【第十訓】歓迎会は歓迎される側もする側も気持ちが大事
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「つまらなそうだな。」
聞き飽きた低い声と共に、銀時の右側に影が出来た。
今まさに口をつけようとしていた盃から顔を上げ、銀時がチラリと横を見れば、よっこいしょ———とダサすぎる声を漏らしながら、土方が、テーブルに自分の徳利と盃をテーブルに置き、隣に腰かける。
拗ねて、独りでちびちびと酒を飲んでいたから気づかなかったが、さっきまで文句を垂れながら白飯をかき込んでいた神楽は、いつの間にか銀時の後ろで大の字になって熟睡している。
ついでに広間を見渡せば、新八が、山崎と一緒におんおんと泣いているのを見つけた。
どうやら、地味キャラ同士、思うところがあり共鳴し合っているようだ。
「分かってんなら、もっと俺達をもてなしやがれ。」
「最後までお前らの助っ人を反対した俺にそれを言うのか?」
「うるせー。言ってみただけだ。」
悔しくなった銀時が一気に盃をあおれば、土方が意地悪くククッと喉を鳴らしながら、盃を口に運ぶ。
怒っているときは別として、普段は、それ以外の感情をあまり表に出さない土方だが、遠くを見つめる彼の横顔はとても嬉しそうだった。
優しい瞳なんて、いつも瞳孔が開きまくっている彼には、気持ちが悪いくらいに似合わない。
「アレだろ。お前が言ってた、青い空の女。」
銀時は、徳利を傾けて、盃に酒を注ぎながら、言った。
正直、土方の言っていた〝青い空〟という例えと彼女は、うまく繋がらない。
確かに、明るくて、カラッとした青空のような性格はしているのかもしれない。
でも、彼女のことを誰かに説明するときに、わざわざ〝青い空〟を例えにするか、と言われたら答えはノーだ。
そんな、分かりづらい例えをするくらいなら、美人や綺麗だとかの方がしっくりくるし、分かりやすい。
「さぁ、どうだったかな。」
適当な様子で答えた土方だったけれど、彼女の周りを囲んで騒いでいる隊士どころか、名前の隣から離れない総悟を見れば、嫌でも分かってしまう。
口悪く彼女をからかっている総悟の声が、時々漏れ聞こえてくるけれど、再会できたことが嬉しくてたまらない、と意地悪く歪んだ口元が、言葉よりも饒舌に語っているのだ。
「久しぶりに見たな。あのドSのあんな生き生きした顔。
最近は、死んだのは姉なのか弟なのか分からなくなっちまってた。」
「———あぁ、そうだな。」
一呼吸あけて、土方が頷く。
「言葉があってる自信はねぇが、
〝良いタイミング〟で、アイツが戻ってきてくれた。」
「———そうだな。」
今度は、一呼吸あけて頷いたのは、銀時の方だった。
聞き飽きた低い声と共に、銀時の右側に影が出来た。
今まさに口をつけようとしていた盃から顔を上げ、銀時がチラリと横を見れば、よっこいしょ———とダサすぎる声を漏らしながら、土方が、テーブルに自分の徳利と盃をテーブルに置き、隣に腰かける。
拗ねて、独りでちびちびと酒を飲んでいたから気づかなかったが、さっきまで文句を垂れながら白飯をかき込んでいた神楽は、いつの間にか銀時の後ろで大の字になって熟睡している。
ついでに広間を見渡せば、新八が、山崎と一緒におんおんと泣いているのを見つけた。
どうやら、地味キャラ同士、思うところがあり共鳴し合っているようだ。
「分かってんなら、もっと俺達をもてなしやがれ。」
「最後までお前らの助っ人を反対した俺にそれを言うのか?」
「うるせー。言ってみただけだ。」
悔しくなった銀時が一気に盃をあおれば、土方が意地悪くククッと喉を鳴らしながら、盃を口に運ぶ。
怒っているときは別として、普段は、それ以外の感情をあまり表に出さない土方だが、遠くを見つめる彼の横顔はとても嬉しそうだった。
優しい瞳なんて、いつも瞳孔が開きまくっている彼には、気持ちが悪いくらいに似合わない。
「アレだろ。お前が言ってた、青い空の女。」
銀時は、徳利を傾けて、盃に酒を注ぎながら、言った。
正直、土方の言っていた〝青い空〟という例えと彼女は、うまく繋がらない。
確かに、明るくて、カラッとした青空のような性格はしているのかもしれない。
でも、彼女のことを誰かに説明するときに、わざわざ〝青い空〟を例えにするか、と言われたら答えはノーだ。
そんな、分かりづらい例えをするくらいなら、美人や綺麗だとかの方がしっくりくるし、分かりやすい。
「さぁ、どうだったかな。」
適当な様子で答えた土方だったけれど、彼女の周りを囲んで騒いでいる隊士どころか、名前の隣から離れない総悟を見れば、嫌でも分かってしまう。
口悪く彼女をからかっている総悟の声が、時々漏れ聞こえてくるけれど、再会できたことが嬉しくてたまらない、と意地悪く歪んだ口元が、言葉よりも饒舌に語っているのだ。
「久しぶりに見たな。あのドSのあんな生き生きした顔。
最近は、死んだのは姉なのか弟なのか分からなくなっちまってた。」
「———あぁ、そうだな。」
一呼吸あけて、土方が頷く。
「言葉があってる自信はねぇが、
〝良いタイミング〟で、アイツが戻ってきてくれた。」
「———そうだな。」
今度は、一呼吸あけて頷いたのは、銀時の方だった。