Q10.優しいお手伝いをしてくれるのですか?
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「ありがとうございますっ。」
レジカウンターの前で、私は思いきり頭を下げた。
カウンター奥にいる店主は、恰幅のいい身体には似合わない程に恐縮して、「頭を上げてくれ。」「気にしなくていい。」と小さく首を横に振っている。
でも、本来ならば、商品購入の代わりにその店が配達料を持つことで、宅配無料サービスが成り立っている。
それを、店主は、他の店で購入した多数の荷物を、無料で配達してくれると言うのだ。
確かに、そうしてくれたら嬉しいと思いながらこの茶葉屋にはやってきた。でも、二つ返事で『構わねぇよ!』と言われてしまうと、感謝するどころか、申し訳なさでいっぱいになる。
でも、兵長さんにまで、頭を下げなくていいと言われてしまった私は、もう一度、感謝の気持ちを伝えてから、顔を上げた。
「リヴァイには、いつも大金を落として貰ってるんだ。
たまには俺からもお返しがしてぇと思ってたところだ。」
「何がお返しだ。その代わり、今日もクソみてぇに茶葉を売りつける気だろ。」
兵長さんが眉を顰めて恨めし気に言えば、「商売人だ!そりゃ当然さ!」と店主が豪快に笑う。
今度こそ、恰幅のいい身体と彼の雰囲気が一致した瞬間だった。
「それだけじゃねぇさ。
せっかくリヴァイが恋人を連れてきてくれたんだ!
尚更、恋人に良いところ見させてやれねぇといけないからな!」
店主が悪戯っぽく私と兵長さんを交互に見やる。
——あぁ、そういうことか。
損益にしかならないことを頼まれたにもかかわらず、来店したときからずっと、彼の機嫌が不思議なくらいに良かったのは、私のことを兵長さんの恋人だと思っていたからなようだ。
兵長さんの中では、それは正しい認識ということになるのだろうか。
でも、私としては、一刻も早く正したい事実誤認だ。
「ご挨拶が遅れました…っ。私、少し前から調査兵団の兵舎にて
栄養管理士も兼ねて調理師をさせて頂いているなまえ・みょうじと申します!
今日は、食材調達にやってきた私の付き添いを兵長さんがしてくださっているんです。」
「あ~!なんだ、そういうことか!
いきなり、リヴァイが女性を連れてくるから、おかしいとは思ったんだ!」
違う——キッパリとそう伝えたかったが、そうしたら兵長さんの機嫌を損ねてしまうような気がした。
そこで、自己紹介をしながら、暗に恋人ではないことを伝えれば、店主は、こちらが呆気にとられる程にすんなりと信じてくれた。
ホッとした。だって、私と兵長さんが恋人だなんて噂が流れてしまったら、面倒で仕方がない。
でも、そうとは思わないらしい兵長さんは、私の隣で、不機嫌そうに眉を顰めている。
「あ、あの…っ。それでは、茶葉を幾つか購入したいと思っておりますので、
ひとつずつ拝見させてくださいっ。」
どうぞどうぞ———楽しそうな店主の声を背中に聞いて、私は店の奥に早足で向かい、不機嫌な兵長さんから逃げた。
レジカウンターの前で、私は思いきり頭を下げた。
カウンター奥にいる店主は、恰幅のいい身体には似合わない程に恐縮して、「頭を上げてくれ。」「気にしなくていい。」と小さく首を横に振っている。
でも、本来ならば、商品購入の代わりにその店が配達料を持つことで、宅配無料サービスが成り立っている。
それを、店主は、他の店で購入した多数の荷物を、無料で配達してくれると言うのだ。
確かに、そうしてくれたら嬉しいと思いながらこの茶葉屋にはやってきた。でも、二つ返事で『構わねぇよ!』と言われてしまうと、感謝するどころか、申し訳なさでいっぱいになる。
でも、兵長さんにまで、頭を下げなくていいと言われてしまった私は、もう一度、感謝の気持ちを伝えてから、顔を上げた。
「リヴァイには、いつも大金を落として貰ってるんだ。
たまには俺からもお返しがしてぇと思ってたところだ。」
「何がお返しだ。その代わり、今日もクソみてぇに茶葉を売りつける気だろ。」
兵長さんが眉を顰めて恨めし気に言えば、「商売人だ!そりゃ当然さ!」と店主が豪快に笑う。
今度こそ、恰幅のいい身体と彼の雰囲気が一致した瞬間だった。
「それだけじゃねぇさ。
せっかくリヴァイが恋人を連れてきてくれたんだ!
尚更、恋人に良いところ見させてやれねぇといけないからな!」
店主が悪戯っぽく私と兵長さんを交互に見やる。
——あぁ、そういうことか。
損益にしかならないことを頼まれたにもかかわらず、来店したときからずっと、彼の機嫌が不思議なくらいに良かったのは、私のことを兵長さんの恋人だと思っていたからなようだ。
兵長さんの中では、それは正しい認識ということになるのだろうか。
でも、私としては、一刻も早く正したい事実誤認だ。
「ご挨拶が遅れました…っ。私、少し前から調査兵団の兵舎にて
栄養管理士も兼ねて調理師をさせて頂いているなまえ・みょうじと申します!
今日は、食材調達にやってきた私の付き添いを兵長さんがしてくださっているんです。」
「あ~!なんだ、そういうことか!
いきなり、リヴァイが女性を連れてくるから、おかしいとは思ったんだ!」
違う——キッパリとそう伝えたかったが、そうしたら兵長さんの機嫌を損ねてしまうような気がした。
そこで、自己紹介をしながら、暗に恋人ではないことを伝えれば、店主は、こちらが呆気にとられる程にすんなりと信じてくれた。
ホッとした。だって、私と兵長さんが恋人だなんて噂が流れてしまったら、面倒で仕方がない。
でも、そうとは思わないらしい兵長さんは、私の隣で、不機嫌そうに眉を顰めている。
「あ、あの…っ。それでは、茶葉を幾つか購入したいと思っておりますので、
ひとつずつ拝見させてくださいっ。」
どうぞどうぞ———楽しそうな店主の声を背中に聞いて、私は店の奥に早足で向かい、不機嫌な兵長さんから逃げた。