13. 歓迎会
Name change
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「————っと、言うわけでぇ…!新しい仲間のエースにみんな、はくっしゅーー!!」
真っ赤な髪と顔の酔っぱらいが立ち上がって、歓迎会最後の締めの挨拶をしていた。
残念ながら、騒がしい挨拶を聞いている部下は皆無だ。
みんな、身支度をしながら、楽しそうにお喋りを続けている。
シャンクスは二次会のカラオケも行きたいと喚いていたが、歓迎されるはずのエースに酔っぱらいの相手をさせかねないとベックマンが頑なに首を縦に振らなかった。
意味のない締めの挨拶も終わり、同僚達が続々と席を立ち始める。
エースも右肩にリュックをかけると、立ち上がった。
「じゃ、俺はこれで。今日はありがとうございました。」
店を出たエースは、お辞儀をして、シャンクス達に礼を言う。
高校生の頃に、名前に嫌という程に教わったお辞儀は健在で、酔っぱらい達に、お辞儀の角度が綺麗だと褒められた。
歓迎会の間、一度も話さなかったけれど、楽しそうに笑っている中に、名前の姿もあった。
「おう!また月曜な!」
シャンクスが、まるで友達のようにニカッと笑う。
そのまま帰ろうとしたエースだったけれど、ヤソップに引き止められた。
「エース、名前を送ってってくれねぇか?」
「は?」
「いつもはシャンクスが送ってくんだけどよ。
今日は、アレだから。」
ヤソップが呆れた顔で指さした先では、ベンチで寝始めたシャンクスを叱っているベックマンがいる。
いい年して酒にのまれるほど呑むなという正論が聞こえてくるが、届けたい張本人には全く響いている様子がない。
忙しい日々が続き、久しぶりの宴だと嬉しそうに言っていたから、羽目を外してしまったのだろう。
「いいよ!私はひとりで帰れるから!」
「何言ってんだ。夜に女を1人で帰らせたなんて母ちゃんに知られたら
俺がぶん殴られるんだよ。」
慌てたように断った名前だったけれど、それを却下したヤソップは、自分の嫁がどれほど恐ろしいのかを熱く語り始める。
もしかすると、あまりそうは見えないけれど、彼も十分酔っぱらっているのかもしれない。
「旦那に送ってもらえばいいだろ。」
面倒くさくなって、エースはぶっきらぼうに別の提案をする。
どうせ、夜の仕事だから無理なのだろうが———。
だが、反応は、エースにとって想像もしていないものだった。
「旦那ぁ??年中、彼氏募集中の名前にそんなもんいるかよぉ~!
むしろ、誰か紹介してやってくれよ~。」
ヤソップが腹を抱えて吹き出した。
そばにいた同僚達も、忙しい仕事にかまけてばかりの名前に、旦那どころか彼氏すら出来るはずがない笑う。
「は?名前には、旦那がいるだろ。」
「繰り返すな。お前は鬼か。
彼氏すらいない寂しさを抉られた可哀想な名前が、吐きそうな顔をしてる。」
ルーに指摘され、ハッとして、エースは名前の方を向いた。
確かに、名前は、青い顔をしていた。
そして、エースと目が合うと、慌てた様子で視線を逸らされる。
これで、ハッキリした。
名前の顔色が悪いのは、酒に酔ってしまったからでもなければ、ルーが言うように寂しさを抉られたからではない。
都合の悪い事実が、バレたからだ。
「仕方ねぇな。名前先生は、彼氏どころか、旦那もいねぇらしいし、
俺が送ってやるよ。」
エースは、名前を睨むように見て言う。
ビクッと名前が肩を揺らした。そして、慌てたように口を開く。
きっと、断ろうとしたのだろう。
でも、それよりもヤソップが早かった。
「おう!そうしてくれ!それでこそ、助手の鑑だ!」
ヤソップが、エースの肩に手を乗せて、満足気に笑った。
真っ赤な髪と顔の酔っぱらいが立ち上がって、歓迎会最後の締めの挨拶をしていた。
残念ながら、騒がしい挨拶を聞いている部下は皆無だ。
みんな、身支度をしながら、楽しそうにお喋りを続けている。
シャンクスは二次会のカラオケも行きたいと喚いていたが、歓迎されるはずのエースに酔っぱらいの相手をさせかねないとベックマンが頑なに首を縦に振らなかった。
意味のない締めの挨拶も終わり、同僚達が続々と席を立ち始める。
エースも右肩にリュックをかけると、立ち上がった。
「じゃ、俺はこれで。今日はありがとうございました。」
店を出たエースは、お辞儀をして、シャンクス達に礼を言う。
高校生の頃に、名前に嫌という程に教わったお辞儀は健在で、酔っぱらい達に、お辞儀の角度が綺麗だと褒められた。
歓迎会の間、一度も話さなかったけれど、楽しそうに笑っている中に、名前の姿もあった。
「おう!また月曜な!」
シャンクスが、まるで友達のようにニカッと笑う。
そのまま帰ろうとしたエースだったけれど、ヤソップに引き止められた。
「エース、名前を送ってってくれねぇか?」
「は?」
「いつもはシャンクスが送ってくんだけどよ。
今日は、アレだから。」
ヤソップが呆れた顔で指さした先では、ベンチで寝始めたシャンクスを叱っているベックマンがいる。
いい年して酒にのまれるほど呑むなという正論が聞こえてくるが、届けたい張本人には全く響いている様子がない。
忙しい日々が続き、久しぶりの宴だと嬉しそうに言っていたから、羽目を外してしまったのだろう。
「いいよ!私はひとりで帰れるから!」
「何言ってんだ。夜に女を1人で帰らせたなんて母ちゃんに知られたら
俺がぶん殴られるんだよ。」
慌てたように断った名前だったけれど、それを却下したヤソップは、自分の嫁がどれほど恐ろしいのかを熱く語り始める。
もしかすると、あまりそうは見えないけれど、彼も十分酔っぱらっているのかもしれない。
「旦那に送ってもらえばいいだろ。」
面倒くさくなって、エースはぶっきらぼうに別の提案をする。
どうせ、夜の仕事だから無理なのだろうが———。
だが、反応は、エースにとって想像もしていないものだった。
「旦那ぁ??年中、彼氏募集中の名前にそんなもんいるかよぉ~!
むしろ、誰か紹介してやってくれよ~。」
ヤソップが腹を抱えて吹き出した。
そばにいた同僚達も、忙しい仕事にかまけてばかりの名前に、旦那どころか彼氏すら出来るはずがない笑う。
「は?名前には、旦那がいるだろ。」
「繰り返すな。お前は鬼か。
彼氏すらいない寂しさを抉られた可哀想な名前が、吐きそうな顔をしてる。」
ルーに指摘され、ハッとして、エースは名前の方を向いた。
確かに、名前は、青い顔をしていた。
そして、エースと目が合うと、慌てた様子で視線を逸らされる。
これで、ハッキリした。
名前の顔色が悪いのは、酒に酔ってしまったからでもなければ、ルーが言うように寂しさを抉られたからではない。
都合の悪い事実が、バレたからだ。
「仕方ねぇな。名前先生は、彼氏どころか、旦那もいねぇらしいし、
俺が送ってやるよ。」
エースは、名前を睨むように見て言う。
ビクッと名前が肩を揺らした。そして、慌てたように口を開く。
きっと、断ろうとしたのだろう。
でも、それよりもヤソップが早かった。
「おう!そうしてくれ!それでこそ、助手の鑑だ!」
ヤソップが、エースの肩に手を乗せて、満足気に笑った。