11.懐かしいキーホルダーと繋がる鍵
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「あれ?なまえはどこに行った?」
エースが、子供達のプリントをひとつひとつ確認してファイルしていると、職員室の扉が開いた音がした。
仕事で出先にいたシャンクスが、ベンと一緒に帰ってきたようだ。
「さっき、帰りました。」
顔を上げ、エースが教えてやる。
すると、職員室をキョロキョロとしていたシャンクスが、エースの方を向いた。
「え?もう?」
「定時は1時間過ぎてるからな、仕方ねぇな。」
「仕方ねぇと言っても、
コレがないとなまえが家に帰れないだろ。」
困り顔でシャンクスが、ジャケットのポケットから取り出したのは、見覚えのあるキーホルダーだった。
可愛いどころか気持ちの悪い巨人をデフォルメしたようなご当地キャラクターのそのキーホルダーは、出逢った頃、まだ高校教師をしていたなまえが、家や車の鍵をつけて使っていた。
あの頃、受け持っていたクラスの女子たちが、修学旅行の想い出にと贈ったもので、彼女が本当にすごく嬉しそうにしていたのを、今でも覚えている。
懐かしいキーホルダーを見て、少し驚いたけれど、今でも彼女がそれを使っているとしても、何も不思議はなかった。
「今朝、偶々駅前で見かけたなまえを車に乗せて出社したんだが、
そのときに家の鍵を落としてしまったみたいなんだ。」
「へぇ。」
なぜなまえの鍵をシャンクスが持っているのだろうか、と思ったのだが、そういうことかと理解する。
「それで、さっき帰ったんだろう?
悪いが、エース、おれの代わりになまえにこれを———。」
「嫌です。」
「断るの、早くない?」
キッパリと断られたにも関わらず、シャンクスは、わざわざエースのデスクのもとまでやってきて「今すぐ持って行ってやってはくれないか。」としつこく頼み込む。
今から、電話をしないといけないところがある為、どうしても自分が追いかけることは出来ないのだそうだ。
「チッ。」
「チッ!?今、舌打ちした!?」
「——いえ、してませんけど。」
エースは、大量のプリントとファイルを閉じて、デスクの端にまとめておくと、大学用にも使っているリュックを持って立ち上がった。
そして、シャンクスから奪いとるように鍵をひったくる。
「じゃあ、俺、それ届けたらそのまま帰るんで。おつかれさまでした!」
なまえに教え込まれたせいで、いつの間にか、深すぎるお辞儀が癖になっていた。
エースは、呆気にとられるシャンクスやベン達の視線を気にする素振りもなく、早足で職員室を出た。
エースが、子供達のプリントをひとつひとつ確認してファイルしていると、職員室の扉が開いた音がした。
仕事で出先にいたシャンクスが、ベンと一緒に帰ってきたようだ。
「さっき、帰りました。」
顔を上げ、エースが教えてやる。
すると、職員室をキョロキョロとしていたシャンクスが、エースの方を向いた。
「え?もう?」
「定時は1時間過ぎてるからな、仕方ねぇな。」
「仕方ねぇと言っても、
コレがないとなまえが家に帰れないだろ。」
困り顔でシャンクスが、ジャケットのポケットから取り出したのは、見覚えのあるキーホルダーだった。
可愛いどころか気持ちの悪い巨人をデフォルメしたようなご当地キャラクターのそのキーホルダーは、出逢った頃、まだ高校教師をしていたなまえが、家や車の鍵をつけて使っていた。
あの頃、受け持っていたクラスの女子たちが、修学旅行の想い出にと贈ったもので、彼女が本当にすごく嬉しそうにしていたのを、今でも覚えている。
懐かしいキーホルダーを見て、少し驚いたけれど、今でも彼女がそれを使っているとしても、何も不思議はなかった。
「今朝、偶々駅前で見かけたなまえを車に乗せて出社したんだが、
そのときに家の鍵を落としてしまったみたいなんだ。」
「へぇ。」
なぜなまえの鍵をシャンクスが持っているのだろうか、と思ったのだが、そういうことかと理解する。
「それで、さっき帰ったんだろう?
悪いが、エース、おれの代わりになまえにこれを———。」
「嫌です。」
「断るの、早くない?」
キッパリと断られたにも関わらず、シャンクスは、わざわざエースのデスクのもとまでやってきて「今すぐ持って行ってやってはくれないか。」としつこく頼み込む。
今から、電話をしないといけないところがある為、どうしても自分が追いかけることは出来ないのだそうだ。
「チッ。」
「チッ!?今、舌打ちした!?」
「——いえ、してませんけど。」
エースは、大量のプリントとファイルを閉じて、デスクの端にまとめておくと、大学用にも使っているリュックを持って立ち上がった。
そして、シャンクスから奪いとるように鍵をひったくる。
「じゃあ、俺、それ届けたらそのまま帰るんで。おつかれさまでした!」
なまえに教え込まれたせいで、いつの間にか、深すぎるお辞儀が癖になっていた。
エースは、呆気にとられるシャンクスやベン達の視線を気にする素振りもなく、早足で職員室を出た。