◆Next chapter 1◆
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「よし、これでいい。」
なまえとローは、船長室のソファに隣り合って座っていました。
包帯を巻かれていある間、じっと息を殺すように黙っていたなまえは、ローの言葉を聞いて、ホッと安堵の息が漏らしました。
両腕の炎を鎮火されたなまえは、ペンギンに船長室まで連れて来られていました。
ハートの海賊団には、医務室に船医が常駐していますし、他にも医療の知識や技術に長けている船員は多くいます。けれど、最も医術のレベルが高いのが船長であるローでした。ですから、ペンギンは、出来るだけ火傷の跡が残らない確率の高いローのところへ連れて行くのが最も良いと判断したのでしょう。
それから、なまえとローは、彼女がまだロボットとして生きていた頃は恋仲にありました。だから、ペンギンは、出来るだけ、なまえとローが関わる時間を作りたかったのです。
そうしてできれば、また恋人同士にーーーー。
『変な先入観を持ってしまったら、正しい記憶を取り戻す弊害になる。』
船長のローの判断により、ハートの海賊団の船員達は皆、なまえに過去のことを話すことはしません。
なまえに記憶があろうが、なかろうが、彼らが仲間であることに変わりはありませんから、船員から反対の声が上がることもありませんでした。
そうして、共に過ごしていく中で、なまえは徐々に、過去の記憶を取り戻していきました。
思い出したくもない辛い過去もあったでしょうが、なまえは、ハートの海賊団の船員として過ごしてきた日々を思い出せたことに後悔はないようです。
けれど、どうしても、思い出してくれないのです。
ローがこの船の船長であることは理解しているようですが、あれほど愛していた恋人同士だったということだけを、なまえは、全く思い出す様子がありませんでした。
「火は熱いし、火傷をする。…と、教えたのはこれでもう何度目だ。」
「21回目です。」
正確に覚えていたらしいなまえに、ローは頭を抱えてため息を吐きました。
覚えているのなら、どうして気をつけてくれないのか。
身についた癖を治すのはとても大変なことなのだ、となまえを見て、ペンギンも改めて思い知ったところです。
「毎日、消毒と薬の塗布が必要だ。毎晩、風呂の後にでも俺のとこに来い。」
注意をするのも諦めたのか、ローは必要事項だけを伝えると、そのまま席を立ってしまいます。
そうして、デスクへと向かおうとしたローでしたが、なまえが声をかけたことで、もう一度、彼女を見下ろしました。
「ごめんなさい。」
なまえは、顔を伏せて、小さく肩を震わせていました。
反省しているのでしょう。まぁ…、そんな姿を見るのも、彼女の記憶が正確であれば、これで21回目なのですが。
ローは小さく苦笑して、肩をすくめます。
「過去があって今のなまえがあるんだ。どんな失敗からも守ってやるから、気にしなくていい。
ーーー跡は残らねぇから心配するな。」
ローは、なまえの髪を優しくクシャリと撫でました。
反省して顔を伏せているなまえには見えなかったでしょうが、ローのその表情はとても優しくて、愛に溢れていました。
きっと、記憶のないなまえでも、ローはまだ愛しているのでしょう。大切で大切で、仕方がないのでしょう。
それなら、恋人だったのだと伝えてしまえばいいのにーーーーどうしてもそう思ってしまうし、実際、そう助言したこともあったペンギンでしたが、ローは頑なに首を縦には振ってくれませんでした。
なまえの意思で、もう一度、自分を愛して欲しいのでしょうか。
それとも、彼女がロボットから人間になれたのなら、それだけでいい、なんて、思っているのでしょうか。
長い付き合いですが、ペンギンには、ローの考えが全くわかりません。
わかるのは、彼が今でも、なまえのことを愛しているという切ない事実だけです。
「なまえ、甲板に戻るぞ。シャチたちも心配してる。」
ペンギンが声をかけると、なまえは素直に従って立ち上がりました。
そして、一緒に船長室から出ましたが、なまえがローの顔を見ることは、ついに一度もありませんでした。
なまえとローは、船長室のソファに隣り合って座っていました。
包帯を巻かれていある間、じっと息を殺すように黙っていたなまえは、ローの言葉を聞いて、ホッと安堵の息が漏らしました。
両腕の炎を鎮火されたなまえは、ペンギンに船長室まで連れて来られていました。
ハートの海賊団には、医務室に船医が常駐していますし、他にも医療の知識や技術に長けている船員は多くいます。けれど、最も医術のレベルが高いのが船長であるローでした。ですから、ペンギンは、出来るだけ火傷の跡が残らない確率の高いローのところへ連れて行くのが最も良いと判断したのでしょう。
それから、なまえとローは、彼女がまだロボットとして生きていた頃は恋仲にありました。だから、ペンギンは、出来るだけ、なまえとローが関わる時間を作りたかったのです。
そうしてできれば、また恋人同士にーーーー。
『変な先入観を持ってしまったら、正しい記憶を取り戻す弊害になる。』
船長のローの判断により、ハートの海賊団の船員達は皆、なまえに過去のことを話すことはしません。
なまえに記憶があろうが、なかろうが、彼らが仲間であることに変わりはありませんから、船員から反対の声が上がることもありませんでした。
そうして、共に過ごしていく中で、なまえは徐々に、過去の記憶を取り戻していきました。
思い出したくもない辛い過去もあったでしょうが、なまえは、ハートの海賊団の船員として過ごしてきた日々を思い出せたことに後悔はないようです。
けれど、どうしても、思い出してくれないのです。
ローがこの船の船長であることは理解しているようですが、あれほど愛していた恋人同士だったということだけを、なまえは、全く思い出す様子がありませんでした。
「火は熱いし、火傷をする。…と、教えたのはこれでもう何度目だ。」
「21回目です。」
正確に覚えていたらしいなまえに、ローは頭を抱えてため息を吐きました。
覚えているのなら、どうして気をつけてくれないのか。
身についた癖を治すのはとても大変なことなのだ、となまえを見て、ペンギンも改めて思い知ったところです。
「毎日、消毒と薬の塗布が必要だ。毎晩、風呂の後にでも俺のとこに来い。」
注意をするのも諦めたのか、ローは必要事項だけを伝えると、そのまま席を立ってしまいます。
そうして、デスクへと向かおうとしたローでしたが、なまえが声をかけたことで、もう一度、彼女を見下ろしました。
「ごめんなさい。」
なまえは、顔を伏せて、小さく肩を震わせていました。
反省しているのでしょう。まぁ…、そんな姿を見るのも、彼女の記憶が正確であれば、これで21回目なのですが。
ローは小さく苦笑して、肩をすくめます。
「過去があって今のなまえがあるんだ。どんな失敗からも守ってやるから、気にしなくていい。
ーーー跡は残らねぇから心配するな。」
ローは、なまえの髪を優しくクシャリと撫でました。
反省して顔を伏せているなまえには見えなかったでしょうが、ローのその表情はとても優しくて、愛に溢れていました。
きっと、記憶のないなまえでも、ローはまだ愛しているのでしょう。大切で大切で、仕方がないのでしょう。
それなら、恋人だったのだと伝えてしまえばいいのにーーーーどうしてもそう思ってしまうし、実際、そう助言したこともあったペンギンでしたが、ローは頑なに首を縦には振ってくれませんでした。
なまえの意思で、もう一度、自分を愛して欲しいのでしょうか。
それとも、彼女がロボットから人間になれたのなら、それだけでいい、なんて、思っているのでしょうか。
長い付き合いですが、ペンギンには、ローの考えが全くわかりません。
わかるのは、彼が今でも、なまえのことを愛しているという切ない事実だけです。
「なまえ、甲板に戻るぞ。シャチたちも心配してる。」
ペンギンが声をかけると、なまえは素直に従って立ち上がりました。
そして、一緒に船長室から出ましたが、なまえがローの顔を見ることは、ついに一度もありませんでした。
