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(ティアの物語)
カイトを一目見てから、一瞬で恋に落ちたティア。
ティアは今日もカイトの元へと向かった。
『カイト様、おはようございます』
「ティア、おはよう」
いつも通り優しく微笑むカイトに、今日も胸のドキドキが治らない。
『カイト様!よろしければ今日……』
と話しかけるティアに、まるで被せるかのように
「カイト〜!ちょっとこっちきてー」
とリリアの声が響いた。
「あ、リリィ!今行くよ。ごめんね?」
そう言ってティアの元を去っていくカイト。
ティアはその姿を呆然と見つめていた。
また、ある時は……
『カイト様はお休みの日は何をしているのですか?』
「休みの日か、僕はーー……」
「カイトーー!早く家帰るよ〜」
「あ、ごめん。リリィが呼んでる!またね」
そう言い残し、リリアの元に行ってしまった
(……いつもいつも、どうして邪魔ばかり!!)
ティアは元々、リリアのことが好きではなかった。
だが、こうも毎回邪魔をされるとさらに印象は悪くなる。
ティアをイライラさせるのはこれだけではない。
カイトは口を開けば、リリアのことばかりなのだ。
今日だって、好きな食べ物の話をしていれば、リリィの作るアップルパイが1番美味しいと言うし、聞いてもいないのに、どうでも良いリリアの話ばかりを嬉しそうにしてくるのだ。
(なんでリリア様の話をしてる時ばかり、こんなに嬉しそうなのよ……!)
兄妹とわかっていても、結局仲睦まじく隣を歩くのを見れば、同い年の女の子に見えてしまう。恋なんてそんなものなのだ。邪魔をするものは全て敵。いわば悪役。
ティアにとってリリアは、悪役令嬢以外の何者でもなかった。
(許せない……)
リリアがバロンのことを想い、バロンからも想われている。それはすぐに見てとれた。
それなのにバロンだけでなく、カイトやリアムという美形3人組を連れて、まるでヒロイン気取りのリリアにティアは嫉妬をしていた。
そんな気持ちはどんどんと大きくなり、ついにティアは動き出したのだーー……。
ティアがまず始めたのは、味方をつけることだった。
人気者のリリアに今のまま、何かをしても勝ち目はないだろう……。そう考えたティアは、クラスの中でもリリア達以外のカーストの高い女子を味方につけることにしたのだ。
目をつけたのはカタリナ・ーー。カタリナは上流貴族の中でもトップ4に入るほどの名のある貴族の令嬢だ。
曲がったことが嫌いで、好き嫌いの激しい彼女は、味方につければだいぶ有利になる。ティアはそう思った。
『カタリナ様はいつも素敵なお洋服を着ていらっしゃいますね。この刺繍は、遥か遠いタリス王国の物でしょう?私もタリスの文化が大好きなのです』
「あら、あなたよく知ってるじゃない。下級貴族なのにすごいわね。私もタリス特有のこの刺繍はとても大好きよ」
『はい。私は文献で見たことがあるだけなのですが、タリスの刺繍を文献で見た時は心が躍りました。それをまさか実物で拝める日が来るとは……!今日は生まれてから、1番の幸せな日ですわ』
そう大袈裟に褒めるティアにカタリナは微笑んだ。
「ふふ、あなた随分と大袈裟ね。今度私のお屋敷に来るかしら?タリスの刺繍がたくさんあるのよ。それ以外にもタリスの宝石なんかもあるわ」
『わぁ!素敵です!ぜひお伺いしたいです!』
目をキラキラさせて話すティアを見て、カタリナはまるで可愛い妹のできた気持ちだった。
それからしばらくして、ティアはカタリナと随分仲良くなった。必然と周りから見るティアの印象も上がる。
そして、ティアはカタリナに言ったのだ。
『私……、気になるお方がいるのです……』
「あら、そうなの?お相手はどなた?」
『それが……』
顔を赤く染め、汐らしく口を閉ざすティアに、カタリナは楽しそうに微笑む。
「ふふ、ティアは可愛らしいわね。教えてくれたら私も協力してあげるわ」
『あ、ありがとうございます!ですが、私なんかとは、身分が違いすぎて……、私が好意を抱いていいお方では……』
「身分なんて関係ないわよ。ティアはとても素敵な女性よ。でも、身分が高いとなると……、もしかしてカイト様かしら?」
オロオロと顔を赤らめる姿を、肯定と取ったカタリナは嬉しそうに宣言する。
「ふふふ、私、ティアの恋を応援してさしあげますわ」
『ありがとうございます!とっても嬉しいです』
「そうね、なにか困ってることはあるかしら?」
『困っていること……ですか。あ……!いや、でも……』
「何かあるのね? 遠慮しないでいいのよ」
『いえ……、私の勘違いかもしれないので……』
「いいから、言ってみなさい?」
『それが……、リリア様の事なのですが……』
「リリア様がどうしたの?」
『私……、リリア様に、なんだか嫌われているように感じるのです……』
「そうなの?」
『はい……。私がカイト様に話しかけに行くたびに、リリア様が私とカイト様の間に割り込んで入って来ている気がするのです……。』
「あら、そうなの。あのリリア様が……。たまたまではなくて?」
『私も最初はそうだと思ったのですが、何度も頻繁にそのようなことがあって……。私、何か悪いことをしてしまったのでしょうか……』
そう涙を見せるティアに、カタリナは悲しそうな顔をした。
「そうね……。もしかしたらリリア様も、仲良しのカイト様を取られてしまうのが怖いのかもしれないわね。でも安心して。私はあなたの味方よ」
『カタリナ様!ありがとうございます』
ティアは涙で潤む瞳で笑った。
(ティアの物語)
カイトを一目見てから、一瞬で恋に落ちたティア。
ティアは今日もカイトの元へと向かった。
『カイト様、おはようございます』
「ティア、おはよう」
いつも通り優しく微笑むカイトに、今日も胸のドキドキが治らない。
『カイト様!よろしければ今日……』
と話しかけるティアに、まるで被せるかのように
「カイト〜!ちょっとこっちきてー」
とリリアの声が響いた。
「あ、リリィ!今行くよ。ごめんね?」
そう言ってティアの元を去っていくカイト。
ティアはその姿を呆然と見つめていた。
また、ある時は……
『カイト様はお休みの日は何をしているのですか?』
「休みの日か、僕はーー……」
「カイトーー!早く家帰るよ〜」
「あ、ごめん。リリィが呼んでる!またね」
そう言い残し、リリアの元に行ってしまった
(……いつもいつも、どうして邪魔ばかり!!)
ティアは元々、リリアのことが好きではなかった。
だが、こうも毎回邪魔をされるとさらに印象は悪くなる。
ティアをイライラさせるのはこれだけではない。
カイトは口を開けば、リリアのことばかりなのだ。
今日だって、好きな食べ物の話をしていれば、リリィの作るアップルパイが1番美味しいと言うし、聞いてもいないのに、どうでも良いリリアの話ばかりを嬉しそうにしてくるのだ。
(なんでリリア様の話をしてる時ばかり、こんなに嬉しそうなのよ……!)
兄妹とわかっていても、結局仲睦まじく隣を歩くのを見れば、同い年の女の子に見えてしまう。恋なんてそんなものなのだ。邪魔をするものは全て敵。いわば悪役。
ティアにとってリリアは、悪役令嬢以外の何者でもなかった。
(許せない……)
リリアがバロンのことを想い、バロンからも想われている。それはすぐに見てとれた。
それなのにバロンだけでなく、カイトやリアムという美形3人組を連れて、まるでヒロイン気取りのリリアにティアは嫉妬をしていた。
そんな気持ちはどんどんと大きくなり、ついにティアは動き出したのだーー……。
ティアがまず始めたのは、味方をつけることだった。
人気者のリリアに今のまま、何かをしても勝ち目はないだろう……。そう考えたティアは、クラスの中でもリリア達以外のカーストの高い女子を味方につけることにしたのだ。
目をつけたのはカタリナ・ーー。カタリナは上流貴族の中でもトップ4に入るほどの名のある貴族の令嬢だ。
曲がったことが嫌いで、好き嫌いの激しい彼女は、味方につければだいぶ有利になる。ティアはそう思った。
『カタリナ様はいつも素敵なお洋服を着ていらっしゃいますね。この刺繍は、遥か遠いタリス王国の物でしょう?私もタリスの文化が大好きなのです』
「あら、あなたよく知ってるじゃない。下級貴族なのにすごいわね。私もタリス特有のこの刺繍はとても大好きよ」
『はい。私は文献で見たことがあるだけなのですが、タリスの刺繍を文献で見た時は心が躍りました。それをまさか実物で拝める日が来るとは……!今日は生まれてから、1番の幸せな日ですわ』
そう大袈裟に褒めるティアにカタリナは微笑んだ。
「ふふ、あなた随分と大袈裟ね。今度私のお屋敷に来るかしら?タリスの刺繍がたくさんあるのよ。それ以外にもタリスの宝石なんかもあるわ」
『わぁ!素敵です!ぜひお伺いしたいです!』
目をキラキラさせて話すティアを見て、カタリナはまるで可愛い妹のできた気持ちだった。
それからしばらくして、ティアはカタリナと随分仲良くなった。必然と周りから見るティアの印象も上がる。
そして、ティアはカタリナに言ったのだ。
『私……、気になるお方がいるのです……』
「あら、そうなの?お相手はどなた?」
『それが……』
顔を赤く染め、汐らしく口を閉ざすティアに、カタリナは楽しそうに微笑む。
「ふふ、ティアは可愛らしいわね。教えてくれたら私も協力してあげるわ」
『あ、ありがとうございます!ですが、私なんかとは、身分が違いすぎて……、私が好意を抱いていいお方では……』
「身分なんて関係ないわよ。ティアはとても素敵な女性よ。でも、身分が高いとなると……、もしかしてカイト様かしら?」
オロオロと顔を赤らめる姿を、肯定と取ったカタリナは嬉しそうに宣言する。
「ふふふ、私、ティアの恋を応援してさしあげますわ」
『ありがとうございます!とっても嬉しいです』
「そうね、なにか困ってることはあるかしら?」
『困っていること……ですか。あ……!いや、でも……』
「何かあるのね? 遠慮しないでいいのよ」
『いえ……、私の勘違いかもしれないので……』
「いいから、言ってみなさい?」
『それが……、リリア様の事なのですが……』
「リリア様がどうしたの?」
『私……、リリア様に、なんだか嫌われているように感じるのです……』
「そうなの?」
『はい……。私がカイト様に話しかけに行くたびに、リリア様が私とカイト様の間に割り込んで入って来ている気がするのです……。』
「あら、そうなの。あのリリア様が……。たまたまではなくて?」
『私も最初はそうだと思ったのですが、何度も頻繁にそのようなことがあって……。私、何か悪いことをしてしまったのでしょうか……』
そう涙を見せるティアに、カタリナは悲しそうな顔をした。
「そうね……。もしかしたらリリア様も、仲良しのカイト様を取られてしまうのが怖いのかもしれないわね。でも安心して。私はあなたの味方よ」
『カタリナ様!ありがとうございます』
ティアは涙で潤む瞳で笑った。