SWEET HOLIDAY
name change
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もんじゃ焼きを完食し鉄板焼店を出た一同は、まだ遊び足りねえ!という主に幽助の意見によりまたゲームセンターを訪れていた。
「みんな元気だね~」
名前はゲーセンで騒ぐ幽助、桑原、飛影を遠くから見て呟く。
彼女と蔵馬は共に隅におかれたベンチに座っていた。
(蔵馬と二人っきりになれて嬉しいけど…心臓が破裂しそう)
少し手を伸ばせば触れあう位置に蔵馬がいて、名前の胸の高鳴りは止まらない。
でも、やっぱり名前は嬉しい。今日はあまり蔵馬と話せなかったから…
どうも蔵馬の前だと緊張してしまい、名前は彼より幽助や桑原、飛影に話しかけてしまうのだ。
待ち合わせの際蔵馬と二人きりになった時も、ドキドキして、胸が苦しくて…
嬉しい気持ちとは裏腹に、早くほかの三人に来てほしいと願ってしまっていた。
だから桑原が到着した時には、どこかホッとしたものだ。
「いいの?名前は混ざらなくて」
蔵馬が指さしたのは、UFOキャッチャーをする幽助たち。
飛影は初めて見るマシンに興味津々らしく、食いいるように幽助と桑原のプレーを見つめている。
「私はもう遊び疲れたし!ここで座っときたいんだ」
「でもまだ少し遊ぶくらいの元気はあるだろ?オレに気を遣わなくていいよ」
「別に気を遣ってるわけじゃなくて…」
“ただ、蔵馬と一緒にいたいだけ”
その言葉を名前は飲み込む。
まるで名前と一緒にいたくないみたいに、一人にしてくれとでもいうように…
突き放すような蔵馬の言い草に、名前は傷ついた。
(蔵馬はいつも何を考えてるのかわからない。私のことは、どう思ってるの…?)
蔵馬の発言の真意が分からず、思い悩む名前。
(悩んでばかりじゃ何も変わらない。見込みはなくても、勇気を出さなきゃ…)
決心すると、名前はぐっと膝の上においた手を握った。
「だって、蔵馬と一緒にいたいから」
声は震えつつも、はっきりと言った名前。
「え?」
彼女の言葉が意外だったらしく、間の抜けた声を出した後、蔵馬は目を見開いたまま動かない。
自分がこんなにも勇気を出して言ったのに…
まだ名前の気持ちを理解していないであろう蔵馬に、彼女は軽く苛立った。
「だから!私は蔵馬がすきだから!一緒にいたいと思ったの!そういう理由で遊ばないのはダメ!?」
言った後、ハッと名前は口をふさぐ。
(私、今、すきって言っ…!)
ありえない。
ゲームセンターなんて場所で、話の流れで口走って伝えたい言葉じゃなかったのに。
最低最悪の大失態に、名前は目線を下げたまま蔵馬の顔が見れなかった。
「フ…フフ…」
蔵馬が声を抑えて笑っているのが聞こえ、思わず顔を上げる名前。
「な、なんで笑ってるの!?ひどいよ!」
「ごめんごめん。名前が可愛くてさ…」
蔵馬の口から出た“可愛い”という単語に、名前は固まる。
「からかってるの…?」
「違うよ」
蔵馬が笑うのをやめ、まっすぐ真剣な瞳を名前に向ける。
「すごく嬉しい。名前は幽助や桑原君、飛影といる時の方が楽しそうだったから…
オレのことをそんな風に想ってくれているなんて思いもよらなかった。
プリクラの件だって、オレは名前に男としてみられてないのかな、と思ったしね」
先程名前に幽助らと遊ぶよう勧めたのも、本心では彼女は彼らと一緒にいたいだろうと思ったからで。
名前の好きな人は幽助か飛影だろうと蔵馬は信じて疑わなかったのだ。
「くら、ま…」
蔵馬からの熱い瞳で見つめられ、名前はそれ以上何も言えなくなる。
「じゃ、抜けますか」
そう言って立ち上がった蔵馬。
名前の手をひき、ゲームセンターから外へ出ていこうとする。
「え!?でも幽助たちが…」
名前が後ろを振り返るが、蔵馬はさも気にする必要はないという感じで出口に向かい進んでいく。
「ていうか…あの、返事は…」
今しがたの蔵馬のセリフからすれば期待してもいいのだろうか…と名前は考えるが、決定的なことを蔵馬からまだ何も言われていない。
「こんなムードもクソもない場所で、オレに言わせるつもり?」
「~~っ」
ついさっきそんな場所で告白をしてしまった名前に、蔵馬はいじわるなセリフをニッコリと笑顔で言ってのける。
何も言えなくなった名前を見て、クスッと蔵馬は柔らかい微笑みをこぼす。
彼女への愛情が溢れた…そんな微笑みを。
本当に、蔵馬はわからない。
他人の感情や策略はお見通しなのに、自分によせられる好意には鈍感。
知的で頭は切れるくせして、人をからかうのが好きときた。よく飛影なんかは餌食になってるよね。
何を考えてるのか読めなくて、敵にまわしたらちょっと…いやかなりコワイ。
その上昔は極悪非道の妖狐だったというし、できすぎてるくらい蔵馬って謎だ。
でも。だから…
もっともっと、知りたくなるの。
誰も入ったことのない蔵馬の奥に触れることができるのが、私だけでありますように。
そんな願いをほのかに抱きながら、名前は蔵馬と手を繋いで夜空の下へと出ていった。
彼から彼女に“すき”の流れ星がおくられるまで、あと5分。
*蔵馬END*
