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「リリア!どこ行くの〜?」
『え?中庭のお花に水をあげに行くのよ』
「僕も着いていっていい?」
『良いけど、バロンってお花好きだっけ?』
「え〜?好きだよ〜?」
『そうなんだ。そう言えばバロンのお家のお庭も、お花が綺麗だもんね!』
「あれは、父さんの趣味みたいなものだけどね〜」
「そうなんだ」
2人が中庭に着けば、そこには先客がいた。
美しい花々に話しかける姿はまるで天使のように見える。
『聖女様……』
「あ!リリア様にバロン様!」
「聖女様はこんなとこで何してるの〜?」
「私は、ここで元気のないお花にお祈りを捧げていたのです」
『お祈り?』
「はい。こうやって……」
そういうと両手を胸の前で握りしめ、祈りのポーズをすると、瞳を閉じて何かを呟く聖女・ティア。
すると先ほどまで元気の無かった花達が急に輝きを取り戻した。
『わぁ、すごいわね!』
「本当だぁ〜!」
そう褒めれば聖女は顔を赤く染めた。
「ありがとうございます。」
「ねぇ、リリア見てみて〜。この花リリアにすっごい似合うと思う〜!」
そう言って白い薔薇に手を伸ばす。
『あ、バロン、それは!』
「……痛っ!」
リリアが止めようとするものの一足遅く、バロンは薔薇の棘で手に怪我をしてしまった。
『大丈夫?』
「大丈夫だよ、これくらい」
「大丈夫ではないです!僅かな怪我でもそこから細菌などに感染すれば、膿んでしまいますわ!」
そう言うと聖女は、バロンの怪我をした人差し指を握り、祈りを捧げた。
すると赤く血の出ていた傷口は、あっという間にに塞がり、完璧な元の姿に戻った。
「わぁ!聖女様、ありがとう」
『さすが聖女様ね』
「いえ、これくらい大したことでは……」
「あ!そうだ。リリアこれつけても良い?」
そう言ってバロンは、先程取った白い薔薇の花をリリアの髪の毛に飾る。
「わぁ!やっぱりすっごい似合うよ!」
『あ、ありがとう』
頰を赤く染めるリリアに満足げなバロン。
そしてそんな2人を冷めた瞳で見つめる聖女・ティア。
「そう笑っていられるのも今だけよ」
小さく呟く声は、風の音と共に消えていく。
「それでは私はこれで失礼致しますわ。」
『あ、ありがとう。お花の水やりもやってくれたんでしょう?』
「ええ。私もお花が好きですので」
そう言ってティアは立ち去った。
「ほら、僕たちももう行こう。きっとカイトとリアムが待ってるよ!」
『あ…、そうね!』
リリアとバロンが中庭を出ていけば、先程聖女が元気にした花々はどんどんと元気が無くなっていき、ついには枯れ落ちてしまった。
だがそれに気付くものは居ないーー。
バロンと共にクラスに着けば、今日もリリアの元には女子生徒が集まる
「リリア様、ごきげんよう。今日もお美しいですわ」
「本当ですわ。まるで天使のようですわね」
「うんうん!リリアはいつ見ても綺麗で可愛いよね」
バロンはそんな女子生徒の会話に乗って入る。
そんなバロンの様子に、女子生徒たちは感嘆の声を上げた。
『バロン!もう、からかわないでよ』
と言いつつも顔を赤くするリリアは、誰から見ても可愛いだろう。
そんな様子を遠目から見ていたカイトとリアム。
「早くくっついちゃえばいいのに」
「まぁ……、そうだな。」
「可愛い妹が誰かに取られるのは嫌かい?」
「どうだろうな。まぁ、だがバロンなら信頼しているし……」
複雑な顔をするカイトを見つめ、リアムはボソッと
「カイトって結構シスコンだったりするよね」
と言い放った。
「え!?俺がシスコン?そうか?」
「うん。だいぶ。でも、家族を大切に思うことは悪いことではないよ。」
「……そう、だよな」
まるでそう言い聞かせているようなカイトを見つめ、リアムは微笑んだ。
ところ変わって、ここはリリアの部屋ーー。
既にお風呂に入り、寝衣に着替えたリリアの髪をとかすのは、メイドのアリア。
「リリア様、バロン様とはその後どうなったのでしょうか?」
『それが……何の進展もないの〜!!』
リリアはそう言ってアリアに泣きついた。
「何故ですか!あんなに良い感じなのに!!」
アリアはリリアよりも一つ年下の、リリア専属のメイドである。黒髪ボブで真紅の瞳の彼女は、とてもしっかりものに見える見た目をしている。……のだが、実はかなりの天然で、いつもドジばかりだ。
だがリリアと共に過ごしてきた時間は長く、リリアはアリアのことを本物の妹のように慕っている。
そしてそれはアリアも同様だった。日々リリアのお世話をしながら、こうやってリリアの恋バナを聞くのがアリアの楽しみの一つだ。
『本当!なんで全然進展しないのかしら……!』
「リリア様!弱気になってはいけません!」
『そうだけど……』
「リリア様の良さはこのアリアが1番良く知っております!」
『アリア〜!ありがとう。』
「私は、バロン様もリリア様のことがお好きなのだと思うのですが……。もうこの際、リリア様からバロン様に直接伺ってみたらどうでしょう?」
『ええ!?そんなことできたら苦労しないわよ』
「そうですか……」
そして恋バナをしながら今日も夜は更けていく……。
「リリア!どこ行くの〜?」
『え?中庭のお花に水をあげに行くのよ』
「僕も着いていっていい?」
『良いけど、バロンってお花好きだっけ?』
「え〜?好きだよ〜?」
『そうなんだ。そう言えばバロンのお家のお庭も、お花が綺麗だもんね!』
「あれは、父さんの趣味みたいなものだけどね〜」
「そうなんだ」
2人が中庭に着けば、そこには先客がいた。
美しい花々に話しかける姿はまるで天使のように見える。
『聖女様……』
「あ!リリア様にバロン様!」
「聖女様はこんなとこで何してるの〜?」
「私は、ここで元気のないお花にお祈りを捧げていたのです」
『お祈り?』
「はい。こうやって……」
そういうと両手を胸の前で握りしめ、祈りのポーズをすると、瞳を閉じて何かを呟く聖女・ティア。
すると先ほどまで元気の無かった花達が急に輝きを取り戻した。
『わぁ、すごいわね!』
「本当だぁ〜!」
そう褒めれば聖女は顔を赤く染めた。
「ありがとうございます。」
「ねぇ、リリア見てみて〜。この花リリアにすっごい似合うと思う〜!」
そう言って白い薔薇に手を伸ばす。
『あ、バロン、それは!』
「……痛っ!」
リリアが止めようとするものの一足遅く、バロンは薔薇の棘で手に怪我をしてしまった。
『大丈夫?』
「大丈夫だよ、これくらい」
「大丈夫ではないです!僅かな怪我でもそこから細菌などに感染すれば、膿んでしまいますわ!」
そう言うと聖女は、バロンの怪我をした人差し指を握り、祈りを捧げた。
すると赤く血の出ていた傷口は、あっという間にに塞がり、完璧な元の姿に戻った。
「わぁ!聖女様、ありがとう」
『さすが聖女様ね』
「いえ、これくらい大したことでは……」
「あ!そうだ。リリアこれつけても良い?」
そう言ってバロンは、先程取った白い薔薇の花をリリアの髪の毛に飾る。
「わぁ!やっぱりすっごい似合うよ!」
『あ、ありがとう』
頰を赤く染めるリリアに満足げなバロン。
そしてそんな2人を冷めた瞳で見つめる聖女・ティア。
「そう笑っていられるのも今だけよ」
小さく呟く声は、風の音と共に消えていく。
「それでは私はこれで失礼致しますわ。」
『あ、ありがとう。お花の水やりもやってくれたんでしょう?』
「ええ。私もお花が好きですので」
そう言ってティアは立ち去った。
「ほら、僕たちももう行こう。きっとカイトとリアムが待ってるよ!」
『あ…、そうね!』
リリアとバロンが中庭を出ていけば、先程聖女が元気にした花々はどんどんと元気が無くなっていき、ついには枯れ落ちてしまった。
だがそれに気付くものは居ないーー。
バロンと共にクラスに着けば、今日もリリアの元には女子生徒が集まる
「リリア様、ごきげんよう。今日もお美しいですわ」
「本当ですわ。まるで天使のようですわね」
「うんうん!リリアはいつ見ても綺麗で可愛いよね」
バロンはそんな女子生徒の会話に乗って入る。
そんなバロンの様子に、女子生徒たちは感嘆の声を上げた。
『バロン!もう、からかわないでよ』
と言いつつも顔を赤くするリリアは、誰から見ても可愛いだろう。
そんな様子を遠目から見ていたカイトとリアム。
「早くくっついちゃえばいいのに」
「まぁ……、そうだな。」
「可愛い妹が誰かに取られるのは嫌かい?」
「どうだろうな。まぁ、だがバロンなら信頼しているし……」
複雑な顔をするカイトを見つめ、リアムはボソッと
「カイトって結構シスコンだったりするよね」
と言い放った。
「え!?俺がシスコン?そうか?」
「うん。だいぶ。でも、家族を大切に思うことは悪いことではないよ。」
「……そう、だよな」
まるでそう言い聞かせているようなカイトを見つめ、リアムは微笑んだ。
ところ変わって、ここはリリアの部屋ーー。
既にお風呂に入り、寝衣に着替えたリリアの髪をとかすのは、メイドのアリア。
「リリア様、バロン様とはその後どうなったのでしょうか?」
『それが……何の進展もないの〜!!』
リリアはそう言ってアリアに泣きついた。
「何故ですか!あんなに良い感じなのに!!」
アリアはリリアよりも一つ年下の、リリア専属のメイドである。黒髪ボブで真紅の瞳の彼女は、とてもしっかりものに見える見た目をしている。……のだが、実はかなりの天然で、いつもドジばかりだ。
だがリリアと共に過ごしてきた時間は長く、リリアはアリアのことを本物の妹のように慕っている。
そしてそれはアリアも同様だった。日々リリアのお世話をしながら、こうやってリリアの恋バナを聞くのがアリアの楽しみの一つだ。
『本当!なんで全然進展しないのかしら……!』
「リリア様!弱気になってはいけません!」
『そうだけど……』
「リリア様の良さはこのアリアが1番良く知っております!」
『アリア〜!ありがとう。』
「私は、バロン様もリリア様のことがお好きなのだと思うのですが……。もうこの際、リリア様からバロン様に直接伺ってみたらどうでしょう?」
『ええ!?そんなことできたら苦労しないわよ』
「そうですか……」
そして恋バナをしながら今日も夜は更けていく……。