Ⅲ 魔界の扉編
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✴︎70✴︎スリーセブン
天沼くん、寂しいの?―…
未来の問いに動揺した気持ちを払拭し、天沼がフードを脱ぎ捨てる。
「どうやらオレ様の出番だな」
ゲー魔王の台詞を真似た天沼が、玉座から立ち上がった。
「もう私の出番は終わったから髪はおろそう。また飛影に似合わないって言われるかもしれないしね!」
「…まだ根に持っていやがったのか」
しゅるっと髪をほどいた未来のツンツンした態度に、面倒くさいことになったと眉を寄せる飛影。
飛影は未来に髪を結んでほしくないと思っていたはずだ。何だかおかしな気分にさせられたから。
しかし今、どういうわけか自分は隠れてしまったうなじを残念がっている。
この矛盾した感情を、まだ飛影は理解できない。
「皆、よく聞いてくれ。正直なオレの意見だ」
そんな折、仲間に呼びかけたのはチームの参謀・蔵馬だ。
「天沼が実際のゲームのボスと同程度の強さなら、十中八九オレか海藤のどちらかが勝つ。だが天沼は未来の言う通り実際のボスより強いに違いない。幽助と飛影ではこのゲームで天沼に勝てない。そこで結論だが」
珍しく汗をかいた蔵馬が、淡々と努めて冷静に述べる。
「もしオレと海藤が負けた場合は一度ここを脱出することを考えよう」
自信がないと言っていいほど慎重になっている蔵馬の姿は、いかに天沼の能力が手強くやりづらいかを物語っている。
「あいちゃ~クイズかァ。あんま得意じゃないんだよな~」
スロットを回し並んだ“クイズ”“一般”“レベルG”の目に、天沼がぼやく。
「オレがやるよ。クイズは負けたことがない」
「海藤くん、頑張って!」
頭の良い彼なら頼りになると、未来は期待を胸に海藤へ声援を送る。
クイズは早押しの四択で、十問先に正解した方の勝利。ただし三回間違えるとその時点で敗北となる。
ゲームが始まるが、天沼は突っ立ったまま構えようとしない。
「ハンデをやるよ。五問くらいオレ黙って見てるから、答えていいよ」
自信たっぷり、余裕の表情で述べた天沼。
「ハンデ?必要ないと思うけど」
そう言った海藤は、驚くことに問題文が“アマゾ”の三文字しか提示されていない段階でボタンを押し、見事正解した。
「う、嘘!?」
「何ィ!?」
海藤の早業に、チームメイトである未来や幽助も驚き舌を巻く。
海藤によれば、全問題数の中で“アマ”から始まる問題は三つのみ。
彼は二万近くある問題と答えを全部その頭の中に記憶しているのだ。
しかし、当の天沼は対戦相手の驚異の実力に臆する様子が全くなく、海藤が五問連取する間もただモニター画面を見つめていた。
「天沼くん、ちょっと海藤くんを舐めすぎだったんじゃない?この調子なら勝てそうだよ!」
五問連取した海藤に、勝機が見えてきたと未来ははしゃぐ。
「…だといいんだが」
天沼の底知れぬ実力を警戒する蔵馬は、まだ素直に喜ぶ気分になれなかった。
肌で相手の実力を感じられないというのは、想像以上に不気味なものだ。
「よし!わかった!」
意味深な台詞を吐き、天沼が行動を開始したのは六問目からだった。
「わかった?今までの五問はオレの実力を探っていたとでもいうのかい」
「バッカじゃないの。わかったのはもっと別のこと。あんたの実力なんか始めっから気にしちゃいないよーだ」
べーっと舌を出し言った天沼は次の問題で、問題文が読み上げられる前に回答ボタンを押した。モニター画面は当然だが真っ暗だ。
どういうつもりだ!?とその場にいた全員に戦慄がはしる。
「問六の問題は西暦二千年地球に激突するという説が出て話題となった小惑星の名前は何か。答えはBのトーチタス」
ピンポン!と正解のブザーが鳴り、モニターには天沼の言った通りの問題文が映し出された。
「まさか予知能力…!?いやイカサマに違いねえ!」
「それとも勘で当てたとか…!?」
にはかには信じられない展開に、絶句する幽助と未来。
「いや違う。クイズの問題と順序そして答えの位置を完璧に記憶しているんだ!」
「南野、だがこのクイズの問題も答えも全て順序はバラバラのはずだ」
「甘いね。バラバラに見せかけて実は法則があるのさ。その公式を探し出すのに大体五問くらいかかるんだけどね」
狼狽える海藤に、チッチッチと人差し指を振って天沼が得意げに述べる。
(天沼くん…どんだけ賢いの!?)
遊熟者(ゲームマスター)の実力は、未来たちの予想の遥かに上をいっていた。
クイズが出題される前にボタンを押し正解する天沼になすすべもなく、海藤は敗北する。
「完敗だな。クイズの順番に法則があることは気づかなかった」
「でもイイセンいってた。あんた強いよ。次は別のゲームで戦いたいな!」
潔く負けを認めた海藤に、ニカッと笑って天沼が言う。
「…?」
戦いの場にはそぐわない、無邪気な笑顔を見せた天沼に、海藤は拍子抜けした。
「くそ、あいつハンパじゃねーな。あとはもう蔵馬に頼るしか…」
地団駄を踏む幽助は、ふとあることが気にかかる。
「そういや今まで三人が楽勝してたから気にしなかったが、天沼の領域(テリトリー)の中でオレたちが負けちまったらどうなるんだ?」
「私が昨日の夜、レースゲームで負けたときは何も起こらなくて大丈夫だったよ。海藤くんも見たところ何ともないみたいだけど…」
今回も同じだという確証はなく、未来はごくりと生唾を飲んで海藤を見守る。
「なんか調子狂うなあの天沼って奴」
頭をかきながら呟いた海藤は、特に様子が変わったようには見えない。
「ただ対戦ゲームをやって楽しんでる感じだ。本当にあいつ仙水のやってることわかって仲間になってんのかな?」
「海藤、お前何ともないのか?」
「ああ。オレの能力みたいに魂取られるくらいは覚悟してたんだけど」
「そうか。もしや…だとしたら」
「蔵馬、何か分かったの!?」
顎に手を当て考え込む神妙な顔の蔵馬に、未来は詰め寄る。
「多分オレたちはゲームで何回負けても何ともない。だがあきらめると死ぬことになる」
蔵馬の説明はこうだ。
ゲームバトラーでは、主人公側が負けると“つづける”か“あきらめる”二つの選択肢が提示される。
“つづける”を選ぶとゲームを再開できる。
しかし“あきらめる”を選ぶと主人公たちの墓をバックにジ・エンドの文字が出る。
「おいおい…ちょっと待てよ」
ということは、だ。
蔵馬の解説を聞き終えた幽助が、額に汗をかく。
「天沼に勝たねー限りずっとここでゲームしてなきゃいけねーのか!?そんな時間はねーぞ!」
「天沼はオレたちと命のやり取りをする気はないんだ。目的は穴が開くまでの時間稼ぎだろう」
「その通り!時間が来たらすぐに領域(テリトリー)は解いてやるよ。オレが今朝わざと負けて未来を解放したみたいにね」
ふふんと不敵に笑う天沼には、ゲームマスターの風格が漂う。
「あのガキ、最初っから時間稼ぎが目的か。だからこんなのんきにゲームを楽しんでやがるんだ」
「飛影、黒龍波で領域(テリトリー)壊せちゃったり…しないよね!?」
「無理だ。出来てたら昨日とっくにやっている」
天沼の領域(テリトリー)の中では暴力行為は無効で、脱出するにはゲームで彼を倒すしか方法はない。
全く勝算のない戦いに、幽助、未来、飛影はお手上げだ。
「蔵馬、ゲームで勝算はあるのか?はっきり言ってオレは勝てねー」
格闘専門の幽助は対天沼戦では出る幕がなく、蔵馬に頼るしかない。
「みーとぅー…蔵馬、いけそう?」
頭脳派の彼にいちるの望みをかけて、おそるおそる尋ねる未来。
ここで最後の砦である蔵馬がノーと言えば、自分たちが勝つ可能性はゼロに等しくなる。
「わからない…いや」
蔵馬は何かを言うべきか躊躇しているようだった。
(蔵馬…?)
なんだか蔵馬がつらそうで、苦渋の決断を迫られているように見えたのが未来は気になった。
「未来」
そして、真っ直ぐ蔵馬に見つめられる。
既に蔵馬の顔は迷いを振り切っていた。
「ごめん」
瞼を伏せてそう告げると、蔵馬は天沼と対戦するべくコントローラー台へ向かった。
(何…この感じ)
なんだか胸がざわざわする。
すごく嫌な予感がする。
蔵馬の表情の理由も、自分に謝ったわけも、未来は分からない。
けれど、最悪なシナリオが待っているような気がして…不吉な何かを敏感に感じ取る。
「さ、次は何のゲームかな~」
鼻歌まじりに天沼がスロットを回すと“パズル”“スリーセブン”“レベルG”の目が並んだ。
テトリスと似たいわゆる“おちもの”ゲームで、経験と集中力に勝負は左右される。
「うわ、こういうのオレ一番苦手だわ」
「たぶん南野は心理戦に持ち込む気だな。いかに相手の集中力を奪うかで勝敗が決まる」
苦い顔をする幽助の隣で、もう一人のブレーン・海藤が考察する。
「天沼くん…聞きたいことがある。ゲームバトラーで戦えと言ったのは仙水じゃないのか?」
「そうだよ。決戦に際してこのゲームが最もふさわしいってね。オレもこのゲーム得意だしさ」
やはり、と蔵馬は悔しさから拳をぐっと握った。
「君は仙水のやろうとしていることがわかっているのかい?」
「わかってるよ。魔界から妖怪がうじゃうじゃ出て大騒ぎになるんだろ?楽しいじゃん、学校もなくなるだろうし。オレは自分の領域(テリトリー)の中にいれば安全だしね」
「このゲームで君が負ければ、君は死ぬ」
あっけらかんと答えた天沼に、蔵馬が残酷な事実をハッキリと告げた。
「え…?」
未来のか細い声が発せられたのは、天沼が反応するより先だった。
「びびらせて勝とうっての?セコイね。そんな嘘には騙されないよ」
蔵馬の発言に驚き反応が遅れたものの、一笑する天沼。
「ゲー魔王が負けると画面にはっきりと“死ぬ”と出る。こういうゲームは意外に少ない。そして君の能力は忠実にゲームを再現する」
ゲー魔王は死んだ…
そして街に再び平和が訪れた
蔵馬の言う通り、ゲームをクリアするとゲー魔王の死を明言するテロップが表示される。
「断言してもいいが、君はゲームバトラーで能力を使うのは初めてだ」
「確かにそうだけど…それはこのゲームの相手が七人も必要だからさ。他のゲームじゃ別に何ともなかったぞ。未来とやった時だって」
「多分君は今までエンディングやプレー中に死を暗示する様なゲームはやってない。それとなく仙水に止められているはずだ」
お前の能力は体力と精神力を異常に消耗する。
いざという時のためにオレの命令以外にその能力は使うなよ。
尤もらしい理由をつけて、天沼が仙水から命令時以外での能力の使用を禁止されていたことを蔵馬は言い当てた。
「待てよ蔵馬、天沼はオレたちと命のやり取りをする気はないんだろ。いくらなんでもそんなガキが命がけでゲームをやってるとは思えねーぜ」
「幽助、その通りだ。天沼本人にはその気はない」
天沼は知らなかった。
自分の能力の恐ろしさを。
「結論を言う。仙水は目的のために君を犠牲にした」
蔵馬が天沼に告げたと同時、ゲーム開始のブザーが鳴った。
(そんな…)
ひどい。
ひどすぎる。
捨て駒として年端もいかない子供を利用した仙水が、未来は許せない。
衝撃やら仙水への怒りやら、諸々の感情が押し寄せて彼女は俯き身体を小刻みに震わせる。
(未来…)
飛影が未来へ伸ばした指先は、所在なく宙をさまよった後、空を掴み下ろされる。
どういう類の言葉をかけてやればよいか分からず、迷った末に飛影は沈黙を選んだ。
慰さめるのも、励ますのも、全部違う気がした。
「オレたちは何度でもコンテニューできるのに、天沼は一度負けたらそれで死んじまうのか。仙水はそれがわかっててこのゲームを…」
「さらに仙水は我々がそれに気づくことも計算した。利用されただけの天沼をあたし達が殺すことなどできないと考えてな」
あまりにも非情な仙水に唇を噛む幽助の横で、幻海が冷静に分析し述べる。
「だが蔵馬は天沼を倒す」
断定した幻海の言葉に、ビクッと未来が肩を跳ねさせた。
「だからこそ天沼に真相を話した。天沼の動揺を誘うためにな。そうしなければ時間内に天沼を倒せない」
幻海がそう言っている間にもゲームは進行し、増えない蔵馬のブロックとは対照的に天沼のブロックはどんどん積み上がってきている。
「最も残酷で卑怯な方法を蔵馬は選んだ。選ばざるをえなかったのだ」
黙々とゲームをする手を休めない蔵馬。
今、彼は何を思っているのだろう。
(仙水さんがオレを犠牲に…そんな…そんな)
動揺する天沼は、ゲームに集中するどころではなくいつもの腕前を発揮できずにいた。
“すげーや仙水さん。オレと互角以上に戦える人と初めて会ったよ!”
ゲームで自分と張り合う大人との出会いは、新鮮でワクワクさせられた。
“つまらない世の中をひっくり返して面白くしてやろう。バカな親、バカな教師、バカな同級生。うんざりしてるだろ?”
どうしてこの人は自分の考えていることが手に取るように分かるんだろう。
仙水さんは、他の大人たちとは違う。オレの唯一の理解者だ。
いつしかそう思うようになっていた。
それに。
“お前の能力が必要だ”
嬉しかった。
頭のてっぺんからつま先まで喜びが駆け巡って、心が満たされていった。
人から認められ求められることに、自分はこんなにも飢えていたのかと思い知った。
“天沼くん、寂しいの?”
認めたくなかったけれど、未来の問いには図星を突かれた。
ラップがかかった夕食の隣に置かれた母親からの置き手紙。
“月人へ。今日も遅くなります。温めて食べてね!”
朝、さりげなく食卓テーブルに置いてから登校した満点の答案には、何も触れられていなかった。
ずっと誰かに自分を見て欲しかった。褒めてほしかった。
だからそれを叶えてくれた仙水さんの誘いにのってしまったんだ。
「ね、ねえ!何か方法はないかな!?」
ゲーム操作しながら、藁にも縋る思いで天沼は対戦相手の蔵馬に策を請う。
「ゲームの途中で領域(テリトリー)を解く方法は?」
「ダメなんだ。オレ自身がゲームの登場人物になっちゃうと、どちらかが負けるしかなくて」
「オレは負ける気はない」
天沼の方を一切振り向かず、モニター画面を見つめたまま蔵馬がバッサリと言い渡した。
「君は仙水の計画を知っていた。君に責任がないわけじゃない」
「こんなことになるなんて思ってなかったんだよ。オレ…まだ死にたくないよ」
近づく死への恐怖と絶望に、震える天沼の目から涙がこぼれる。
“三人でここから出よう。天沼くんを奴らの仲間のままにしておけないよ”
真剣な厳しい瞳で、強く自分の腕を掴んでくれた未来の手をとっていればと、激しい後悔に駆られる。
今朝、未来が作ってくれた朝食はあったかくて美味しかった。
誰かと食卓を囲むのは久しぶりで、嬉しくて楽しいひとときだった。
(なのに、どうして…)
それでも今自分が恋しいと思うのは、母親の作る冷たくなった食事。
忙しい中でも毎日置き手紙を添え食事を用意してくれた両親の優しさに、今頃気づいたってもう遅い。
「未来、飛影…」
この場で唯一自分が縋れる相手である二人の方を振り返り、天沼が消えそうな声で助けを求める。
「天沼くん!」
天沼のブロックが天井まで積み上がる寸前だ。
それに気づいた未来が天沼の方へ駆け出す。
天沼の手が未来へ伸ばされたと同時、ゲーム終了のブザーが鳴る。
『ゲームオーバー!ゲー魔王の負け!』
ゲームバトラーを模した部屋が消えた代わりに、洞窟にはゲーム機の傍らに絶命した天沼が横たわっていた。
小さな身体を、未来はしゃがむとそっと抱きしめる。
(泣いちゃだめ、泣いちゃ…)
すでにこらえきれない涙が頬をつたっているのだが、未来は必死で嗚咽を抑える。
蔵馬の前で未来は泣けなかった。
自らの手で天沼を殺めるしかなかった蔵馬。
彼もまた、想像を絶する痛みとつらさ、悔しさを抱えているだろうから。
(私があの時もっと強く腕を掴んでいれば…離さなければ…)
ひたすらに自分を責め、未来は激しい後悔に襲われる。
「未来」
そんな彼女に、静かに話しかけたのは御手洗だ。
「天沼に寂しいのかって聞いてたよね。ボクも同感だった。いつも強がって…きっと寂しくて、自分を見て欲しかったんだよ」
御手洗が言葉を一つ一つ慎重に選ぶようにして、天沼を抱く未来の背中に語りかける。
「未来が天沼を諭していた時、天沼はうんざりしてたようだったけど、ボクにはどこか嬉しそうにも見えたんだ。ちゃんと怒られたことも少なかったんじゃないかな」
賢く成績優秀で、幼い頃から手のかからない子供だったであろう天沼。
どんな形であれ、自分を見てかまってほしかったのではないかと御手洗は思う。
「だから、えっと何が言いたいかというと…天沼は最後に未来に会えてよかったと…救われた部分があったんじゃないかとボクは思うんだ」
御手洗の言葉が胸に染みて、ぽろぽろまた未来は大粒の涙をあふれさせた。
「蔵馬…」
幽助が、立ったまま微動だにしない蔵馬の元に歩み寄る。
そして冷たい光を放った蔵馬の瞳を見ると、ぞくっと背中に悪寒がはしり後ずさった。
「先を急ごう」
蔵馬の一言で、未来はめそめそしていられないと涙を拭う。
「未来、あんたは桑原を人質に仙水に呼ばれてんだろう。気をつけて行ってきな。あたしと海藤は洞窟の外で待ってるよ」
「…はい。師範、天沼くんをよろしくお願いします」
未来は天沼の遺体を幻海に託し、すくっと立ち上がった。
残酷な手法を強いられ、後味の悪い勝利となった天沼戦。
洞窟は、彼らの胸中を表しているかのように暗く憂いに満ちていた。