バトル・オブ・バトラー!
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※長編夢の番外編ですが、本編未読でも読めます。
「浦飯! おい浦飯!」
しきりに自分を呼ぶ大声に、ふ、と覚醒していく意識。
なんでコイツがここにいんだよ……と苛立ちを感じつつ、身体を起こすのが億劫で幽助はガンとして瞼を閉じ続けた。
「さっさと起きろ浦飯ィ!」
「うるせーな桑原!」
耳元で叫ばれ、たまらずがば、と起き上がる。
目の前には鬼の形相の桑原。その背後で広がる光景に、幽助はパチパチと瞬きを繰り返した。
「なんだ、どこだここ?」
たしかラーメン屋台の仕事の前に一眠りしようと、自室で昼寝をしていたはず。
しかし、目覚めた幽助がいたのは見知らぬヨーロピアン調の豪華な部屋だった。
床は赤い絨毯で覆われており、今の今まで幽助が横になって寝ていたソファを含め、質の良さそうなクラシック家具で部屋は彩られている。
「ふざけんじゃねェぞ浦飯! なんでテメーがお嬢様の部屋で寝てんだ!」
「おじょっ……?」
ぐいっと胸ぐらをつかまれ、強制的にソファから立ち上がらされた幽助。
今のは聞き間違いではあるまいかと、桑原の口から飛び出したまさかの単語に言葉を失う。
「勤務中に居眠りとは感心しませんね、幽助」
「バトラーの風上にも置けん奴だ」
「バトラー……? つーかオメーらなんだそのカッコは!」
ため息をついて現れた蔵馬と飛影にも、大声で幽助はツッコむ。
桑原、蔵馬、飛影の三人は一様に黒のタキシードを着ていた。
「頭でも打ったか」
「貴方が着ているものと同じですよ」
「あっ!?」
視線を下げれば、自分も三人と揃いのタキシードを着ているではないか。
どうりで動きにくいわけだと、驚きつつも合点する幽助である。
「どうしたの、騒々しい」
「名前! こりゃどーいうことだ!?」
ひょこっと部屋の扉を開けて顔を覗かせたのは、上品なワンピースに身を包んだ名前だった。
説明を求め叫んだ幽助の頭を、間髪入れず桑原がはたく。
「いってーな桑原!」
「お嬢様に対してなんつー口の利き方だ浦飯! 蔵馬と飛影にも言えることだがよ!」
「いいんだよ桑ちゃん。気さくに接してって前から桑ちゃんにも言ってるじゃない」
ガミガミ怒鳴っている桑原を、穏やかに名前がなだめる。
「この執事・桑原! 畏れ多くもお嬢様を呼び捨てになど出来ません!」
胸を張って宣言した桑原に、幽助の目が点になる。
「ギャハハハハ! 執事!? なんの冗談だよ! 名前もお嬢様ってガラか!?」
そして、すぐにゲラゲラと腹を抱えて笑い出した。
「浦飯テメ、自分の責務まで忘れっちまったのか!?」
「幽助〜、それちょっと失礼!」
「困ったな。幽助は記憶喪失のフリをしてまでお嬢様の気を引きたいらしい」
「フン。ふざけてないでさっさと仕事に戻れ」
わなわなと怒りで震える桑原の横で、名前は頬を膨らませている。
やれやれと蔵馬は肩をすくめ、飛影はいつもの仏頂面で冷たく言い放った。
「いや……オメーらまさか本気で……?」
目の前の四人がとても正気とは思えない幽助だが、この場では自分こそがアウェーらしい。
笑えない状況に、幽助はたらりと冷や汗をかく。
「ウン、こりゃ夢だな。そのうち覚めるな」
「何を一人でブツブツ言っている」
自分に言い聞かせるように唱える幽助を、ジロリとまた飛影が睨む。
「ま、夢なら覚めるまで付き合ってやっか。執事って何すりゃいーんだ?」
「バカが。そんなもの自分の脳ミソで考えろ」
「ああ!?」
「幽助。バトラーとして一番大切なことは何か分かりますか」
飛影に鼻で笑われ、拳を握る幽助に、蔵馬が問いかけた。
「んなもん知るかよ!」
「ホスピタリティの精神ですよ。お嬢様が何を望まれ、どうすれば喜ばれるか考えるのもバトラーの仕事のうちです」
フフンと口元に微笑を浮かべ、蔵馬が人差し指を立てて答えた。指示待ち人間に執事は務まらないのだ。
「手本をみせようか。名前」
スッと流れるような動作で蔵馬が名前の手を取り、その場に膝まづく。
「そろそろアフタヌーンティーの時間ですね。名前の好きなフィナンシェとお茶を用意しようか」
「いいね、私も一休みしたいなーって思ってたとこ」
「名前の好みに合いそうな香りの紅茶を仕入れているから楽しみにしておいて」
「わあ、嬉しい! 私、蔵馬のいれてくれるローズヒップティーが一番大好きなの」
喜色満面にあふれる名前へ、柔らかく蔵馬も微笑んだ。
「と、いうわけです」
「おい、さっさとその手を離せ」
「本来お嬢様のお手は気安く触れていいもんじゃねェぞ、蔵馬!」
「……早くこの夢覚めてくんねーかな」
名前の手を握りっぱなしの蔵馬へ、飛影と桑原が喚く。
どこからツッコめばいいのか、幽助は悩んだ。
「オイ、まさか飛影もこんなコトやってんのか?」
「こんなコトって……お茶の用意とか?飛影はしないよ!」
あまりにアンマッチすぎる……とおそるおそる幽助が訊ねれば、あははと笑って名前が否定する。
「飛影は私のボディーガードだもんね」
「そういうことだ」
何故かえらそうにふんぞりかえった飛影が、どかりとソファに座り足を組む。
「そりゃ執事っつーかただの用心棒じゃねーか!」
幽助がツッコんだところで、蔵馬が紅茶とフィナンシェを運んできた。
お嬢様の優雅なティータイムの始まりである。
「今夜の舞踏会、緊張するなぁ」
蔵馬がいれた香りの良いローズヒップティーに口をつけながら、名前が呟いた。
「武道会?」
「舞踏会だ、ぶ、と、う、か、い! 今夜はお城で舞踏会があんだよ!」
トンチンカンな聞き間違いをする幽助へ、桑原が説明する。
今夜は隣国のお城でコエンマ王子主催の舞踏会があり、名前にとって初めての社交の場となるのだという。
「上手く踊れるかなぁ。蔵馬、後でまたダンスの練習付き合ってくれる?」
「勿論」
仰せのままにと蔵馬が微笑めば、緊張でこわばっていた名前の表情もホッとして幾らか柔らかくなる。
そんな折、コンコンと部屋の扉がノックされた。
「お嬢様。失礼いたします」
「雪菜さん!! どうしたんすか!!」
現れたメイド服姿の雪菜に、桑原がデレデレしている。
だんだんこの世界観に順応してきていた幽助は、無言でメイド雪菜の登場を受け入れた。
「雪菜ちゃん、どうしたの?」
「実は先ほど、若旦那様が狩猟中に足を怪我したのでご報告を」
「ええっ! お兄様、大丈夫なの?」
「軽い捻挫で数日安静にすれば治るとお医者様はおっしゃっていました。ただ今日の舞踏会の参加は難しいと」
「どうしよう。お父様はお母様と旅行中で不在だし……」
報告に参った雪菜と同じく、名前も表情を曇らせる。
「名前の兄ちゃんが行けなきゃなんかマズいのか?」
不穏な空気が流れる中、疑問符を浮かべて幽助が訊ねた。
「お嬢様のエスコート役だったからな……」
「未婚女性は親族の男性をエスコート役にして舞踏会に参加するものなんです」
桑原と蔵馬は揃って神妙な顔つきをしており、どうやらエスコート役が不在だと舞踏会へ参加が出来ないらしいと幽助は悟る。
「欠席するしかないな」
「華々しいお嬢様の社交界デビューの日だぞ! 出鼻を挫かれてたまっか!」
アッサリと言ってのけた飛影に、桑原が噛みつく。
「オレが代わりにエスコート役をするしかないか」
本来執事の身でありながら主人のエスコート役を務めるなど畏れ多いが、場合が場合であり仕方がないと蔵馬が名乗りをあげた。
「ああ、蔵馬がやるなら安心だな! 飛影なんかに頼んだ日にゃオシマイだがよ」
ケケケと笑って小馬鹿にした桑原の言い方は、ムッとした飛影の闘争心に火をつけた。
「舞踏会だがなんだか知らんがそれがどうしたというんだ。それくらいやってやる」
「無理すんな飛影! テメー踊ったことねーだろ!?」
「じゃあここは手っ取り早く、ジャンケンでお嬢様の相手を決めますか」
名前のエスコート役の座を決めるべく、蔵馬が出した案はジャンケンであった。
「ジャンケン?なんだそれは」
「飛影、知らないんですか? お暇を持て余したお嬢様が楽しむ戯れごとの一つであり、お嬢様をお守りする我々バトラーの運と危険察知能力を手軽にはかることの出来るジャンケンを……まさか知らないとは……」
「意味の分からんことをくどくど言ってないでさっさと教えろ!」
嫌味ったらしい蔵馬のメチャクチャな言い分に、イラッとした飛影が説明を急かす。
「もう勝手にやってくれ……」
「浦飯テメー、職務放棄する気か!? テメーもジャンケンバトルに参戦すんだよ! お嬢様に仕える執事としてあたりめーだろうが!」
「い!?」
バチバチ目線で火花を飛ばしている蔵馬と飛影の間に、桑原が強引に幽助を割り込ませた。
「そう言う桑原はやらねーのかよ!?」
「オレはあいにく今夜、城の警備を任せられてんだ」
「執事がすることか……?」
ツッコミ疲れしている幽助が脱力しながら小声で疑問を述べ、はあ、とため息をつく。
「わあったよ、ジャンケンすりゃいーんだろ!?」
「望むところだ」
「さっそく始めますか」
「いくぜ!ジャーンケーン……」
桑原の掛け声と共に、振り下ろされる三人の手。
熾烈なジャンケンバトルを制したのは……!?
幽助→2ページ
蔵馬→3ページ
飛影→4ページ
「浦飯! おい浦飯!」
しきりに自分を呼ぶ大声に、ふ、と覚醒していく意識。
なんでコイツがここにいんだよ……と苛立ちを感じつつ、身体を起こすのが億劫で幽助はガンとして瞼を閉じ続けた。
「さっさと起きろ浦飯ィ!」
「うるせーな桑原!」
耳元で叫ばれ、たまらずがば、と起き上がる。
目の前には鬼の形相の桑原。その背後で広がる光景に、幽助はパチパチと瞬きを繰り返した。
「なんだ、どこだここ?」
たしかラーメン屋台の仕事の前に一眠りしようと、自室で昼寝をしていたはず。
しかし、目覚めた幽助がいたのは見知らぬヨーロピアン調の豪華な部屋だった。
床は赤い絨毯で覆われており、今の今まで幽助が横になって寝ていたソファを含め、質の良さそうなクラシック家具で部屋は彩られている。
「ふざけんじゃねェぞ浦飯! なんでテメーがお嬢様の部屋で寝てんだ!」
「おじょっ……?」
ぐいっと胸ぐらをつかまれ、強制的にソファから立ち上がらされた幽助。
今のは聞き間違いではあるまいかと、桑原の口から飛び出したまさかの単語に言葉を失う。
「勤務中に居眠りとは感心しませんね、幽助」
「バトラーの風上にも置けん奴だ」
「バトラー……? つーかオメーらなんだそのカッコは!」
ため息をついて現れた蔵馬と飛影にも、大声で幽助はツッコむ。
桑原、蔵馬、飛影の三人は一様に黒のタキシードを着ていた。
「頭でも打ったか」
「貴方が着ているものと同じですよ」
「あっ!?」
視線を下げれば、自分も三人と揃いのタキシードを着ているではないか。
どうりで動きにくいわけだと、驚きつつも合点する幽助である。
「どうしたの、騒々しい」
「名前! こりゃどーいうことだ!?」
ひょこっと部屋の扉を開けて顔を覗かせたのは、上品なワンピースに身を包んだ名前だった。
説明を求め叫んだ幽助の頭を、間髪入れず桑原がはたく。
「いってーな桑原!」
「お嬢様に対してなんつー口の利き方だ浦飯! 蔵馬と飛影にも言えることだがよ!」
「いいんだよ桑ちゃん。気さくに接してって前から桑ちゃんにも言ってるじゃない」
ガミガミ怒鳴っている桑原を、穏やかに名前がなだめる。
「この執事・桑原! 畏れ多くもお嬢様を呼び捨てになど出来ません!」
胸を張って宣言した桑原に、幽助の目が点になる。
「ギャハハハハ! 執事!? なんの冗談だよ! 名前もお嬢様ってガラか!?」
そして、すぐにゲラゲラと腹を抱えて笑い出した。
「浦飯テメ、自分の責務まで忘れっちまったのか!?」
「幽助〜、それちょっと失礼!」
「困ったな。幽助は記憶喪失のフリをしてまでお嬢様の気を引きたいらしい」
「フン。ふざけてないでさっさと仕事に戻れ」
わなわなと怒りで震える桑原の横で、名前は頬を膨らませている。
やれやれと蔵馬は肩をすくめ、飛影はいつもの仏頂面で冷たく言い放った。
「いや……オメーらまさか本気で……?」
目の前の四人がとても正気とは思えない幽助だが、この場では自分こそがアウェーらしい。
笑えない状況に、幽助はたらりと冷や汗をかく。
「ウン、こりゃ夢だな。そのうち覚めるな」
「何を一人でブツブツ言っている」
自分に言い聞かせるように唱える幽助を、ジロリとまた飛影が睨む。
「ま、夢なら覚めるまで付き合ってやっか。執事って何すりゃいーんだ?」
「バカが。そんなもの自分の脳ミソで考えろ」
「ああ!?」
「幽助。バトラーとして一番大切なことは何か分かりますか」
飛影に鼻で笑われ、拳を握る幽助に、蔵馬が問いかけた。
「んなもん知るかよ!」
「ホスピタリティの精神ですよ。お嬢様が何を望まれ、どうすれば喜ばれるか考えるのもバトラーの仕事のうちです」
フフンと口元に微笑を浮かべ、蔵馬が人差し指を立てて答えた。指示待ち人間に執事は務まらないのだ。
「手本をみせようか。名前」
スッと流れるような動作で蔵馬が名前の手を取り、その場に膝まづく。
「そろそろアフタヌーンティーの時間ですね。名前の好きなフィナンシェとお茶を用意しようか」
「いいね、私も一休みしたいなーって思ってたとこ」
「名前の好みに合いそうな香りの紅茶を仕入れているから楽しみにしておいて」
「わあ、嬉しい! 私、蔵馬のいれてくれるローズヒップティーが一番大好きなの」
喜色満面にあふれる名前へ、柔らかく蔵馬も微笑んだ。
「と、いうわけです」
「おい、さっさとその手を離せ」
「本来お嬢様のお手は気安く触れていいもんじゃねェぞ、蔵馬!」
「……早くこの夢覚めてくんねーかな」
名前の手を握りっぱなしの蔵馬へ、飛影と桑原が喚く。
どこからツッコめばいいのか、幽助は悩んだ。
「オイ、まさか飛影もこんなコトやってんのか?」
「こんなコトって……お茶の用意とか?飛影はしないよ!」
あまりにアンマッチすぎる……とおそるおそる幽助が訊ねれば、あははと笑って名前が否定する。
「飛影は私のボディーガードだもんね」
「そういうことだ」
何故かえらそうにふんぞりかえった飛影が、どかりとソファに座り足を組む。
「そりゃ執事っつーかただの用心棒じゃねーか!」
幽助がツッコんだところで、蔵馬が紅茶とフィナンシェを運んできた。
お嬢様の優雅なティータイムの始まりである。
「今夜の舞踏会、緊張するなぁ」
蔵馬がいれた香りの良いローズヒップティーに口をつけながら、名前が呟いた。
「武道会?」
「舞踏会だ、ぶ、と、う、か、い! 今夜はお城で舞踏会があんだよ!」
トンチンカンな聞き間違いをする幽助へ、桑原が説明する。
今夜は隣国のお城でコエンマ王子主催の舞踏会があり、名前にとって初めての社交の場となるのだという。
「上手く踊れるかなぁ。蔵馬、後でまたダンスの練習付き合ってくれる?」
「勿論」
仰せのままにと蔵馬が微笑めば、緊張でこわばっていた名前の表情もホッとして幾らか柔らかくなる。
そんな折、コンコンと部屋の扉がノックされた。
「お嬢様。失礼いたします」
「雪菜さん!! どうしたんすか!!」
現れたメイド服姿の雪菜に、桑原がデレデレしている。
だんだんこの世界観に順応してきていた幽助は、無言でメイド雪菜の登場を受け入れた。
「雪菜ちゃん、どうしたの?」
「実は先ほど、若旦那様が狩猟中に足を怪我したのでご報告を」
「ええっ! お兄様、大丈夫なの?」
「軽い捻挫で数日安静にすれば治るとお医者様はおっしゃっていました。ただ今日の舞踏会の参加は難しいと」
「どうしよう。お父様はお母様と旅行中で不在だし……」
報告に参った雪菜と同じく、名前も表情を曇らせる。
「名前の兄ちゃんが行けなきゃなんかマズいのか?」
不穏な空気が流れる中、疑問符を浮かべて幽助が訊ねた。
「お嬢様のエスコート役だったからな……」
「未婚女性は親族の男性をエスコート役にして舞踏会に参加するものなんです」
桑原と蔵馬は揃って神妙な顔つきをしており、どうやらエスコート役が不在だと舞踏会へ参加が出来ないらしいと幽助は悟る。
「欠席するしかないな」
「華々しいお嬢様の社交界デビューの日だぞ! 出鼻を挫かれてたまっか!」
アッサリと言ってのけた飛影に、桑原が噛みつく。
「オレが代わりにエスコート役をするしかないか」
本来執事の身でありながら主人のエスコート役を務めるなど畏れ多いが、場合が場合であり仕方がないと蔵馬が名乗りをあげた。
「ああ、蔵馬がやるなら安心だな! 飛影なんかに頼んだ日にゃオシマイだがよ」
ケケケと笑って小馬鹿にした桑原の言い方は、ムッとした飛影の闘争心に火をつけた。
「舞踏会だがなんだか知らんがそれがどうしたというんだ。それくらいやってやる」
「無理すんな飛影! テメー踊ったことねーだろ!?」
「じゃあここは手っ取り早く、ジャンケンでお嬢様の相手を決めますか」
名前のエスコート役の座を決めるべく、蔵馬が出した案はジャンケンであった。
「ジャンケン?なんだそれは」
「飛影、知らないんですか? お暇を持て余したお嬢様が楽しむ戯れごとの一つであり、お嬢様をお守りする我々バトラーの運と危険察知能力を手軽にはかることの出来るジャンケンを……まさか知らないとは……」
「意味の分からんことをくどくど言ってないでさっさと教えろ!」
嫌味ったらしい蔵馬のメチャクチャな言い分に、イラッとした飛影が説明を急かす。
「もう勝手にやってくれ……」
「浦飯テメー、職務放棄する気か!? テメーもジャンケンバトルに参戦すんだよ! お嬢様に仕える執事としてあたりめーだろうが!」
「い!?」
バチバチ目線で火花を飛ばしている蔵馬と飛影の間に、桑原が強引に幽助を割り込ませた。
「そう言う桑原はやらねーのかよ!?」
「オレはあいにく今夜、城の警備を任せられてんだ」
「執事がすることか……?」
ツッコミ疲れしている幽助が脱力しながら小声で疑問を述べ、はあ、とため息をつく。
「わあったよ、ジャンケンすりゃいーんだろ!?」
「望むところだ」
「さっそく始めますか」
「いくぜ!ジャーンケーン……」
桑原の掛け声と共に、振り下ろされる三人の手。
熾烈なジャンケンバトルを制したのは……!?
幽助→2ページ
蔵馬→3ページ
飛影→4ページ
