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ー勇次郎sideー
昨日ミリアちゃんに告白した
ほんとはずっと隠しているつもりだったのにー。
ーーーーーー。
やけに仕事が長引いて
(遅くなっちゃったな…)
と家に向かう途中
「ねぇ、キミ超かわいいね!一緒に遊び行こうよ」
「…ごめんなさい、私未成年なので」
「ちょっとくらい大丈夫大丈夫!行こうよ〜」
と、変な奴に絡まれているキミを見つけた
とっさに、
「僕の彼女に何か用ですか?」
と声をかけた
「勇次郎くん。」
「おいで、怖かったね」
と肩を抱き寄せた
「なんだよ、彼氏持ちかよ」
と男はどこかへ行った。
正直すごくイライラした。
(なんでこんな時間に1人で帰ってるの?
なんでいつもそんなに無防備なの?)
「…勇次郎くん。ごめんね、ありがとう」
そう言った彼女に
「こんな時間に1人で外歩くなんてバカなの?
もし僕がいなかったらどうなってたと思ってるの?」
と強く当たってしまう
「ごめんね…」
そんな顔させたいわけじゃないのに…
「…はぁ。僕もごめん。
心配でつい、きつく言っちゃって」
「ううん。大丈夫。勇次郎くんは仕事終わり?」
「そうだよ。危ないから送ってくよ」
「え、疲れてるのに悪いよ…」
この言葉を聞いて
全然わかってない!
と無性にイライラがつのる
「僕の話聞いてた?こんな夜遅くに
女の子が1人で歩くなんて危なすぎる
もっと危機感持ちなよ」
もっと優しく言えたらいいのに
今日僕を避けていた君に…
違うな、
避けられてしまうような事をしてしまった自分に
今日一日ずっとイライラしていたんだ。
「…うん。ごめんなさい」
「……はぁ。
これからもし夜遅くなるんだったら
僕に連絡して。
そしたら迎えに行くから。」
「いやいや、それは勇次郎くんに申し訳なさすぎる」
いつも遠慮ばかりの君。
どうして僕の気持ちをわかってくれないの?
「…はぁ。好きな子が知らない男に連れてかれる
男の気持ちわかる?」
「……え、?」
つい、口から出てしまった本音に
彼女はポカンとしていた
「…だから、僕は君のことが
女の子として好きってこと」
顔を染めた彼女に
僕もきっと紅く染まっていると思う
「あ、あ…ありがとう」
恥ずかしくなって
「ほら、行くよ」
と手を繋いだ
「ねぇ、ちょっと公園で話せる?」
告白してしまったのだから
いっそのこと全て話そうと思った
「うん…。」
「ありがとう。」
夜の公園なんて初めて来たな。
ブランコに座る彼女に
自販機で買ったココアを渡す
「…ありがとう」
(…ふぅ。まずは昨日のこと謝らなきゃ)
「あのね、ミリアちゃん。
昨日は君のことからかったりして本当にごめん」
「…うん。」
「僕、ミリアちゃんのこと
中学の頃からずっと好きだったんだ。」
「え?そうなの?」
驚く顔に、
やっぱり全然気づいてなかったのかと
少しなんとも言えない気持ちになる
「うん。中学の時さ、
みんなが僕を染谷家の長男として見てて
正直僕の存在価値なんてないと思ってた
でもミリアちゃんが
家柄とか関係なく
勇次郎くんは勇次郎くんでしょ?
って言ってくれたときがあって
それがすごく嬉しかった。」
「…うん。」
真っ直ぐ、僕の話を聞いてくれるキミ
「君が芸能界に入った時
クラスの女子に調子乗ってるとか言われて
教科書隠されてたの、
実は途中から気付いてて
それでも負けずに笑う君にかっこいいなって
ずっと思ってた。
君はいつのまにか転校しちゃって
伝えられなかったし
守ることができなかったけど
次会うことが出来たら、今度こそ
僕が君のこと守ろうってずっと思ってたんだ」
「そうだったんだ…全然知らなかった」
「好きなんだ。君のことがずっと」
真剣な目でキミを見つめる
「ありがとう。でも、私…」
彼女の目から
…ポツンと涙が溢れた
止まらない涙に、動揺する僕
泣かせてしまった…。
(そんなに、辛い想いをさせてしまったのだろうか…)
「…ご、めん、わた、し…」
一生懸命何かを伝えようとしてくれる君
でも肝心な言葉は
涙で消えてしまって僕には届かなくて、
「え、?大丈夫?
そんなに気負わないで…
僕は大丈夫だから。
僕の方こそ急にこんなこと言ってごめん、」
悲しい顔をしている君に謝った
どうしていいかわからずに、
「…泣かせてしまってごめんね。
もう遅いし、家に帰った方がいい…」
と少し突き放してしまうようなセリフを吐いてしまう
「…う、」
頷くのが精一杯な彼女の手を握り
夜道を歩いた
しばらく歩くとアパートについた
「ありがとう…」
彼女は小さな声で呟くと
また少し泣き出しそうな顔をしていた
そんなキミを見て
僕はキミの涙を拭うことしかできなかった
泣かせてしまった罪悪感と
どこか拒絶されたような悲しみに
(君に関わるのはもう最後になるかもしれない…)
そんな気持ちで
頭をポンポンと2回撫でて
「じゃあね」と言った
苦しそうな彼女を見るのは
僕も辛くて
だけど、
彼女が家に入るまでしっかり見届けた
家に帰って考える
君のこと。
僕のこと。
泣いてしまった顔がずっと脳裏から離れないー