13. 歓迎会
Name change
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「———で?」
ヤソップ達と別れたエースは、名前と公園の遊歩道を歩いていた。
タクシーや電車を使っても構わなかったが、酔い冷ましには散歩がちょうどいい。
それに、エースには、時間をたっぷりとかけて、名前に確認しなければならないことがあった。
「・・・・・・・で、というのは?」
名前が、目を逸らしたままで言う。
下手くそな分からないフリをして、それで誤魔化しているつもりなのだろうか。
「結婚してねぇってのはどういうことか
俺に分かるように説明しろよ。」
「・・・・・・・ごめん。」
目を伏せたまま、名前が謝る。
謝って欲しかったわけじゃない———そう言えば、嘘になる。
でも、聞きたかったのは、謝罪ではないのだ。
どうして結婚していないのかが知りたいのだ。
一度は結婚したけれど別れたのか。そもそも結婚をしなかったのか。
その理由は何なのか———聞きたいのは、そこだ。
「別れてたのかよ。」
「・・・・・・・うん。」
「正月にアイツと一緒にいたじゃねぇか。
まだ会ってんだろ。」
「会っては、いる。」
「———付き合ってんの。」
「・・・・ううん。」
「結婚は?しなかったのか?」
「・・・・・・・・してない。」
名前の返事を聞いて、長いため息が漏れた。
少しだけ、脚が震えている気がする。
名前とあの男が結婚していないなんて、想像もしなかったのだ。
いや、正しくは、別れた直後に何度も何度も願ったことだ。
でも、結婚のために名前が辞めて虚しくなった学校の風景に、現実を思い知らされた。
名前が幸せに家庭を築いているとき、自分は独りぼっちで捨てられた。
だから、名前のことが大嫌いだった。
憎くて、憎くて、仕方がない。
でも、もしも———。
「なんで・・・・。」
「え?」
「俺の、せいか…?俺が———。」
「違う!!」
さっきまでか細い声で答えていたくせに、名前がいきなり大声で否定をした。
エースを見上げるその必死の形相に浮かぶのは、焦りとは違っていた。
「私とイゾウが終わったことにエースは何も関係ない。
これは、私達の問題なの。」
本当だから!エースは関係ない!———。
名前はエースをまっすぐに見て、キッパリと断言する。
2人の間に入ってくるな———そうやって突き放されたみたいだった。
「うるせぇな。他人の婚約破棄が自分のせいとかだったら気持ち悪ぃから
確認しただけじゃねぇか。」
怒ったように言って、エースは名前から目を逸らすと歩くスピードを上げた。
まだ2月が始まったばかりのこの時期の夜は、かなり冷える。
やっぱり、公園を抜けたらタクシーを拾う方がいいかもしれない。
必死の形相を浮かべる名前は、失った悲しみをどうにか堪えようとしてるようにしか見えなかったのだ。
だって、今にも泣き出しそうだったから————。
ヤソップ達と別れたエースは、名前と公園の遊歩道を歩いていた。
タクシーや電車を使っても構わなかったが、酔い冷ましには散歩がちょうどいい。
それに、エースには、時間をたっぷりとかけて、名前に確認しなければならないことがあった。
「・・・・・・・で、というのは?」
名前が、目を逸らしたままで言う。
下手くそな分からないフリをして、それで誤魔化しているつもりなのだろうか。
「結婚してねぇってのはどういうことか
俺に分かるように説明しろよ。」
「・・・・・・・ごめん。」
目を伏せたまま、名前が謝る。
謝って欲しかったわけじゃない———そう言えば、嘘になる。
でも、聞きたかったのは、謝罪ではないのだ。
どうして結婚していないのかが知りたいのだ。
一度は結婚したけれど別れたのか。そもそも結婚をしなかったのか。
その理由は何なのか———聞きたいのは、そこだ。
「別れてたのかよ。」
「・・・・・・・うん。」
「正月にアイツと一緒にいたじゃねぇか。
まだ会ってんだろ。」
「会っては、いる。」
「———付き合ってんの。」
「・・・・ううん。」
「結婚は?しなかったのか?」
「・・・・・・・・してない。」
名前の返事を聞いて、長いため息が漏れた。
少しだけ、脚が震えている気がする。
名前とあの男が結婚していないなんて、想像もしなかったのだ。
いや、正しくは、別れた直後に何度も何度も願ったことだ。
でも、結婚のために名前が辞めて虚しくなった学校の風景に、現実を思い知らされた。
名前が幸せに家庭を築いているとき、自分は独りぼっちで捨てられた。
だから、名前のことが大嫌いだった。
憎くて、憎くて、仕方がない。
でも、もしも———。
「なんで・・・・。」
「え?」
「俺の、せいか…?俺が———。」
「違う!!」
さっきまでか細い声で答えていたくせに、名前がいきなり大声で否定をした。
エースを見上げるその必死の形相に浮かぶのは、焦りとは違っていた。
「私とイゾウが終わったことにエースは何も関係ない。
これは、私達の問題なの。」
本当だから!エースは関係ない!———。
名前はエースをまっすぐに見て、キッパリと断言する。
2人の間に入ってくるな———そうやって突き放されたみたいだった。
「うるせぇな。他人の婚約破棄が自分のせいとかだったら気持ち悪ぃから
確認しただけじゃねぇか。」
怒ったように言って、エースは名前から目を逸らすと歩くスピードを上げた。
まだ2月が始まったばかりのこの時期の夜は、かなり冷える。
やっぱり、公園を抜けたらタクシーを拾う方がいいかもしれない。
必死の形相を浮かべる名前は、失った悲しみをどうにか堪えようとしてるようにしか見えなかったのだ。
だって、今にも泣き出しそうだったから————。