嬉しそうに笑うティアを見て、リリアはそっと胸を撫で下ろした。
(学園生活にもだいぶ慣れてきたみたいね)
特別気にかけているわけではないが、少しティアのことを心配していたリリア。
だが最近は少し気になることがある。
カタリナとその取り巻きの視線が、やけに冷たい気がするのだ。
(気のせいかしら……)
そう気を取り直し、いつものようにカイトと一緒に帰ろうと、少し離れた場所からカイトに声をかけた。
『カイト〜!』
そう呼びかければ、カイトはティアと話をしていたようだ。こちらを向き、なぜかすごく悲しそうな表情をするティア。
(……え?)
「あ、リリア!」
『カイト、そろそろ帰ろ〜』
そう言えば、近くにいたカタリナが取り巻きを連れて、こちらにやってきた。
「リリア様、少しよろしいかしら」
リリアを見つめ、臆する事なく声をかけるカタリナ。
『え?何かしら』
「いくらリリア様と言えど、カイト様とティアの話の最中に割り込むのはどうかと思いますの」
『え?……あ、ごめんなさいね。お話し中だったのね。』
「ええ。わかっていただけたならよろしいの。でもまさかティアのことを、疎ましいと思っての行動ではないですわよね?」
『え?』
カタリナと、その取り巻きは鋭い瞳でリリアを睨みつけた。
それには流石のリリアも驚いた。
『え? どうしたの? みんな』
「いえ、あまりにもリリア様がティアに酷いと思いまして」
『え? 酷いって……?』
「カイト様とティアの話を遮ったり、ティアに酷いことを言ったり、嫌がらせしたりなどですわ」
『え?何それ。……何かの間違いじゃないかしら?』
「まさかシラを切るおつもりですか?」
そうカタリナが言えば周りの取り巻きたちは、一斉にリリアに向かって文句を言い始めた。
『え、ちょっと待って……』
状況が掴めず戸惑うリリア。
「きっと何かの間違いだよ」
そうリリアの肩を持つカイトに、ティアはついに泣き出してしまった。
「……カイト様。酷いですわ、私……、私……」
そう言って走り出すティア。
「……え?」
カイトはその様子を呆然と眺めていた。
そこにリアムとバロンがやってきた。
「追いかけた方がいいんじゃない?」
バロンは走り出したティアを指さし、カイトに言った。
リアムはそれを冷たい視線で眺めると
「……ほっとけば」
そう言い放った。
カイトは少し悩み、リリアの方を向いた。
「僕はリリィのこと信じてるからね」
カイトはそう言うとニッコリと微笑み、ティアを追っていった。
「はぁ。あんなのほっとけばいいのに」
「だめだよ、リアム。女の子には優しくしないと?」
「……ふん。」
「ところで……、リリアが嫌がらせしてたってほんと?誰か見た人はいるの?」
バロンの言葉にカタリナも、その取り巻きたちも一斉に黙った。
「……ですが、ティアは悩んでいましたわ」
カタリナがそう言えば、リアムは冷たく笑みを浮かべた
「悩んでたのは本当でも、それかティアの勘違いだったらどうするの?リリアはこの国の王女だよ?」
「それは……!」
「僕はね、今まで10年近くリリアと一緒にいて、リリアが人に意地悪をしたり、人が嫌がることをやったところを見たことがないんだ。だから僕は他の人がなんと言おうとリリアの事を信じるよ」
そう屈託のない笑顔で言えば、カタリナ達も何も言えなかった。
『バロン……。ありがとう』
「で、どうするわけ?この状態」
リアムが冷たい声でカタリナを睨む。
「今日のところは、一旦引き返しますわ。ですが、私はティアのことを信じています。いつか必ずあなたの悪事を暴いて見せますわ」
カタリナはそう宣言するとそそくさと退散して行った。
(……私、ティアの悲しむようなこと何かしたかしら)
いくら考えても答えは出なかった。
「リリア、気にしなくていいよ。僕はどんな時でも絶対に君の味方だからね」
こうゆう時にこうゆう事をサラッと言えてしまうバロンに、いつもリリアは心を持っていかれる。
こうゆうところがとてつもなく好きなのだ。暗くどんよりした気持ちから、あっという間にリリアの心をカラッと晴れた場所に連れていってくれる。
(バロンのおかげで私は笑っていられる……)
こう感じるのは今までで何回目だろう。
……もうわからなくなるほど救ってもらっているのだ。
『ありがとう』
そう笑えば、バロンは唐突にこう告げた。
「僕ね、ずっと前からリリアのことが好きなんだ。だから、命をかけても君のことを守ると誓うよ」
その瞬間、リリアは不覚にも泣き出してしまった。
嬉しい気持ちと、先程まで感じていた不安や動揺が一気に溢れ出してきた。
そんなリリアをバロンは優しく撫でる。まるでこの世で1番愛おしいものに触れているかのように、優しく。
『バロン、私も…………好き。……大好き!』
バロンはすごく驚いた。驚きすぎて、
「どうしよう、リアム……!! 僕、幻聴が聞こえた。リリアが僕のこと大好きって!いよいよ、僕やばいのかもしれない……!」
そう言われたリアムは呆れた顔をして
「うん。たぶん、本当にやばいと思う」
そう言って笑った。
『え!?待って待って!バロン、わたし本当にバロンが好きだよ?』
「リアム。ちょっと一発僕のこと殴ってくれない?」
「え? いいの?」
「うん」
そう言うとリアムは、遠慮なく本気で殴りかかる。
拳がバロンの頬に当たる! と思ったところで、バロンは瞬時にその拳を止めた。
「……なんで止めたの?」
「……つい反射的に? まさかこんなに本気で来ると思わなかったから。ねぇ、リアムってもしかして僕のこと嫌いだったりする!?」
「いや、別に。」
『……もう!2人とも何してるのよ!』
「あ、ごめんごめん!」
バロンは慌ててリリアの元へ向くと、リリアの前に手を差し出した。
「行こう、リリア」
リリアはバロンの瞳を見つめ、手を握った。
リアムは少し呆れたような、それでいて少し嬉しそうな顔でそんな様子を見つめていたーー……。
(リリアの物語)
「カタリナ様!」
そう嬉しそうに笑うティアを見て、リリアはそっと胸を撫で下ろした。
(学園生活にもだいぶ慣れてきたみたいね)
特別気にかけているわけではないが、少しティアのことを心配していたリリア。
だが最近は少し気になることがある。
カタリナとその取り巻きの視線が、やけに冷たい気がするのだ。
(気のせいかしら……)
そう気を取り直し、いつものようにカイトと一緒に帰ろうと、少し離れた場所からカイトに声をかけた。
『カイト〜!』
そう呼びかければ、カイトはティアと話をしていたようだ。こちらを向き、なぜかすごく悲しそうな表情をするティア。
(……え?)
「あ、リリア!」
『カイト、そろそろ帰ろ〜』
そう言えば、近くにいたカタリナが取り巻きを連れて、こちらにやってきた。
「リリア様、少しよろしいかしら」
リリアを見つめ、臆する事なく声をかけるカタリナ。
『え?何かしら』
「いくらリリア様と言えど、カイト様とティアの話の最中に割り込むのはどうかと思いますの」
『え?……あ、ごめんなさいね。お話し中だったのね。』
「ええ。わかっていただけたならよろしいの。でもまさかティアのことを、疎ましいと思っての行動ではないですわよね?」
『え?』
カタリナと、その取り巻きは鋭い瞳でリリアを睨みつけた。
それには流石のリリアも驚いた。
『え? どうしたの? みんな』
「いえ、あまりにもリリア様がティアに酷いと思いまして」
『え? 酷いって……?』
「カイト様とティアの話を遮ったり、ティアに酷いことを言ったり、嫌がらせしたりなどですわ」
『え?何それ。……何かの間違いじゃないかしら?』
「まさかシラを切るおつもりですか?」
そうカタリナが言えば周りの取り巻きたちは、一斉にリリアに向かって文句を言い始めた。
『え、ちょっと待って……』
状況が掴めず戸惑うリリア。
「きっと何かの間違いだよ」
そうリリアの肩を持つカイトに、ティアはついに泣き出してしまった。
「……カイト様。酷いですわ、私……、私……」
そう言って走り出すティア。
「……え?」
カイトはその様子を呆然と眺めていた。
そこにリアムとバロンがやってきた。
「追いかけた方がいいんじゃない?」
バロンは走り出したティアを指さし、カイトに言った。
リアムはそれを冷たい視線で眺めると
「……ほっとけば」
そう言い放った。
カイトは少し悩み、リリアの方を向いた。
「僕はリリィのこと信じてるからね」
カイトはそう言うとニッコリと微笑み、ティアを追っていった。
「はぁ。あんなのほっとけばいいのに」
「だめだよ、リアム。女の子には優しくしないと?」
「……ふん。」
「ところで……、リリアが嫌がらせしてたってほんと?誰か見た人はいるの?」
バロンの言葉にカタリナも、その取り巻きたちも一斉に黙った。
「……ですが、ティアは悩んでいましたわ」
カタリナがそう言えば、リアムは冷たく笑みを浮かべた
「悩んでたのは本当でも、それかティアの勘違いだったらどうするの?リリアはこの国の王女だよ?」
「それは……!」
「僕はね、今まで10年近くリリアと一緒にいて、リリアが人に意地悪をしたり、人が嫌がることをやったところを見たことがないんだ。だから僕は他の人がなんと言おうとリリアの事を信じるよ」
そう屈託のない笑顔で言えば、カタリナ達も何も言えなかった。
『バロン……。ありがとう』
「で、どうするわけ?この状態」
リアムが冷たい声でカタリナを睨む。
「今日のところは、一旦引き返しますわ。ですが、私はティアのことを信じています。いつか必ずあなたの悪事を暴いて見せますわ」
カタリナはそう宣言するとそそくさと退散して行った。
(……私、ティアの悲しむようなこと何かしたかしら)
いくら考えても答えは出なかった。
「リリア、気にしなくていいよ。僕はどんな時でも絶対に君の味方だからね」
こうゆう時にこうゆう事をサラッと言えてしまうバロンに、いつもリリアは心を持っていかれる。
こうゆうところがとてつもなく好きなのだ。暗くどんよりした気持ちから、あっという間にリリアの心をカラッと晴れた場所に連れていってくれる。
(バロンのおかげで私は笑っていられる……)
こう感じるのは今までで何回目だろう。
……もうわからなくなるほど救ってもらっているのだ。
『ありがとう』
そう笑えば、バロンは唐突にこう告げた。
「僕ね、ずっと前からリリアのことが好きなんだ。だから、命をかけても君のことを守ると誓うよ」
その瞬間、リリアは不覚にも泣き出してしまった。
嬉しい気持ちと、先程まで感じていた不安や動揺が一気に溢れ出してきた。
そんなリリアをバロンは優しく撫でる。まるでこの世で1番愛おしいものに触れているかのように、優しく。
『バロン、私も…………好き。……大好き!』
バロンはすごく驚いた。驚きすぎて、
「どうしよう、リアム……!! 僕、幻聴が聞こえた。リリアが僕のこと大好きって!いよいよ、僕やばいのかもしれない……!」
そう言われたリアムは呆れた顔をして
「うん。たぶん、本当にやばいと思う」
そう言って笑った。
『え!?待って待って!バロン、わたし本当にバロンが好きだよ?』
「リアム。ちょっと一発僕のこと殴ってくれない?」
「え? いいの?」
「うん」
そう言うとリアムは、遠慮なく本気で殴りかかる。
拳がバロンの頬に当たる! と思ったところで、バロンは瞬時にその拳を止めた。
「……なんで止めたの?」
「……つい反射的に? まさかこんなに本気で来ると思わなかったから。ねぇ、リアムってもしかして僕のこと嫌いだったりする!?」
「いや、別に。」
『……もう!2人とも何してるのよ!』
「あ、ごめんごめん!」
バロンは慌ててリリアの元へ向くと、リリアの前に手を差し出した。
「行こう、リリア」
リリアはバロンの瞳を見つめ、手を握った。
リアムは少し呆れたような、それでいて少し嬉しそうな顔でそんな様子を見つめていたーー……。