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女の子なら誰もが憧れるであろうヒロインーー。
可憐で可愛らしく、誰からも愛される。
そして素敵な王子様と……
それはきっと女の子の誰もが、一度は願ったことがあるのではないだろうか?
そしてヒロインを虐める悪役……。
よく小説なんかではヒロインの恋敵として、優しく可愛いヒロインを虐めたりする。
そうだな……。この小説では悪役令嬢とでも言っておこうか。
"ヒロインと悪役令嬢……"
でもーー
それを決めるのは誰だろう。
神様?それとも……周りの人たち?
ここに2人のヒロイン、もしくは悪役令嬢がいた。
さぁ……、どちらが悪でどちらが正義なのだろう?
あなたは本物のヒロインを見極められるだろうか……?
ーー何百年も昔。それはまだこの国が、国として成り立っていない時のことーー
ジャック・カルロスという1人の青年がいた。
青年はサラサラとした金の髪に、燃えるようなオレンジの瞳を持つ、今の時代で言えばイケメンとでも言われる風貌をしていた。
ジャックは、一つだけ人とは違う能力を持っていた。
それは動物と話しができるということ。
その頃、この地域を仕切るものは誰もおらず、人々は各々が領地を拡大するために、どんどんと森を切り崩していった。
当然、森には何千と言う動物たちが住んでいた。
森を燃やされ、何百という動物が死んでしまった。
そして命からがら生き残った動物たちも、森を追われ住む場所を失った。
かく言う人々は領地を広げ、村をどんどん拡大していったのである。
だが、人々の幸せは束の間で、人間を恨んだ動物たちの襲撃を受けた。
当然の報いーー…。そう思うだろうか?
村では森を燃やした男たちだけではなく、村で生活をしていた女や子供など、何百人もが動物の襲撃を受け亡くなったーー。
それに心を痛めたジャックは、動物との和解に向け動き出す。
だが、それには数々の困難がついて回った。
いくらこちらに戦う気持ちがなくても、人間を恨む動物たちは、一切の手加減もなく襲いかかってくる。
だからジャックは、まず仲間を探した。勇敢で強い者。
そう、勇者とでも言われる存在を。
勇者はすぐに見つかった。
村1番の戦士であるウィリアム・キャンベル。
彼は金色の髪に翡翠の瞳をもつ、美しい青年だった。
ジャックは初めてウィリアムを見た時、こんなにも線の細い青年が、本当に村一番の戦士なのか…?と疑問に思った。
だが直後、村の襲撃を守る姿を見て、ジャックは圧巻した。軽やかな身のこなし、そして重たいはずの剣を簡単にも振り下す姿は、勇者そのものであった。
勇者ウィリアムには、なによりも愛おしい妻子がいた。
その美しい妻ミラベルは、まだ2歳の赤子を襲撃から守るために亡くなった。ウィリアムは泣いた。
まだ幼い我が子を抱き、どうしてもこの戦いを終わらせなければいけない、そう胸に誓ったのだ。
そして、動物語を話すことのできる青年・ジャックに出会い、2人は意気投合をすることになる。
その頃、天界ではその様子を天使が眺めていた。
天使の名前はミラ。
天使は美しかった。まだ生まれたばかりの天使だ。
そうはいっても、天に生まれてから17年ほど。
寿命のない天使にとっては、まだまだ赤ん坊の新米天使であった。
天使は森を追われた動物に同情をしながらも、
襲撃を受けている村の人々にも心を痛めていた。
「どうかこの戦いが早く終わりますようにーー」
そう願う毎日を送っていた。
ーー地上ではジャックとウィリアムが、この戦いを終わらせるため、動物たちの王に接近を試みたところだった。
何度も襲われそうになるジャックとウィリアム。
だがウィリアムの剣でそれは防がれた。
何百もの動物をかき分け、やっと動物の王と対面できたとき、彼らは神を恨んだ。
自分たちの2倍はあるであろう大きな身体を持つ獅子。
だがその大きな身体の半分を、酷い火傷で覆ったその身体は、すでに腐敗を始め、生きているのが不思議なほどだったからだ。
ジャックとウィリアムはその姿を見つめ、大きく声をあげて泣いた。そして、我々人間が申し訳ないことをしたと、動物王に頭を下げ、謝ったのだ。
動物王は言った。
「我が死ねば、何万といる動物たちは人間を許すことはないであろう……。
我がいかに動物たちを説得しても、復讐の相手がいかに慈悲深い心を持った人間であろうとも、やつらには関係はないーー…。
すまないな、青年たちよ。我にもう動物たちを止められる力はないのだ……」
「そんな……」
崩れ落ちるジャック。
それからというもの、いくら模索しても糸口の見つからない難問を追い続けるジャックは、次第に見るも無惨にやつれていった。
美しかった金色の髪は色が抜けて白くなり、頰もこけ、かつての美しかった青年はどこに行ったのかと思うほどに変わり果ててしまった。
そんな様子を天界で眺めていた天使・ミラ。
ミラは神にお願いをして地上に降ろしてもらうことにした。
そして、天使の姿のままジャックの元へ向かった。
ジャックは天使を初めて見たとき、あまりの美しさに心を強く惹かれた。
天使は言った。
「動物王のもとにわたしを連れていって」
言われるがまま、ウィリアムと一緒に動物王の元に向かうジャック。
動物王の元に着けば、天使は祈りの唄を歌った。
あたりはキラキラと輝きを持ち始め、動物王の負傷した身体はみるみるうちに治り、変わり果てたはずのジャックの姿も、元の美しい青年の姿に輝きを取り戻したのだ。
そこにいた動物たちは皆、動物王の復活に涙を流した。動物王の復活はすぐに、全ての動物たちに伝わった。
そして動物王とジャックは、動物と人間の間で協定を結んだ。
領地を切り分け、お互いに必要以上の干渉をしないこと
。不必要な殺傷はしないこと。
たった2つの約束だが、これによりたくさんの動物と人間が守られることになったのだーー…。
ジャックは声高らかに言った。
「ジャック・カルロイーー
私はこの命全てを賭け、動物王との約束守らせていただく」
そう言うジャックは輝きを放ち
その瞬間、天使・ミラは恋に落ちたのだったーー…。
女の子なら誰もが憧れるであろうヒロインーー。
可憐で可愛らしく、誰からも愛される。
そして素敵な王子様と……
それはきっと女の子の誰もが、一度は願ったことがあるのではないだろうか?
そしてヒロインを虐める悪役……。
よく小説なんかではヒロインの恋敵として、優しく可愛いヒロインを虐めたりする。
そうだな……。この小説では悪役令嬢とでも言っておこうか。
"ヒロインと悪役令嬢……"
でもーー
それを決めるのは誰だろう。
神様?それとも……周りの人たち?
ここに2人のヒロイン、もしくは悪役令嬢がいた。
さぁ……、どちらが悪でどちらが正義なのだろう?
あなたは本物のヒロインを見極められるだろうか……?
ーー何百年も昔。それはまだこの国が、国として成り立っていない時のことーー
ジャック・カルロスという1人の青年がいた。
青年はサラサラとした金の髪に、燃えるようなオレンジの瞳を持つ、今の時代で言えばイケメンとでも言われる風貌をしていた。
ジャックは、一つだけ人とは違う能力を持っていた。
それは動物と話しができるということ。
その頃、この地域を仕切るものは誰もおらず、人々は各々が領地を拡大するために、どんどんと森を切り崩していった。
当然、森には何千と言う動物たちが住んでいた。
森を燃やされ、何百という動物が死んでしまった。
そして命からがら生き残った動物たちも、森を追われ住む場所を失った。
かく言う人々は領地を広げ、村をどんどん拡大していったのである。
だが、人々の幸せは束の間で、人間を恨んだ動物たちの襲撃を受けた。
当然の報いーー…。そう思うだろうか?
村では森を燃やした男たちだけではなく、村で生活をしていた女や子供など、何百人もが動物の襲撃を受け亡くなったーー。
それに心を痛めたジャックは、動物との和解に向け動き出す。
だが、それには数々の困難がついて回った。
いくらこちらに戦う気持ちがなくても、人間を恨む動物たちは、一切の手加減もなく襲いかかってくる。
だからジャックは、まず仲間を探した。勇敢で強い者。
そう、勇者とでも言われる存在を。
勇者はすぐに見つかった。
村1番の戦士であるウィリアム・キャンベル。
彼は金色の髪に翡翠の瞳をもつ、美しい青年だった。
ジャックは初めてウィリアムを見た時、こんなにも線の細い青年が、本当に村一番の戦士なのか…?と疑問に思った。
だが直後、村の襲撃を守る姿を見て、ジャックは圧巻した。軽やかな身のこなし、そして重たいはずの剣を簡単にも振り下す姿は、勇者そのものであった。
勇者ウィリアムには、なによりも愛おしい妻子がいた。
その美しい妻ミラベルは、まだ2歳の赤子を襲撃から守るために亡くなった。ウィリアムは泣いた。
まだ幼い我が子を抱き、どうしてもこの戦いを終わらせなければいけない、そう胸に誓ったのだ。
そして、動物語を話すことのできる青年・ジャックに出会い、2人は意気投合をすることになる。
その頃、天界ではその様子を天使が眺めていた。
天使の名前はミラ。
天使は美しかった。まだ生まれたばかりの天使だ。
そうはいっても、天に生まれてから17年ほど。
寿命のない天使にとっては、まだまだ赤ん坊の新米天使であった。
天使は森を追われた動物に同情をしながらも、
襲撃を受けている村の人々にも心を痛めていた。
「どうかこの戦いが早く終わりますようにーー」
そう願う毎日を送っていた。
ーー地上ではジャックとウィリアムが、この戦いを終わらせるため、動物たちの王に接近を試みたところだった。
何度も襲われそうになるジャックとウィリアム。
だがウィリアムの剣でそれは防がれた。
何百もの動物をかき分け、やっと動物の王と対面できたとき、彼らは神を恨んだ。
自分たちの2倍はあるであろう大きな身体を持つ獅子。
だがその大きな身体の半分を、酷い火傷で覆ったその身体は、すでに腐敗を始め、生きているのが不思議なほどだったからだ。
ジャックとウィリアムはその姿を見つめ、大きく声をあげて泣いた。そして、我々人間が申し訳ないことをしたと、動物王に頭を下げ、謝ったのだ。
動物王は言った。
「我が死ねば、何万といる動物たちは人間を許すことはないであろう……。
我がいかに動物たちを説得しても、復讐の相手がいかに慈悲深い心を持った人間であろうとも、やつらには関係はないーー…。
すまないな、青年たちよ。我にもう動物たちを止められる力はないのだ……」
「そんな……」
崩れ落ちるジャック。
それからというもの、いくら模索しても糸口の見つからない難問を追い続けるジャックは、次第に見るも無惨にやつれていった。
美しかった金色の髪は色が抜けて白くなり、頰もこけ、かつての美しかった青年はどこに行ったのかと思うほどに変わり果ててしまった。
そんな様子を天界で眺めていた天使・ミラ。
ミラは神にお願いをして地上に降ろしてもらうことにした。
そして、天使の姿のままジャックの元へ向かった。
ジャックは天使を初めて見たとき、あまりの美しさに心を強く惹かれた。
天使は言った。
「動物王のもとにわたしを連れていって」
言われるがまま、ウィリアムと一緒に動物王の元に向かうジャック。
動物王の元に着けば、天使は祈りの唄を歌った。
あたりはキラキラと輝きを持ち始め、動物王の負傷した身体はみるみるうちに治り、変わり果てたはずのジャックの姿も、元の美しい青年の姿に輝きを取り戻したのだ。
そこにいた動物たちは皆、動物王の復活に涙を流した。動物王の復活はすぐに、全ての動物たちに伝わった。
そして動物王とジャックは、動物と人間の間で協定を結んだ。
領地を切り分け、お互いに必要以上の干渉をしないこと
。不必要な殺傷はしないこと。
たった2つの約束だが、これによりたくさんの動物と人間が守られることになったのだーー…。
ジャックは声高らかに言った。
「ジャック・カルロイーー
私はこの命全てを賭け、動物王との約束守らせていただく」
そう言うジャックは輝きを放ち
その瞬間、天使・ミラは恋に落ちたのだったーー…。
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