第三話.導き
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「蘭飛、おはよー!」
朗らかな笑顔で駆け寄ってくる美朱様に一礼する。朝の支度の手伝いに伺おうと思っていたのだが…どうやら明日からはもう少し早い時間にした方が良さそうだ、と脳の片隅に書き留めた。
「おはようございます、美朱様」
「体調大丈夫?風邪引いちゃってない?」
その唐突な問いかけに疑問符を浮かべると、美朱様は胸の前で手を合わせ申し訳なさそうに表情を曇らせた。
「昨日、あの後に来たのが別の侍女の人だったから…蘭飛びしょ濡れだったし、体調崩しちゃったのかと思って」
なるほど、それで先程の質問になったのかと合点がいった。
「私はこの通り何ともございません。実は侍女頭に他の仕事を言い渡されてしまいまして…お休みの挨拶を出来ず申し訳ございません」
昨夜、廊下で侍女頭と遭遇したのは本当だ。しかし言い渡されたのは他の仕事ではなく、先に仕事を上がるようにとのことだった。どうやら相当酷い顔をしていたらしい。事実と嘘を織り交ぜた説明に美朱様は納得したようで安堵の表情を浮かべた。
「ううん、なら安心した!……それと、改めてありがとう」
「いえ、美朱様がご無事で何よりでございます」
「それももちろんなんだけど、柳宿に怒ってくれてたでしょ?味方が出来たみたいですっごく心強いよ」
「…ですが、侍女である私に出来ることは何も…」
「気持ちだけでも充分嬉しいって話!あとね、柳宿とは一発ずつやり合いになったんだけど、あの子のこと何となく分かった気がするんだ」
その肝の据わりっぷりに思わず目を丸くした。さすが巫女に選ばれるだけのことはあると言える。しかし、それと同時に不思議に思った。柳宿とのことが解決に向かっているはずなのに、浮かない表情をしているように見えるのは気のせいだろうか。…少し探りを入れるべきか考えていると、前方から鬼宿がやって来た。
「……?」
何やら昨日とは一変した二人の雰囲気に首を傾げると、鬼宿に続いて今度は康琳も姿を現した。昨夜のこともあってつい顔を背けると、康琳は私には見向きもせず鬼気迫る勢いで美朱様へと詰め寄った。その話から察するに、二人の不穏な空気には陛下が関係しているらしい。これから鬼宿は街に商売に出向き、康琳もそれについて行くとのことだ。そうなればどう事態が動くかなんて容易に見当が付く。
「蘭飛、お願い!!この通り!!」
手を合わせて頭を下げる主を前に、何も波乱が起こりませんようにと心の中で祈りを捧げた。
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