やきもちやきあい
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「あー…完っ全に胃もたれだわ…」
昨夜、鬼宿と喧嘩したという美朱の愚痴を結局朝方まで聞いていた。美朱の持ってきた異世界の菓子は味は濃いし油っこいしで見事に胃もたれ、胸焼けする始末。当の本人は、すっきりした!たくさん話したらお腹空いたからご飯食べてくるね!と食堂へと向かって行った。あの子の胃は本当に化け物ね。あたしは到底食べる気になんてなれないもの。
「軫宿に胃薬でも出してもらおうかしら…」
軫宿を探して廷内を歩いていると、タイミングよく前方から探し人がやってきた。
「軫宿、悪いんだけど何か胃に効く薬貰えない?」
「柳宿も体調が悪いのか」
「も、?」
他にも具合が悪い人でもいるのかしら、と疑問符を浮かべる。すると軫宿は知らなかったのか、と意外そうな表情をして言葉を続けた。
「蘭飛も調子が悪いと言っていてな。今ちょうど薬を渡してきたところだ」
「蘭飛が!?」
「調子が悪いと言っても、あれはただの ──」
「悪いわね軫宿!ちょっと蘭飛のとこ行ってくるわ!」
「胃薬はどうするんだ?」
「また後で取りに行くから!」
小走りで蘭飛の部屋へ向かう。胃もたれだとか胸焼けだなんて言ってる場合じゃない。滅多に風邪を引かない蘭飛が軫宿に薬を頼むだなんて、相当酷いはず…!
「蘭飛っ!」
ノックもせずに部屋に飛び込むように入る。寝台の膨らみを確認してそっと近付き覗き込むと、顔色を真っ青にした蘭飛が布団にくるまって魘されていた。
「ちょっと大丈夫なの!?薬は飲んだ!?」
「っ、頭に響くからもう少し小さくして…」
「声もガラガラじゃない…!」
そこでふと気付く部屋の異変。いつもはお香が焚かれ良い香りの漂うそこは、異様な匂いで満たされている。
「この匂いは…」
匂いの元を辿ると、椅子の下に転がっているものを見つけて拾い上げる。それはそこそこの大きさの酒の空き瓶だった。
「まさかあんたこれ一人で飲んだわけ!?」
「、だから声大きいって…っ」
「調子悪いって聞いて心配して慌てて来たっていうのに、二日酔いなだけだったなんて…!大体言うほど酒に強くないんだから、自分の飲める量くらい把握しなさいよ」
呆れて溜息を吐きながらそう言うと、身体を動かすのもやっとな様子で蘭飛がむくりと起き上がった。
「…別に、心配してなんて誰も頼んでない」
「! 何よ、その言い方は」
「私がどうなっても柳宿には関係ないでしょ」
明らかにいつもの蘭飛と様子が違うことは分かったものの、関係ない、その一言で頭に血が上ってしまった。
「あっそ。じゃあ勝手にそうやってなさい」
わざと音を立て扉を閉める。中から蘭飛が追ってくる気配もなく余計に腹が立った。こっちは胃が痛いのも忘れて来てやったってのに。
「はやく軫宿に薬貰って寝ましょ」
この後訪ねた軫宿の部屋で、散々愚痴を漏らしたのは言うまでもない。
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